「大事なお話がひとつだけあるの」
なんかのブームなのかちょいちょい挟んでくるこの言い回し。
「ろくちゃんね、大事なお話がひとつだけあるの」
「ふたつだけお話したいことがあるの」等。
大事なお話はだいたいひとつかふたつであり、うん?そうなの?どうしたの?とこちらも改まって向かい合うと、
「………」
といきなり空中や、洗い終わった食器のカゴや、ティッシュの箱なんかを見つめて黙る。ので、あ、これ100%いま言うこと考えてますよね?っていうやつなんですけど。
その後の発言はだいたい
「カレーを食べたあとにお水を飲むと、そのあとにまたカレーを食べるんだよ」とか
「かーたんはどうして今コーヒーを飲まないの?」とか
とりあえずまとめてみました的文章や、ほんとにその答え知りたい?的質問に終わるので、
「大事なお話がひとつある」
という言い回しを使いたいだけなんだろうなという。
わかる。その、とりあえず使ってみたい的なやつ。
あなたの40歳ほど年上ですけど、今でも全然あるからね言っとくけど。ただそういう自分を客観視できるようになるだけであって。
ちなみに「かーたん、ろくちゃん大事なお話がひとつだけあるんだよ」と最初に言われたのは保育園から帰る道すがらだったんですけど、その頃は離婚のことでゴタゴタしていた時期だったもので、思わず自転車を停めましたよね。えっなんか深刻な話?みたいな感じで。
結果「この道を走るときはあそこの葉っぱにさわらないように気をつけて!」みたいな話でズコーとなったんですけど。うん。いやいやでもほんとは無自覚のストレスみたいなのがあってそれを言えないがためにこういうくだらない(ごめん、別にくだらなくはないんだけど)話でごまかしてるのかな?なんて深読みをしたりね、その頃はしてましたけど。うん。いや、言いたいだけだわこれ。と。
子どもは本当に敏感で色々察するし、傷つくことも多いだろうと思う。けど、いっぽうでとっても強くて自分の世界を形成している。そこを私は頼りにしています。