Floorp のロゴの話
忘れた頃にこんにちは。かったぁです。
私はオープンソースの Web ブラウザ「Floorp」にロゴやアイコン画像などを提供しています。
現在は Floorp に関するほぼすべてのロゴとして使われていますが、ブランドに対して別のロゴを使う案もあるようです。
私は (今のところ) プロではないので、作品に粗が目立つのもひとつの要因でしょう。
良い機会なので、Floorp ブラウザにロゴを提供することになった経緯や、制作で考えていることなどを軽く書き残しておきます。
はじまりは創作テロ
すべての始まりは 2021 年も終盤に差し掛かったころ。いつものように Twitter (現在の X ) を触っていると、なんだか面白そうな投稿を見つけました。
そのユーザーはなんと、ブラウザを作っているそうです。しかも、なんだか変な名前。
この SNS は特性上、特定の趣味嗜好を持つユーザー同士の緩い繋がり (いわゆる「界隈」) が生まれがちです。当時の私はガジェットやソフトウェアなどに興味を持っていたので、この投稿もその繋がりで発見したものでした。
ビビッと来ました。「このロゴを作りたい」と強く思いました。
私は作品のロゴを勝手に作ることがよくあります。無から何かを創造するよりも、題材があるほうが作りやすいからです。ようは二次創作ですね。
興奮冷めやらぬままひたすらに手を動かし、それは完成しました。たった 3 時間の出来事です。
せっかくだから、公式の人にも見てもらいましょう。返信でいいかな?
採用されました。
つまりこのロゴは、溢れんばかりの創作意欲をぶつけたファンアートから生まれたのでした。
この後にも多くの画像が作られますが、アプリアイコンに使われる六角形のアイツだけは、当時から何も変わっていません。
これを書いている現在は 2023 年の 11 月なので、あれからもう 2 年になるんですね。
ロゴの成り立ち
ノリと勢いで生み出しましたが、私なりには考えました。
アイコンを見ると、紫色の六角形に「F」と書かれています。
六角形と F のモチーフは、以前のロゴから受け継いだものです。
多くの場合、ロゴの大幅な変更はユーザーの混乱を招きます。輪郭をなんとなく維持することで、あえて昔の面影を残すことを意識しました。
アイコンの色は以前のものと大きく異なりますが、これは Floorp の背景画像のものです。
ブラウザで「Floorp について」を見ると、背景に (おそらく) ミズクラゲが表示されます。この鮮やかな色をとても気に入ったので、参考にしながら彩色しました。
余談ですが、Floorp にはクラゲの要素がよく用いられます。
インストーラーが水に浸かっていたり、コードネームにクラゲの学名が使われたりするのもそのためです。
…単なる二次創作にここまでの妄想を盛り込めてしまうのだから、ノリと勢いとは恐ろしいものです。
ちなみに、以前のロゴは Floorp 8 までのリリースノートなどで見ることができます。
色々とつくりました
先述の通り、私が提供しているのはロゴだけではありません。
アイコン、ブラウザ内のイメージ画像、広報用の画像など、その種類は多岐にわたります。勝手に作ることも、開発者さんからの直々の依頼で作ることもあります。
クオリティはぼちぼちでも、迅速かつ定期的に提供できるのは私のような人間の強みです。ファストデザイン的な。
前置きはほどほどに、作ったものの一部をお見せします。
すごい数ですよね。私もそう思います。
ほとんど使われてないのに。
Floorp Lightning のロゴ
現在は開発を停止していますが、 「Floorp Lightning」 というものがありました。
ざっくり言えば Floorp の機能制限版です。制限した分、ちょっとだけ軽くもなっています。
通常版とのロゴの違いを見ていきましょう。
まず、アイコンが明らかに違います。
Lightning だから稲妻……安直ですが、これ以上にわかりやすいものはありません。
六角形に角度を合わせたりだとか、ちょっとしたこだわりはあります。
ロゴタイプを見ると、Floorp の oo の部分が異なります。
元のロゴタイプは無限 ∞ の形をしていますが、これは Floorp の高いカスタマイズ性を表します。
Lightning は機能制限版なので、同じ無限は適しません。そこで、代わりに速さを表現してみました。
このロゴ、Lightning までを含めるとかなり横に長くなります。なので通常はアイコンと「Floorp」だけになりますが、それだけでもブラウザの違いがわかるように、oo を用いたギミックを仕込んでみました。
同じロゴタイプに揃えるオプションもあります。
Floorp の外側
ブラウザの外で使う画像も作っています。アカウントのバナー、SNS の投稿などが含まれますが、それに限りません。
たとえば、X (旧 Twitter) の公式アカウントでは、Floorp 11 のバナーを使用していますね。
いわゆる「新機能まとめ」のようなものもあります。
ボツになったものをお見せします。
こういった画像の役割はさまざまですが、Floorp をもっと知ってもらう、あるいは Floorp の世界観を形作るものとして、製品にはとても大切なものです。
さいごに
以上、外側の話でした。
これを読んでも Floorp の体験は何ひとつ変わりませんが、明日使えるムダ知識くらいにはなったと信じます。
むしろ、私にとってこそ良い記事かもしれません。自分を振り返る機会って、自分が思っているよりもないものです。
注意: これらはフリー素材ではありません。多くは私や Floorp の方々が商標または著作権を保有しています。