東京パフォーマンスドール「DREAM TRIGGER」
夢の引き金をひく、そんなタイトルに負けていない力強い曲である。僕にとっての東京パフォーマンスドール(TPD)のイメージは、「BRAND NEW STORY」とこれが代表格である。
デビュー作「BRAND NEW STORY」をひっさげ、新生TPDの第二弾シングルとしてリリースされたこの曲は、当時のTPDの楽曲の指針を示したような位置づけの曲になっていただろう。ライブを見ても、メンバーが横に並び、訴えかけている様子はこちらの心にも響くものがある。
この曲ではまた、歌詞とリンクしたような振り付けも目立つ。
「胸を打つ鼓動」
では心臓の拍動を体現しているかのように体を揺らす。
「駆け出すんだ」
右へ、左へ、と片手銃で打つ振りの後に両腕を大きく使って何かを引くような振りが見られる。
ところでこの「駆け出すんだ」のパート、力強さを表現した良い振りだとは思うのだが、これが何を意味しているのかをすごく気になっていた。答えを探している過程で、TPDメンバーによる振り付け指南動画を見つけた。これは完全に知識不足を露呈するのだが、この動画の存在は、この投稿のために調べるまで知らなかった。「DREAM TRIGGER」以外にも3曲程度、代表曲の一部分の振りをメンバーがレクチャーしてくれる動画が残っていた。
TPDメンバーは動画内でここについて「弓を引くような」振りであると語っていた。確かに左腕を伸ばし切り、右手は顔の前に置く様子や、すぐさまその両腕をやや上に挙げるしぐさは、弓を射る姿に似ても見える。
けれども僕のイメージとしては、片手ではおさまりきらないような大型銃、それこそ機関銃か何かを両手に抱え、引き金を引いている姿を思い描いていた。タイトルに「トリガー」とあるのも、このことをより強く裏付けていると思っていたからだ。そのため、ここは銃ではなかったのか、とやや面食らった。
弓矢にしろ機関銃にしろ、「夢」に向けて狙いを定めて発射する、という意味合いでは同じような物ではあるが。
こうした振りにまつわる意味については、その曲のリリースイベント時などにはリアルタイムで語られていたのかもしれないが、当時を知らない新参者の僕にとっては謎のままだった。メンバーのこれまでのすべての発言がネット記事として残るわけではなく、その時に好きでないと分からないことも多々ある。
TPDは先代も合わせるとかなり長いこと続いているので、知識不足を露呈してしまうことは多いのだが、今回のように勉強しながら魅力を書ければと思う。