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【アイドルファンインタビュー#3】Pimm's 「RELIGHT 」

フォロワーの方におススメのアーティストと代表的な一枚をお聞きする企画の第三弾です。
今回ご協力いただいたのは、アイドルファンAさん(ご希望によりお名前は伏せさせてもらいます)。

静岡にお住まいで、週に一回程度都内のライブを中心に遠征されています。
自分も大学時代に静岡に住んでいて、高速バスを使って好きなアイドルに会いに行っていた時期がありました。
勝手ながら親近感を覚えるとともに、あの当時を色々と思い出してしまいます。
東京まで3時間半という道のりは、より遠い地方の方からすればさほどではないかもしれませんが、あの頃の自分にとっては果てしない距離でした。
今回は多忙な仕事の合間を縫って、オンラインでご協力いただきました。
ツイッターを拝見する限り、特に忙しい時期だったようです。

ご紹介いただいたのは、7人組アイドルグループ・Pimm’s(ピムス)の4枚目のアルバム「RELIGHT」。

目移りしてしまうほど魅力的なライブアイドルグループが多く、単推しを名乗りながらあちこちをふらふらしている方も多い中で、AさんはまぎれもないPimm’s単推し。
一途にずっとPimm’sを推しています。
Pimm’sを知るまではアイドルというものに対してさほど興味がなく、学生時代に当時全盛だったAKBをテレビ越しに見る程度。
非常にライトな”視聴者”だったAさんを、初めてアイドル、それもライブアイドルというややディープな世界に引きずり込んだのが、Pimm’sというグループでした。
4枚目のアルバムに行く前に、Pimm’sにハマったきっかけから書いていきます。

*ところで自分は、ライブレポでアイドルの名前を登場させるときは●●さんという風に名字+さん付けで書いていますが、ライトに眺めている自分のような人間と、深くそのグループのファンでいらっしゃる方との見方や距離感との対比をくっきりとさせるために、Aさん談の三人称は、語っていただいたニックネームをそのまま使わせてもらいます。*

Pimm’sのはじまり

「2019年の秋くらいかなぁ、初めてライブに行ったのは。10月とかそのくらいです。TikTokで新谷(真由、現パラディーク)を見て可愛いなと思って、この子はPimm’sってアイドルやってるのかと知って、たまたま仕事かなんかで東京に行く機会があった時に、タワレコの新宿でのリリイベに行ったのが初でしたね。
たまたま前のほうで観れたんですけど、知り合いのファンもいないし、何したらいいかも分からないから、周りの空気を読みつつ、おなじ動きをしていればいいだろうと。カラオケで盛り上がっているような感じ(笑)」

「これまでアイドルの応援はほとんどしていなかったけど、初めて観たときにこれはすごいなって。
まず自分は歌って踊ることが出来ないな、とか30分も1時間もこんなふうにパフォーマンスを維持することが出来ないな、とかいろんなことを考えはじめたんですよね。
それで特典会に行けば『こんなに良い対応してもらえるんだ』ってなって徐々にこう...行ってみたって感じですね。」

「Pimm’sは今も昔も第二火曜日くらいに定期公演をやっていて、けどリリイベと定期公演ってレギュレーションが違うんですよね。
なので初めて行ったときに特典券の買い方が分からなくて、新谷の特典券が買えなかったんですよ。」

初めてのアイドルライブ現場で、ローカルルールに戸惑いながらも、しかし身体は間違いなくPimm’sにズブズブとハマっていきました。

「特典券を枯らしちゃって消化不良みたいな感じになっちゃったから、次のライブはいつだろうってなったときに一週間以内くらいにあったので、もう買っちゃえと。
道玄坂のセブンでチケット買って(笑)なんならもうFCまで入って、(同じく静岡出身の)智絵さんの生誕イベントが静岡であると知ったので、それも勢いで申し込んじゃったんです。」

最盛期のO-EAST

Aさんが初めて行ったリリイベというのは、グループ2枚目のアルバム「LOVE AND PSYCHO」の発売記念イベントでした。
12月には、アルバムをひっさげた全国ツアー「LIVE TOUR 2019~LOVE AND PSYCHO~」のファイナルがO-EASTにて開催されます。
当時、O-EASTやO-Crestなどのライブハウスが入った建物の外側には、アルバムツアーの大きな看板が飾られていました。
ツアーファイナルの様子は今も何曲か映像が残っているのですが、コロナ後からPimm’sを知った自分としては、これを観たときに隔世の感を覚えずにはいられませんでした。

代表曲「kimi to boku」では、 密集したファンの声量がすさまじく、O-EASTがとんでもなく小さな箱のよう。
当時の7人のメンバーは、コールという大船に全体重を預け、気持ちよさそうにパフォーマンスしていました。
フロアとアイドルの間に見られるこれほどの信頼関係は、コールが封じられたコロナ禍ではなかなかお目にかかれないものでした。
自分がその場にいなかったライブは、取り返しようのない事実として基本的になかったものと封をしてしまう節があるのですが、このO-EASTのライブに関しては、行かなかったことを後悔(もっともこの時期はライブアイドルから離れていたので知る由もなかったのですが)する気持ちが少なからず生まれていました。
ツアーファイナルはまた、郡司英里沙さんと山口紗弥さんという、パフォーマンスを引っ張ってきた2人の最後のライブでもありました。

「自分もまだオタクになってから2カ月くらいしか経っていなかったけど、あの盛り上がりはすごかった。
やっぱり英里沙っていう中心人物が抜けるって大きな事だったし、自分は2カ月だからどういうことをしただとかは周りから話を聞くくらいでしかなかったですけど、それでもこの子の存在が大きいなってのは凄く感じていて。紗弥はツアー中体調不良でずっと休んでたんですよね。ずっと5人か6人かでやってて、僕が初めて観たリリイベも英里沙と紗弥がいなかったんですよ。英里沙は復帰したけど紗弥は出られなかったのが、最後の最後に頑張って出てくれてようやくフルメンバーが揃った。それで余計に盛り上がったんですよね。」

個性的な6人体制

その後の流れを追っていくと、アルバムツアーのファイナルをもって郡司さんと山口さんが卒業し、2020年へ入っていきます。
2人の卒業をきっかけに、Pimm’sは大きく形を変えていくことになりました。
3月に林茜実里さんが加入し、5月には新谷さん含む3人のメンバーが立て続けに卒業、入れ替わるように高橋真由さんと早川渚紗さんが加わり、9月には小山星奈さんが加入。
徐々に現体制が出来上がってきます。
かつては大サビやメインのパートが郡司さん、ラップが山口さんと、かなり偏り気味だったパート割が均等になりだしたのはこのあたりからでした。
ラップパートは前からいる川崎さんが継ぎました。
自分がPimm’sを知ったのは、この6人体制になってからでした。

6人時代のPimm’sの印象は、「役者が立っている」ということ。
それぞれがグループに埋もれず、自らの得意なフィールドで戦っている印象を受けました。

例えば金髪ショートのビジュアルでぱっと目を引く小山星奈さんは実に気持ちよく歌を歌います。
すーっと抜けていく歌声の上手さはもとより、喉をしっかり開いて歌う姿が本当に楽しそう。
曇りなく、心から歌うことが好きなんだろうなと思わせてくれる歌いっぷりです。

高身長の高橋真由さんと川崎優菜さんは、さながらウイングのたたずまい。
ステージ両サイドのお立ち台に足をかけ、フロアを見下ろしながら圧をかけていきます。
デュオだったり2人でのパートが多い気もします。
高橋さんはがなるような声から「BOY MEETS GIRL」にみられるホイッスルボイスまで、奔放なキャラクターに見えて歌声はかなり器用で幅広い印象です。

小林智絵さんは独特な高めの声質もさることながら、フロアを凝視しながらバキバキに踊れるところに感心してしまいます。
先程のAさんのコメントではありませんが、まず自分には真似できないと真っ先に思ってしまうような芸当です。
小林さんにはまた、Pimm’sへの愛情も垣間見ることができます。
メンバーの入れ替わりを経て、様々な波を経験しても、自分だけは変わらず10年近く支えてきたという誇りや自負が、MCやソロパートを歌う間際の姿勢に現れているような気がするのです。

ミクスチャーロックを標榜し、硬質なライブを届けるこのグループにあって希少なアイドル性の持ち主が、担当カラーがピンク色の早川渚紗さんだと自分は思っています。
小柄な体で笑顔を振りまけば、大抵の人は顔を緩ませるはずです。
今はなき新木場スタジオコーストで観た時、出しづらそうな高音を、笑顔を崩さないまま歌いきったところに度肝を抜かれました。

歌い終わる前も後も、表情が変わらないのです。
苦しそうに見せない姿には、プロとして絶対にアイドルの仮面を外さない意思のようなものを感じていました。

落ちサビに林茜実里さんが出てきたときは、場が一気に浄化されたような気がします。
歌声にもクセがなく、まさしく正統派。
郡司さんのパートを主に受け継いだのは、入れ替わるように加入した林さんでした。

自分から見た6人の像は、こういう映り方をしていました。
ライトな自分でもこうスラスラと出てくるくらい、Pimm’sは個性が豊かです。

それ以上のもの

Aさんの今の推しは、林さん。
思いがあふれるだけにその魅力を一言で語り切るなんてことはとてもできません。
お聞きしておいてつまらない質問を投げかけてしまったと反省したのですが、「こういうパフォーマンスを期待している」という回答をいただくことが出来ました。

「沢山ありすぎるから、まとめることは出来ないけど...どの目線だって言われたらそれまでですけど、よく特典会で茜実里に言ってるのは、”茜実里にしかできないパフォーマンスだったり歌を見せてほしいな”っていうこと。
推しメンがただ歌が上手いってだけだったら僕らは喜びますよ。
だけどそれ以上のものが欲しいなって。
茜実里が加入した時によく言われていたのは、(元のパートだった)英里沙の真似がちょっと入っちゃってると。
本人としてはそういうつもりはなかったと思うんですけど、どうしても見本となるのは英里沙だし、それは仕方のないことだと思うんですよ。
ただ、その中でも茜実里にしか出せない歌声って絶対にあると思うので、それを見せてほしいなと。
今では茜実里なりにアレンジするところが出てきたりとか、煽りを入れるところとか抑揚を付けるところとか出てきて、そういうのを観るのが面白いなっていうか、ライブならではだなって思いますね。」

「別に凄く変えろってわけではないんですけど、茜実里も茜実里で工夫しているところってあると思うので、『今日はどうかな』と観に行くのが面白いなと。CDと違うライブのよさってそこだと思うんですよ。」

立仙さんの加入

当時のPimm’sは、6人それぞれが遠慮することなく個性を強く主張する一方で、大きな1つの塊としても安定して機能しているように見えました。
過去曲の6人バージョンでの再録が入り、2021年秋にリリースされた3枚目のアルバム「URBAN WARFARE」はその集大成のようなものだったと思います。
ツアーの仙台公演に行きましたが、先走ったクラップに代表される会場の盛り上がりはすさまじかった記憶があります。
これで完成を見たかのように思っていたのですが、1年半以上つづいた6人体制に突如区切りが打たれます。
結成9周年ライブを前にした5月のことでした。
新メンバー・立仙愛理さんの加入が発表されたのでした。

元AKBチーム8であり、卒業後は得意のラップを活かしてラップバトルにも出演するなど、女性アイドルの枠内に限定されない活躍を見せていた立仙さんは、押しも押されもせぬ大型ルーキーでした。
いわゆる転生ですが、よくあるライブアイドルからライブアイドルへの移籍ではなく、天下りのような形での立仙さんの加入は、小規模な界隈でのファンの循環に留まらず、ラップや48Gなど、これまでライブアイドルに関心のなかった様々な背景のファンをPimm’sに引っ張ってくれることが期待されていました。
とはいえ、頭の中での勘定も、1年半の愛着に対してみれば単なるそろばんにすぎません。
せっかく6人で安定しているのに、どうしてわざわざ崩すようなことをするのかという声もありました。

ラップを特技にしていた立仙さんの加入はすなわち、ラップパートの交替も意味していました。
となると、6人体制でのラップ担当だった川崎さんはラップパートを立仙さんに譲り、必然的に自身のパートを減らすということになります。
山口さんの卒業後、川崎さんは慣れないラップに苦戦しながらも自らの色を出してモノにしてきたのに、そのパートをポッと出てきた新メンバーにそっくり明け渡してしまうというのはいかがなものか。
立仙さんの加入を起爆剤にしてより上に上がっていこうという意図は理解していても、そのやり方はあまりに非情ではないかと思ってしまうことは、川崎さんの苦労を間近で観てきたファンであればしごく当然のように抱く感情だと思います。
加入発表時期は、自分が見ている範囲でもSNSではそれなりの話題になっていました。

10年もの蓄積があるグループに飛び込むだけでも、並大抵の度胸では挑めないはずです。
それに加え、(ごくごく一部かもしれませんし、矛先は運営ですが)入り方にも疑問符がついてしまった。
少なくとも、初めから大歓迎というムードではなかったかもしれません。
ところが、立仙さんはそんな向かい風を実力でもって180°変えてしまいました。
立仙愛理さんの愛称は「あいりっせん」です。

「あいりっせんって、さっき言った『その子にしか出来ない表現』っていうのが出来るんですね。
凄く器用というか多彩だなと思っていて、例えばラップにしてもいつも違う感じだし、それ以外でも前でしゃがんでフロアを煽るとか、かたや可愛くニコニコする場面があるとか、本当に観るたび観るたび上手くなってるしやり方が違うんですよ。
特典会の時も、釣るときは釣るし、面白い話はちゃんとするし。そりゃ(担当カラーの)緑振りたくなるよねっていうのが凄くわかるんですよね。」

「6人で完成した時に入ってきて、最初はどうなんだろうって思ったけど、もうすっかり前からいたんじゃないかってレベルで溶け込んでるし、他の6人とも違うものを持ちつつ、でもバランスを崩すことなく上手く調和しているところが凄いなって今は思いますね。」

変わっていったメンバー

立仙さんが加わることによって、迎え入れる6人の中で変わっていったメンバーはいたのでしょうか。
お伺いすると、意外な答えが返ってきました。

「(川崎)優菜じゃないですかね。へーって思うじゃないですか。真由とか星奈とか来るかなと思ったかと思うんですけど、僕が見ていて思うのは優菜ですね。」

「今まで優菜がやってきたラップのパートが全部あいりっせん担当になって、優菜からすると自分のパートが少なくなっていろんな思うところがあると思うし、ファンもファンで腑に落ちないとか納得いかないところってあったかもしれないんですけど、その中でも凄く一生懸命にやっていて、自分のパートが来たときは誰よりも思いが強いなっていうか...覇気、気合、気迫とかオーラとか、説明が出来ないようなものを凄く感じますね。」

「Pimm’sが好きでアイドルやこの活動が好きなんだっていうのがすんごく伝わったんですよ。本来だったら嫌になっちゃうじゃないですか、1年半磨いてきたものを取り上げられるって。それでも腐らずやって歌ふくめパフォーマンスも凄く上手くなってるし、Pimm’sを支えているなって感じたんですよね。」

川崎さんは小林さんに次ぐグループ2番目の古株で、立仙さん加入時にはすでに7年ものキャリアがありました。
自分だったらどうだろうかと考えてしまいます。
山口さんが卒業し、全く馴染みのなかったラップパートをやることになったときや、必死で習得したと思ったら新メンバーのために突如手放さざるを得なくなったとき。
それがグループのための選択とはいえど、振り回されているとも捉えられる現状に対してぷつりと何かが切れてしまう瞬間は、自分だったら何度もあっただろうなと思います。
しかし川崎さんは、腐らずに与えられたポジションでベストを出そうと常に前を向いている。

置かれた場所で咲きなさいとはよく言われる格言?です。
個人的には、逃げも許されないような言い方のように聞こえて全肯定できないのですが、川崎さんはそれを体現したわけです。
個性のぶつかり合いが絶妙なバランスで調和してマーブル模様となった6人体制のPimm’sは、立仙さんという新たな色が入ってもその個性を打ち消すことなくまた別の模様を作り出しました。
卒業と加入を繰り返しつつ、10年間屋台骨を守ってきたグループには、異分子を飲み込んで栄養にしてしまう大きな器が備わっています。
象徴的な存在が、川崎さんなのかもしれません。

7人で初のアルバム

立仙さん加入からさほど日をあけず、7人体制で初となる4枚目のアルバムがリリースされました。
ご紹介いただいた「RELIGHT」です。

収録曲
1.Anthem
2.FANGS
3.オドレダンス
4.ギミギミ
5.Summer!Summer!!

個人的には、抜けの良い早川さんと小山さんの声が生きる「Summer!Summer!!」がビビっときました。
Pimm’sでホーン隊が出てくるのは珍しい気がしていて、今までと比べてもやや特殊な位置づけの曲かもしれません。
Anthem」では転がるバスドラ、「FANGS」では何か高音が目立つ時がありました。

「当然いままでのどの曲も凄く良い曲が沢山ありましたし、『URBAN WARFARE』なんかは思い入れも沢山ありますけど、やっぱり『RELIGHT』かな。今の7人でのアルバムで、リリイベも今までで一番行ったし、一番CDも買ったし。1年半くらい6人体制でやっていたので、正直このままずっと6人でやってくのかなと思ってたところもあったんですね。そこにあいりっせんをラップ担当として加えて、さらに上を目指そうという姿勢を感じた。
あいりっせんが入りたての時にすぐCD売りますよって感じだったので、当時は(加入した9周年ライブで披露された)『Anthem』という曲しか収録曲が分からなくて、徐々にいろんな曲が公開されていってって感じだったので、それを待つのもすごく楽しみでした。」

「アルバムをひっさげた『Pimm's Presents RELIGHT Release Tour 2022』ファイナルは一つの区切りというか集大成みたいな感じで、茜実里も熱量が高くて気合の入ったパフォーマンスだったり強い思いがあるなって感じはしましたね。
ファイナルにふさわしいライブで、一人一人パフォーマンスも上がっているしこれからもっともっと大きくなっていくんだろうなと思いました。
会場のO-WESTに奥のほうまで結構人が入っていたんですよね。改めてPimm’sのファンって増えてるなって感じましたし、あいりっせんが入ったことで集客・パフォーマンスで相乗効果も生れて断然いい方向に行ってるんじゃないかな。」

Aさんが初めて観たときと同じく7人体制になったPimm’sは現在、「Pimm’s Freelive2023」という入場無料ライブを大規模に開催中で、そのファイナルが10周年記念ライブとして日比谷野音にて行われます。
野音でのPimm’sは絶対楽しいはず。
6月には川崎さんが卒業してしまうのですが、その前に7人の活躍を目に収めておきたいところです。

下剋上

私的ベストライブをお伺いしたところ、2つ挙げていただきました。
1つが先の「RELIGHT」ツアーファイナル、そしてもう一つが、小山さんが入る前、束の間の5人時代のライブでした。
2020年8月、EX THEATER ROPPONGIにて開催された「RIF」こと「ROPPONGI IDOL FESTIVAL」という対バンライブです。
AKBや神宿など、そうそうたるグループが出演していました。

自治体をまたぐのも憚られていたコロナ禍の真っ只中であり、全席指定で席数もキャパの半分以下にしていたと思います。
それに加え出演者が人気グループばかりのため、かなり高い倍率でした。

この思い出話の中に、あえてライブアイドルを応援の対象に選び、時間とお金を割いてストーリーを追いかける理由が込められていると思いました。
Aさんのそのコメントを引いて、インタビューの幕引きとします。

「Pimm’sの出順の前にAKBのチーム8がパフォーマンスをしたんですよね。その時に、誰もが知っているフォーチュンクッキーとか大声ダイヤモンドとかをやってて、自分もエモくなったし、ファンも凄かったんですよね。当時はコロナが厳しかったので座席の前でサイリウム振るだけしか出来なかったのに、それでもこんなに盛り上がれるんだってくらい熱かったんですよ。」

「それで次にPimm’sだってなったときに、自分は当然ファンだから一人でも良いから立って応援しようと思って。当時は抽選で席が割り振られるシステムだったので、隣の人が知り合いとかそういう状況でもなかったんですけど、とにかく立ってやろうと。
そしたら5人がAKBに負けないくらいの熱いパフォーマンスをしてくれて。印象的だったのが、多分AKBのファンだと思うんですけど何人かが立ち上がってサイリウム持って振り出したんですよね。」

「Pimm’sの事は知らない人たちだったはずだけど、『この子たち良いな』って振ってくれたんでしょうね。あれが凄く印象的で。
メンバーカラーとかは知らないから色は適当に振っていたんだと思うんですけど、凄いなと思って。」

「ライブなんで勝ち負けはあまりないかもしれませんが、気持ち的にはAKBにも負けてないぞ、みたいな。こないだのサッカーW杯で日本がドイツやスペインに挑戦して下剋上を果たしたのに近い感情でしたね。
『見てるか、これがPimm’sだぞ。どうだ』みたいな感じで当時の5人がやってたんで、いやぁすさまじいなと。しかも真由、渚紗、茜実里に関しては入って半年も経っていなかったんで、そこも凄いなと思いました。あれはもう一生忘れられないくらいのライブだった。」


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