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【ライブレポ】秋葉原アイドルサーキット vol.0

これはアイドルに限らずですが、対バンライブやフェスの良いところとして、「これまであまり知らなかったグループの魅力に気付ける」というのがあると思っています。もちろんそれは、自分が推しているグループが出演していることで、少なくともそのグループのステージの時だけは楽しめる、という安心感有ってのものですが。

11月3日の文化の日に、秋葉原のAKIBAカルチャーズ劇場と神田明神ホールの2会場で行われた、「秋葉原アイドルサーキットvol.0」第2部に行ってきました。
いつものようにライブレポといきたいところですが、まとまらなかったのでいつも以上に「雑感」となってしまっています。

今回のライブは、これまでアイドルフェスを数多く主催してきた@JAMとアイドル横丁がタッグを組んだアイドルフェスです。
もともと、サーキット型のアイドルフェスの予定だったのですが、コロナの関係で大規模に行うことは難しく、プレイベント「vol.0」として規模を縮小、アイドルが2会場を回ってパフォーマンスをする、という形式で行われることとなりました。

出演者はこちら

Appare! / 東京パフォーマンスドール
 / 転校少女* / アップアップガールズ(仮)

 オープニングアクト: サンダルテレフォン

僕が行ったのは神田明神ホールでした。秋葉原駅で降り、もう一つの会場であるAKIBAカルチャーズ劇場を素通りし、そこから5分程度で神田明神へ。
ホールは2018年末にオープンしたとのことで、ここ最近地下アイドルへの熱が再燃した僕にとっては初めての会場でした。
マジパンとか他アイドルのワンマンも行われていたかと思うので、名前だけは聞いたことがありましたが。
調べてみたら、アイドルだけでなくプロレスの営業にも使われているんですね。

ライブとはいえ一応神聖な所に来ていることには変わりないので、手水の一つでもしておいたほうがいいのかなと思いつつ、外階段を上がって受付を済ませ、会場内に入りました。
ステージの位置は、あくまで主観ですがそこそこ高く感じました。立ってても割と見上げるような高さで、そのためにステージへの視界は十分にひらけていました。
椅子が間隔をあけ、市松模様のように並べられています。
事前にコンビニで発券したチケットに印字されていた座席番号は4列目とありました。
「結構前じゃん」と喜んでいましたが、「15番」という位置については気にも留めていませんでした。

15番の席は、上手側の一番はじっこでした。PAのスピーカーもこちらを向いていません。目の前には関係者以外立ち入り禁止の紙が張られた衝立があり、そこにはスタッフの方が一人立っています。

ライブ本編へ

まずステージに上がったのは、オープニングアクトの「サンダルテレフォン」というグループ。
他の本編出演者ならともかく、サンダルテレフォンについては不勉強故名前を知りませんでした。

けれども個人的には、全出演者を通してこの「ダルフォン」が一番インパクトとしては強かったです。冒頭で書いた、フェスの醍醐味を味わわせてくれました。

まず一曲目。「Follow You Follow Me」という曲でした。

◆Follow You Follow Me MV

papapa palapapa」のフレーズが忘れられません。クラップあり、曲名通りフォローボタンをタップするような振りありと、コールなしでも十分に楽しめる曲でした。というより、サンダルテレフォンの曲にはあまりコールの入る余地は無いのかもしれません。そういう意味では、配信・コールなしのライブには強いグループですね。

ラストの三曲目が「Magic All Night」。聴いて曲調からぱっと浮かんだのがモーニング娘。の「泡沫サタデーナイト!」でしたが、もっと良いたとえは他にあると思います。
どことなくおしゃれさが漂います。

◆Magic All Night


二曲目に披露されたのは「SYSTEMATIC」という曲ですが、これはサブスクなどで検索しても音源が見つかりませんでした。どうやらリリースを控えた新曲のようです。
記憶を探りながらですが、クラップも楽しい一曲目とは異なり、赤の照明とよく合った、大人っぽいような曲でした。

彼女らのステージングも素晴らしく、決して激しいノれる曲があるわけではないのですが、自然とクラップしてリズムをとってしまいます。

個人的には、アイドルの対バンライブは数年ぶりで、オープニングアクトですらこのクオリティなのか、と昨今のアイドルのレベルの高さに感服するばかりでした。

帰ってから分かったことですが、「ダルフォン」のMV動画は、YouTubeで公開から1年足らずで20万回近く再生されているものもあります。
再生回数がすべてではないというのは承知していますが、この再生回数は、その後ステージに立った他アイドルのそれよりも多かったりします。
2019年デビューという「若さ」ゆえに年功序列的にオープニングアクトとなったようなもので、もうその実力は折り紙付きなのでしょう。
今後も見ていきたいなと思うグループでした。

そして本編へ。2番目に出てきたのが、東京パフォーマンスドール(TPD)でした。
MCで彼女たちも言っていましたが、客を入れてのライブは本当に「久しぶり」。
僕はいつ以来のTPDだろうと記憶を遡ったのですが、おそらく1年半ぶりくらいでした。

数曲のマッシュアップからなるSEが鳴り、まずは「SURVIVAL!!」でその幕を開けました。
前稿でも紹介しましたが、ライブではかなりの頻度で披露される、TPDを象徴する曲です。

TPDは対バンであっても基本的にノンストップライブであり、曲の1番しか歌われないのは当然のようにあるのですが、「SURVIVAL!!」はフルコーラスでした。
ライブバージョンでは打ち込みの音が激しさを増す落ちサビの部分も、この日はCD音源と同じような、静かな入りです。
声を出せない分「聴かせる」方にシフトした演出にしているのかなと個人的には思いました。

続いてインターバルなく流れた「eyes」も、足の動きが激しい「Starship Flight」も、この上なく安定して良かったのですが、3曲目に突入しても、僕はどことなくフワフワした感覚でいました。ステージ上のメンバーも「どこを観ていいのかわからなかった」と口を揃えていましたが、それは僕も同じでした。

久しぶりの生のメンバー、ということもあったのですが、会場にいるのにコールがないことの寂しさが大きく、戸惑いが隠せなかったのが大きいです。
生のライブの最大の利点は、会場の熱気を味わえることにあると思っているのですが、コールもないともの寂しさが残ります。ソーシャルディスタンスのため、席もまばらということも、熱気を生み出すには不十分です。

感覚としては、オンラインライブの収録を観に来たような感じでした。
僕の席がはじっこで、あまり没入しにくかったというのもあるのかもしれません。

いずれにせよ、本当の楽しみは、12月に行われる周年ライブまでとっておきたいと思います。

最後に出てきたのはアップアップガールズ(仮)。アプガです。
僕は地下アイドルにハマっていた2014~2015年にかけて、アプガのライブにもよく行っていました。
あまりファンの人とつるま(つるめ)ない僕も、アプガに関しては少しばかりツイッターでファンの人と交流や、ライブ前に会って話をするなどしていました。
メンバーがハロプロの研修生出身であり、グループとしてもハロプロも所属するアップフロントに籍をおいていたことなどから、ハロプロファンから流れてくる方も多かったです。僕も、経路は違えどその一人です。

しかし次第に、他のアイドルに傾倒するようになったことや、大学での勉強などを理由に、2015年の後半くらいからライブに行かなくなりました。それから今まで、まず7人いたメンバーから2人が居なくなり、5人体制となりました。そして、2020年末のライブをもって、4人が卒業することが発表されました。

その情報だけは知っていたので、出番が始まる前から感傷的になってしまいました。
現体制でのラストライブは年末ですが、僕がこの5人でのアプガを観るのもこれが最後です。

僕が抱くアプガへのイメージは、とにかくアグレッシブな、観客を巻き込むダンスパフォーマンスでした。セットリストもとにかく攻撃的という印象があります。他アイドルと違い、アプガのライブに行くときは、アイドルのライブというよりはスポーツをしに行くような感覚でした。

知らない曲ばかりだった、というのもあるのでしょうがこの回のアプガは、「おとなしめ」な印象を受けました。
メンバーの森ティこと森咲樹さんもツイートしていましたが、セットリストに「夕立ち!スルー・ザ・レインボー」という曲が入っていました。
この曲は初期にリリースされた曲で、薄暮の屋外にピッタリな、良い曲です。改めて聴きなおしましたが、間違いありません。
ですが、激しい曲では決してなく、僕が持っていたアプガのイメージとはやや趣を異にします。

先述したようなアプガの「激しさ」は、ワンマンライブのみならずフェスや対バンライブでも発揮されていました。そのイメージを持ち続けていただけに、今回のライブはやや面食らいました。もちろん、コール禁止であったためにファンのコールが聴こえず、物足りなさを感じたのかもしれませんが。

その中でも個人的に印象深かったのは「アッパーカット」。
いわゆるアプガの攻め曲で、ライブでも何度となく聴いた曲です。
以前の投稿で書いた「手続き記憶」はここでも生きていました。

ボクシングの試合前の様な、腕を伸ばしたりする振り付けに始まり、パンチやガードの振りが特徴的です。「こんな振りだったっけ?」と思い出す前に、身体がなんとなくではありますが覚えていました。

以上が、雑感のような、今回のライブレポになります。

本当は、転校少女*やAppare!のことにも触れたいのですが、これ以上書くと収集がつかなくなりそうなので止めました。

ーーー

今回の出演者、アプガやTPD、転校少女*はグループの歴史も古いです。僕が地下アイドルをに興味を持ち出した頃から、その名前は見かけていました。
あれから6年近くたちましたが、その間は順調ではなくいろいろあったかと推察します。
オリジナルメンバーも誰かしらは欠けているし、不遇の時代もあったかと思います。
けれども、どのグループも解散することなく走り続けています。
そんな姿を今回のライブで目にし、そういった背景に思いを馳せるとぐっと来るものがあります。

様々なアイドルが出来てはなくなり、というのを繰り返しているこのアイドル界において、少なくなってしまった残党として彼女らの姿をまだまだ見ていたい。もはやこのコメントは誰目線なのかは分かりませんが、そんな思いがより強くなったライブでした。

見出し画像出典:@ JAN公式ツイッターより


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