私の中の西洋コンプレックスー2009年4月ヨーロッパひとり旅 no12 ジュネーブ編「気がすんだ?」
*この記録は、2009年4月から1か月弱のヨーロッパ1人旅から帰った後、作成した小冊誌の内容を、旧ブログで公開し、その記事を再構成してnoteに移動したものである。
当然ながら現在とは、ユーロ円の相場も、物価もかなり違う。日本でのアイフォン発売が、2008年にはじまったばかりで、スマホもなかった。ガラケーも電源を切ったまま旅行中は使わなかった。現在の海外旅行事情とは、状況が異なることを、お知らせしておきたい。
右手にスイスとフランスの国境にまたがるスイス最大の湖、レマン湖を見ながら国連ヨーロッパ本部を目指して、ひたすら歩く。
彼方にはモンブランをはじめとするアルプスの山々が見えるらしい。
わたしはそれどころではなかった。日が落ちかけている。
前日、レマン湖畔の町ニヨンにいたわたしは、列車に15分ほど乗って、
朝9時にジュネーブに到着していた。
その足で、ジュネーブ中央駅発 パリ行TGV6588、当日の20時17分を窓口で予約したので10時間余りしか時間がなかった。
*ジュネーブ中央駅20:17発→パリ・リヨン駅23:59着
ヨーロッパに着いて2週間ほどたっていて、パリから東京に帰る日まで、1週間ほど残っていた。でも、1人旅の女を見る好奇の視線や、反対に観光客慣れした無関心さに、そろそろうんざりしていた。
だから、少しでもここは知っていると言える場所で のんびりしたかった。
そうするためには、最終地点に決めたジュネーブ国連本部の前で写真を撮りたかった。
すでに宗教改革の中心人物の一人カルヴァンが16世紀に説教を行った サン・ピエール大聖堂、
市庁舎などを見た後だった。
頭も、もうろう としていたし、市電の路線を探す気力がなかった。だから、地図を片手にレマン湖沿いに歩いた。
2キロほど歩くと国連ヨーロッパ本部にたどり着くのはわかっていた。結果的には1時間以上さまよい歩いていたような気がする。
各国の国旗が見えてきたときは、ほっとした。足が折れた巨大な椅子の彫刻が、正門前にあった。
スイス人芸術家、ダニエル・ベルセ作の「Broken Chair(壊れた椅子)」 と
説明書きのプレートもある。 カメラで撮影していると、つられるように、他の観光客も写真を撮っている。
「気がすんだ?」と自問自答した。
「たぶん」もう一人の自分が答えた。
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