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2013年12月10日記/フランス人のおうちコーヒー アラン・ドロンの映画を見て思ったこと


イラスト・まやぎはとこ

*旧ブログexciteblog 「M's」2013年12月10日付、より移動。

調子にのってイラストまで描いた。朝食シーン、窓際で新聞を広げているミッシェル・オークレール。

アラン・ドロンの映画「危険なささやき1981年仏」を見てすごく嬉しかったことがある。どういうことかと言うと、長年フランス人のコーヒーの入れ方が気になって仕方なかった。

フランスでコーヒーを頼むと、エスプレッソが出てくる。食後のカフェもエスプレッソだ。イタリアで飲むエスプレッソとフランスのエスプレッソが同じかどうかは知らない。でもどちらもエスプレッソマシンで抽出し、デミタスカップで供される点は一緒だ。

ミラノで飲んだエスプレッソは、パリで飲んだエスプレッソに比べて量がすくなかった。大体、フランスのカフェをエスプレッソと呼んでよいのかどうかもわからない。

パリのカフェでカフェオレを頼むと、カプチーノやカフェラテが出てくる店が多くなったけど、昔は、朝食時は、ミルクポットとコーヒーポットが別々に出てきて自分で混ぜて飲む形式だった。

「カフェアロンジェ」または「カフェアメリカーノ」と呼ばれるエスプレッソをお湯で薄めたものもある。外国人がよく頼んでいる。ここまではカフェの話。

では、フランス人は家でどうやってコーヒーを飲むのか。ネットでテキストチャットをした何人かのフランス人に聞いてみたことがある。

元教師の60代のフランス人男性は、家にエスプレッソマシンを持っていてそれでカフェを作ると答えた。ある女の子は、手動のエスプレッソマシンで作ると答え、インスタントのコーヒーを飲む人も大勢いるよ、とのこと。

う〜ん、そりゃあ日本人だって、インスタントやドリップバッグコーヒーで済ます人、マシンを持っている人、レギュラーコーヒーをフィルターで淹れる人など、様々なんだから、フランスだって、色々な人がいるのだろう。

第一コーヒーを飲まない人が、フランスでも日本でも増えているような気がする。だけど知りたいのは、昔気質のフランス人は、家ではどうやってコーヒーを入れるの?ということ。

前にフランス映画で、手動のエスプレッソマシンで入れるシーンは見た事がある。だけど、コーヒーをペーパードリップで入れるシーンは見たことがなかった。大した本数の映画は見ていないのでこれも何とも言えない。

たぶん、エスプレッソが普通のコーヒーの国なんだから、常に濃いエスプレッソを飲むんだろう、とか、そういうことにしておこうか、と半分あきらめかけていた。

ところが、「危険なささやき」では、アラン・ドロンがペーパードリップのコーヒーを飲むシーンが出てきた。朝、カフェオレボールにブラックコーヒーを注いでもらって飲むシーンも確認できた。

多いに安心した。結局わたしは、フランス人もペーパードリップのコーヒーを飲むことを確認したかっただけなんだ、ってことに気がついた。それも、大好きなアラン・ドロンが製作、監督した映画のシーンですもの、これはまちがいない、すごく嬉しい。


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