「よそいきの普段着」とはなんだ?
ず―っと部屋着は、そこらにある適当なものを着てきたが、最近になって「よそいき」を、家の中でひょいひょい着るようになった。
ひょいひょい着るというのは、カッコつけた言い方だ。
実際は、「よそいき」にカテゴライズされた、例えば、ユニクロのメリノウールセーターに、いざ袖を通したとたん、
毛玉だらけになったら外には着ていけない、
同じものは3枚あるから大丈夫、と思ってたけれど、レディースXLサイズ、メンズMサイズ、と、シルエットも着心地も違う、ストックしておくべきなんじゃ?
とか、グルグル考えはじめたら、止まらないのだ。
ココで言う「よそいき」とは、結婚式や普段着じゃまずい場、に着ていけるほどの「よそいき」ではなく、外へ出て歩くための服のことだ。
考えてみると、ワタシの外出着は一年中、ジーンズ、セーター、シャツ、Tシャツで構成されて、そもそも、ただの日常着だったことに、今頃、気がついた。
では、家の中で、以前は、どんな格好をしてたかというと、スエットパンツと、外では着られないボロボロのTシャツとか、そんな感じである。しかしそんな自分の格好が粗大ごみに思えてきたので、
「よそいき」のなかでも、着古したり、デザインやカラーが気に食わなかった、ジーンズ、シャツ、セーターを着るようになったのが、数年前のことである。
しかし、クローゼットにギッシリの「よそいき」のシャツ、Tシャツ、セーター、ジーンズ、パンツ、を、いつどこで着るのだ?
気がつくのは簡単だが、それじゃぁ、今日から、ずーっと「よそいき」と明確に分けていたシャツやジーンズを、家の中で軽やかに「ひょいと着る」のはものすごーく辛い。
超えなければならないハードルがいくつもあった。
冒頭で述べたように、このシャツとジーンズ着古してしまったら、外で着るものなくなる~~~~~!という、とらえどころのない恐怖である。
例えば、ホワイトとブルーのシャツは、たぶん、それぞれ20枚はあるし、ジーンズは、フレア、ストレート、スキニー、スリムテーパードなど、数十枚持っている。
絶対に、着古して着るものがない事態には、陥らないほどの数量を、所持している。長い間かけて集めた、シャツ、セーター、ジーンズを、「よそいき」にしてどうする!
と自分で自分にカツを入れてようやく、家と外区別なく「よそいき」のシャツ、ジーンズ、セーターを着られるようになったのだ。