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【Kis-My-Ft2と対立】「Luv Sick」MVから考える。

Kis-My-Ft2「Luv Sick」分析

今回はKis-My-Ft2の9枚目シングルである「Luv Sick」MVを分析対象とする。

「SNOW DOMEの約束」と両A面シングルとして発売された「Luv Sick」はメンバー・藤ヶ谷太輔が主演を務めたドラマ『仮面ティーチャー』の主題歌となっている。

メンバー/敵的存在

前回「SHE!HER!HER!」MVでは剛健な男性とメンバーという対立構造、敵対関係が見出せた。今回対象とする「Luv Sick」においても敵的存在が登場する。

MV概要

MV自体は歌唱(リップ)シーンと演技シーンの2つに分割できる。今回はこの演技シーンに注目する。

全体的に暗く、所々火が上がっているなど、荒廃した世界観でMVは進んでいく。Youtubeに投稿されているMVでは若干の省略が成されているため、補いながら見ていこう。

MV冒頭、メンバーである宮田俊哉が何かから逃げ、藤ヶ谷の方に走り泣きつく。そこには他のメンバーもおり、何があったのか視聴者に対しても疑問視される。その後宮田が逃げてきた何か、つまり敵的存在が現れる(Youtube版では0:18で登場する)。赤い目、顔はなく人間かどうかも不明である。サムネイルの中心部、メンバーの視線の先にいるロボットのような、機械のような敵的存在(顔つきとしてはサマーウォーズのラスボスに近い印象を受けた)。
その後敵的存在の手元の映像が流れる。敵はローラースケートを持っている。これを見たメンバーが敵より先に攻撃しようと走り寄る。

ここまでがMV冒頭~サビまでのシーンである。敵的存在の登場はかなり早く、楽曲前半となっている。前回の「SHE!HER!HER!」はエフェクトによる対立・攻撃が行われ、メンバー自身がダメージを受ける、ということは無かった。
しかし、「Luv Sick」でメンバーは直接ダメージを受ける側に回るのである。サビが始まり0:50のシーン、メンバー4人・千賀健永、横尾渉、二階堂高嗣、宮田が敵の攻撃によって吹き飛ばされる。その後0:57で北山宏光、玉森裕太が立ち向かうもはね返され、0:58で藤ヶ谷が蹴りを入れる。8秒間で6人のメンバーが倒される。前回とは異なる身体への直接攻撃。

その後2番以降も戦闘シーンが中心となる。メンバー/敵的存在の構図。

敗北の演出

2番の戦闘シーンでは主に北山、藤ヶ谷、玉森が攻撃するも歯が立たないといった演出がされる。1:30で敵の攻撃により3人もろとも倒れる。最終的には立ち上がり7人で協力して敵を倒すことにはなるのだが、一貫して敗北・挫折、これらに近い状況がつくられている。
また、敗北と同時にメンバー7人もそれなりに同質的な存在として扱われている。タイミングに違いはあれど、全員が敵からの攻撃を受け、倒れる。突出して強いメンバーがいない、同質的な扱い。
しかし結末から考えれば、このシーン自体はそれほど疑問とはならない。差異の無いメンバー7人が集まることによって明確な対立構造を持つ敵を倒す。敗北によって敵の圧倒的強さ、敵が持つ”すごさ”を楽曲終盤まで高めている。それがラストシーンの強調となるのだろう。

対立関係の意図

「SHE!HER!HER!」「Luv Sick」共通する対立

演出は異なるものの、MV中に敵的存在が現れメンバーと対立する。この点で「SHE!HER!HER!」と「Luv Sick」は共通する。
「SHE!HER!HER!」では良い香りを持つメンバー/悪臭を放つ敵的存在の対立があった。おそらく「Luv Sick」ではローラースケートを持つメンバー/持たない(だから奪う)敵の対立があったのではないか。
「Luv Sick」MV中でメンバーが敵に攻撃する直前に映されたローラースケート、このワンシーンによって前述の設定が導き出せると考える。

この2つの対立はどちらも、持っている/持っていないの関係で構成されているのではないか。「SHE!HER!HER!」では良い香り(具体的に言うならば「SHE!HER!HER!」がCMソングを務めた際に扱ったウォータリングキスミント(ガム商品))の有無、「Luv Sick」ではローラースケートの有無のように持っているか、いないかの関係があり、Kis-My-Ft2はどちらのMVでも有る側、持っている側に置かれる。

仮説

何故こうした敵的存在が要請され、メンバーと対立する構図が作られたのか、について前述した「SHE!HER!HER!」「Luv Sick」の共通点から仮説を立てることができる。

共通点として挙げられた持っている/持っていないの構造から、敵の要請はメンバーの”持っている”を強調するためになされるのではないだろうか。彼らが持っているものを特有のものとして強調する。敵的存在がそれに対抗したり、奪ったりする。つまり持っていない存在による印象付けが行われているのではないだろうか。

この仮説について、次回これまで見られたような戦闘的な(直接的な)対立ではないが、第三者が登場するMVを分析し検討を行う。

「Luv Sick」MV メモ

反省

遅れ。投稿できなかった日の分は溜めて放出する所存。
少し焦りの中で書いている節もある。あとは何が個人的な、主観による解釈で何がそうでないのか、どこまで分かるように書けているかに不安が残る。
忌憚ない意見を頂戴したい。
よろしくお願いします。


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