エル・ディアブロ

エル・ディアブロ
今日は、10月31日のハロウィンの日。
ここ、場末のBAR M&Nでは…オバケカボチャのランタンでライトアップされ、みつは魔女の帽子をかぶり、ねねは背中に蝙蝠の羽根をつけて、音ちゃんは頭にツノと口元にキバを付け、三人で楽しく「おばけなんてないさ」を歌っていた。すると急に
チリンチリン♪
バーン!!トリックorトリート!!おやつをくれないとイタズラするよ!!
勢いよく扉が開いたと思ったら、本物に見間違えそうな程のダイナマイトバディーのミイラ女と、長身のヴァンパイヤが入ってきた!!
みつは驚いて思わず
「い゛やぁ~!!みつパ~ンチ!!みつキック!!」と、どこで覚えたのか、キレのいい技を繰り出したが、それはことごとくミイラ女とヴァンパイヤに阻止された。
「いやぁ~、驚かせてすまんね、姉ちゃん。」とミイラ女
「でも、スジは良いですぜ姉さん。」とヴァンパイヤ。それを見た音ちゃんが、
「おい、お前らどこのモンだ?うちの可愛いマスターを脅かすなんざ!!」と凄んでみせると
「あっ!!すみません!!アタイはハマリリスのユカってもんで、こっちはミキってもんです~!!いやぁ~伝説の先輩にやっと会えて光栄です!!」
「はぁ~!?ハマリリス!?オメ~らどっからここの情報聞いた!?みつの情報はともかく、アタイの情報、どっから漏れた!?」焦る音ちゃん。
「いやですね~、アタイらの妹分の元彼が、ここに来たバーダーズの鶏と卵だったんですよ。で、自慢げにハマリリスのスケ番の元総長に会ってきたって言ってて、問い詰めたらここだって聞いて、一目お会いしたかったですよ~先輩!!」とヴァンパイヤのミキが誇らしげに言った。
「冗談じゃねぇよ!!ソイツらもオメ~らも勘弁してくれよ全く!!アタイはここで静かに楽しくピアノが弾きたいんだよ!!」とピシッと怒鳴る音ちゃん。
「姉さんの居ねぇハマリリスなんざ、つまんねぇですよ。」と寂しそうにユカ。
「そーそー、みーんなバーダーズの男らに骨抜きになって…。」と呆れ顔のミキ。
「は!?男に骨抜き!?何だって??」驚く音ちゃんに、
「いやですね、鶏と卵が伝説の先輩と分かち合ったって自慢して言ってて…。」とユカ。
「そんな奴らとお知り合いになりたいと申す女子たちでいっぱいで…。」とミキ。
「何の間違いだ!?奴らはこの店を襲ってアタイが奴らをブッ飛ばしたんだよ!!」まなこをギロッとして怒った音ちゃんに、
「やっぱり、なんかおかしいと思ったんだよな…。弱小族のバーダーズなんか伝説の先輩と分かち合えるなんて…。」はぁっとため息を漏らすミキ。
「とりあえずバーダーズのヤツらには、キツいオシオキが必要だな…。」
と頭に怒りマークを付ける音ちゃんだった…。
後日、ハマリリスのメンバーがバーダーズをお礼参りだと言わんばかりにやっつけたのは言うまでもない…。
「それでは、気を付けてというカクテル言葉で、『悪魔』という名のカクテル、エル・ディアブロをお作りしますね。」と気を取り戻したみつ。
材料…テキーラ…30㎖
カシスリキュール…15㎖
ジンジャーエール…適量
生ライム…1/2個
作り方…氷を入れたグラスにテキーラとカシスリキュールを注ぎ、ライムを絞ってそのまま落とし、冷えたジンジャーエールで満たして軽くステアする。
エル・ディアブロ11度中口の出来上がり。
カシスリキュールの甘味に、ライムジュースとジンジャーエールの爽快感が加わったカクテル。
間違った情報には気を付けましょう。
チリンチリン♪

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