ゴッドマザー

ゴッドマザー

少し動いただけで汗ばむ初夏、ここは陽だまり商店街。そこの実家のラーメン屋猫猫軒を手伝うキリエは、愛犬のトイプードル、サニーを散歩させていた。
太陽がサンサンと照り付け、早めに帰ろうかといつもと違う大通りに面した道路をキリエとサニーは通ると、車の多さにビックリしたサニーは、キリエの持っていたリードを外してしまい、走って歩道を逃げて行った!!

「あっ!!サニー!!どこに行くの!?誰か助けてください!!」

キリエがそう叫んでいると、丁度正面から歩いて来た男が、
ピュー(口笛)「可愛いワンちゃん、こっちにおいで~」
と、いとも簡単にサニーを抱っこしてくれた。
それに気づいたキリエは、男のそばに駆け寄り、

「有難うございます!!助かりました!!」

とお礼を言って、サニーを受け取り足早に帰路に就いた。

後日、ペットサロン、Friendsでサニーのサマーカットを予約したキリエを担当したのはなんと、あの日サニーを捕まえてくれた男だった。

「あっ…あなたはあの時の…。」驚いたキリエが言うと、

「はい、先日お会いしましたね、その後は大丈夫でしたか?僕は、タカユキと申します。サニーちゃん、今日は、サマーカットですね、さっぱりして、もっと可愛くなりましょうね、今後ともどうぞごひいきに。」とにっこり微笑むタカユキだった。

運命の出会いを感じたキリエは、ときめきを隠せずに、BAR M&Nに足を運び、事の成り行きをみつとねねに話した。

すると…。

「あにゃっ!?タカユキにゃんのことにゃんか?アタシのトリミング担当の人にゃんよ。アタシも、月に一度くらいは爪切りや、抜け毛の季節には、ブラッシングしてもらうにゃんよ。タカユキにゃんは、優しくて面倒見がいいにゃんよ。年もキリエにゃんと二つ上だし、お似合いかもにゃんよ?」

「本当ですか?有難うございます!!」

後日、キリエとタカユキは、みつとねねと一緒にファミレスビッグニャンコでお食事会をし、キリエとタカユキは、お互い意気投合し、キリエはタカユキに勇気を出して自分の連絡先を渡して、仲良くしてくださいと言うと、タカユキはまたにっこり微笑んでキリエの連絡先を受け取りました。

そして…。キリエとタカユキは、お互いのSNSの投稿などを介して仲良くなり、お互いに惹かれ合い、お互いに好きですと伝え合ったのであった。

その日の帰り道、サニーを連れたキリエとタカユキが手をつないでBAR M&Nに寄ってみた。すると…。

「お~っ!?キリエちゃん、サニーちゃん、タカユキ君、コングラチュレイショ~ン!!」

タンバリンを持ったテンマが意気揚々と二人を出迎えた。

音ちゃんも、G線上のアリアを弾いて二人を歓迎した。

ねねは、「やっぱりアタシの見立て通りこのカップルは成立すると思ったにゃん!!」とフンスと鼻息を一つついて満足げに言い、

キリエも、「ありがとう皆さん!!タカユキさんは、私が思った以上に優しくて紳士的な方です!!」と満面の笑みで言った。

タカユキも、「こんなに可愛い人とワンちゃんに出会えてよかったです!!」とにっこり微笑みながら言った。

みつは、「それでは、二人の為に『無償の愛』と意味のあるゴッドマザーを作りましょうね。」と言い、カクテルを作る準備をした。

材料…ウオッカ…45㎖
   アマレット…15㎖

作り方…氷を入れたグラスに材料を入れて軽くステアする。

ゴッドマザー40度甘口の出来上がり。

アンズのすっぱさが口いっぱいに広がる。

見返りを求めない大きな愛、見習いたいですね。

チリンチリン♪

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