心気症をやめる覚悟を『心気症との向き合い方』メモ
病気かもしれないという不安
私は何にでも対してネガティブ、不安を感じる性格だ。
特にそれが顕著に表れるのが体の不調や病気に対して。
些細な症状で最悪のケースを考える、毎年の定期健診で悪い結果だったらどうしようと結果が戻ってくる1か月はもう気が気ではない。
少しの不調で怯え、検診も毎年あるものなので年の半分ぐらいは病気に怯えてるのではなかろうか。
不安の原因
こうなった原因は自分の中では割とはっきりしている。
元々はかなり大雑把で無頓着、症状もよっぽど悪くなければ大丈夫だと思える性格だったと思う。
大きな転機は30歳の頃に手術が必要な病気になった事。幸い良性のもので心配ないものだったが、全く予想していなかったタイミングの告知、検査、初めての入院、全身麻酔などなど、入院当時は傷の痛みもあったが気持ち的にもダメージがあったのか胃の痛みの方が辛かった気がする。(術後逆流性食道炎にもなった)当時仕事を辞めて求職のタイミングだったというのも大きい。
また同時期に近しい人が大きな病気にかかったり、親がもともと心配性なのか○○かもしれない…という事をよく言う人というのも影響があったと思う。
よく考えてみると入院時の辛さより、告知された時の衝撃の辛さの方が自分にとってはダメージが大きかった気がする。
医者から「あなたは○○ですよ」「すぐ手術が必要ですよ」ともう二度と言われたくない、という思いから今の自分の性格が形成されたように感じる。
心気症かも?
色々と自分の性格や状態について調べると心気症というものがある事を知った。
それから辛くなるとYouTubeや書店等でそれ関連のものを見るようになったがイマイチ腑に落ちるものに出会えなかった。
原理は何となくわかったけどじゃあこの辛さはどうすれば無くなるのか、という事が自分にマッチするものには無かった。そもそも心気症を専門に扱った書籍というのは殆どなかった。(トラウマやパニック障害、不安症関連に内包されている感じ)
ある日また不安に襲われている時、アマゾンで検索して出会ったのが日野みきさん著『心気症との向き合い方: もしかして重い病気かも?と常に不安が消えないあなたに』だった。
やめる覚悟を持つ
こちらは恐らくkindleのみの販売形態なので自費出版なのかな、と思われる。日野さんも医師というわけではなく、心気症の方がどういう付き合い方をしてきたのか、という当人目線での珍しい本だと思う。
まず冒頭から打ちのめされたのが「やめたい」ではなく「やめる覚悟を持って」というものだった。
何となくこれがずっと続くのは嫌だな、誰か魔法みたいに消してくれたらいいのに、とどこか他人事のようだった気がする。そこに覚悟を持とう、心気症をやめる!と決めようという言葉にこれは自分の事なんだと今更ながら気が付かされた。
この覚悟をすることで「やめるルート」に入るという考え方も興味深かった。不安になった時は「いや、やめるルートに入ってるから」と言い聞かせるというもの。ゲームをする方ならピンとくる表現でわかりやすかったし実践しやすいと感じた。
自分を大事にできているか
また自分を最大限にかまっている瞬間が病気の心配をしている時、という言葉にもはっとさせられた。
私は仕事が生活の大部分を占めており、それ以外の時間も何となく仕事の事を考えたりで心が休まったり、自分をねぎらう事が疎かになっていると思う。いわゆる休み方が下手な部類。
となると内なる自分が不安にさせる事で顧みてくれと伝えているというのも納得ができるなと思った。(暇になると不安が出てくるので仕事で忙しくするという面もあるかもしれない)
仕事を少しセーブして、リフレッシュできる事で忙しくするという事も取り入れていきたいと思う。
徹底的に不安を感じる
実践の仕方で紹介されているのが徹底的に不安を感じるというもの。
え、余計悪化しない?と思ったがやってみると驚くほど効果があった。
ポイントは「不安を感じている」という部分のみにフォーカスし、具体的な症状や病名については考えないという点。
「あ~今私って不安なんだな」と客観的に把握することで不思議と気持ちが楽になった。色々な書籍で不安に対する方法を見てきたがこれが自分にとっては一番効果があった。
人生をコントロールしたい
本書での気づきは沢山あるのだが大きな気づきとしては「自分に起きることはコントロールしたいという気持ちが心気症の根本」という点。
これはとても自分にあてはまる。仕事でも生活でも予防線を張り、先回りし、起こる事を予想して少しでもイレギュラーが起こらないようにする。仕事では評価される事が多いが、生きにくい性格だと思う。
原因として「自分の人生をコントロールして自分の人生を愛そうとしている」を挙げられていた。不幸な人生は愛せないという条件付きの愛を自分に向けているのだと書かれておりちょっと愕然とした。
どんな人生でもまるっと愛せる覚悟があれば心気症は自然と出なくなるのでは、自分に対して無条件の愛を持とうと締めくくられている。
正直無条件の愛を自分にそそぐ具体的なやり方はまだわからない。
私は他者にも自分にも批判的、厳しいという自覚や○○でなければいけないという気持ちが強いかもしれない。
「べき」思考を少し緩める事でも少しづつ自分を許せる方向に進めるのかなと思う。
一度病気で立ち止まった事で、自分に優しくするのではなく自分に厳しくなっていた。
まずはそこに気づかせてくれたこの本との出会いに感謝したい。