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買い替えラッシュ!

今のマンションに引っ越して来てから15年以上が経ち、現在我が家は家電を中心とした怒涛の買い替えラッシュに直面している。

まあ、どれもこれも10年選手以上の代物なのでしょうがないっちゃあ、しょうがないんだけれど、それにしてもこんなに一気に来るのか⁈とビックリを通り越して唖然としてしまっている。

まず最初は、給湯器だった。

去年の初めにお風呂の追い焚き機能が使えなくなり、まだ寒い時期だったからこれでは困るし、万が一お湯が出なくなってしまったらヤバいと新年早々交換を余儀なくされた。

次に故障したのは洗濯機。脱水の際に、ひょっとしてこのままバラバラになってしまうのではないかと思うほど、けたたましい音がするようになってしまった。いつ下の階から苦情が来てもおかしくないレベルだったので、速攻で買い替えとなった。

そのあと寿命を迎えたのは食洗機だった。たまたま私が目の前にいる時だったから良かったのだが、水道の蛇口の分岐部からみるみる水が溢れてきたのである。慌てて水栓を閉めたので大事には至らなかったが、これまた危うく下の階の方にご迷惑をかけてしまうところだった。冷や汗ものである。

で、この食洗機の買い替えに関しては夫婦の間でちょっとした攻防があった。

それは食洗機は絶対に必要と考えている夫に対して、妻の私は食洗機の便利さは十分に享受しているけれど、今のが壊れたら買い替えなくてもいいんじゃないかと思っていたからである。

なぜかというと我が家はビルトインタイプではないので、食洗機はキッチンの作業スペースに置くしかない。そうするとスペースの2/3が占領されてしまうのだ。そんな狭い場所で調理をする場合、邪魔になってしまうお皿や調理器具をあっちへどかし、またこっちへ戻しと面倒くさいのである。

だからまあ、ウチはそこまで洗い物の量が多いわけじゃないから手洗いでいいんじゃない?と言う私に、我が家は夫婦で完全に食事のタイミングが違うので(仕事の都合で)、自分で自分の使った食器を片付ける夫は、もう食洗機無しの生活は考えられない様子。けれど、基本的に調理を担当している妻の意向も無視出来ない。

「じゃあさ、買う買わないはひとまず置いといて、しばらく手洗いでやってみようよ。どうしても面倒だったら、私が洗うから食器はそのまま置いといていいよ」

という私の(あわよくばこのまま買わない方向に持っていこうという魂胆の見え見えな)意見により、食洗機購入は一旦保留となった。

そしてその後、夫婦の攻防が幕を開けるのである。

深夜、夜勤の仕事を終え帰宅した私がキッチンへ行くと、果たして夫が夕食を食べたあとの食器がシンクの中に置いてあった。

でもどうやら夫はそのままにするかどうか、ちょっぴり迷ったらしい。なぜなら、その食器がちゃんと水で下洗いまではしてあったから。

おそらく汚れたままの食器を置いておくのは気が引ける、けれど洗わずに放置して妻に「あ〜、やっぱり食洗機あるほうが便利だよね♪」と思わせたい。そこで、彼の中で下洗いだけ済ませておくという結論に達したのだと思う。

けれど夫よ、ここまでしてくれたら洗うのめっちゃ楽なんだけど。

その後も、夫の律儀さのおかげで私は鼻歌まじりで楽々食器洗いを済ませる事が出来ていた。そして、「しめしめ、これで食洗機無し生活を定着させられるゾ」と思っていた。

が、しかし夫はまだ食洗機を諦めたわけではなかったのである。

ある朝、目が覚めてキッチンに行くと一本のブランデーが置いてあった。

その日は休みで家に居た夫に「これ、どーしたの?」と聞くと、「あー、この前ブランデーで梅酒漬けてみたいって言ってただろ?」と。

確かに梅酒用に処理をしてある梅の実が冷凍庫にある。そして今度はブランデーで漬けてみたいと何気なく言った記憶はある。それを覚えていて購入してくれた、という事らしい。でも、ここ数年こんな気遣いあったか?

そこで私はピーンと来た。長らく夫婦をやっていると分かってしまうのである。

「食器そのまま放置作戦」が効果無しとみた敵は、今度は「妻のご機嫌とり作戦」に作戦変更したのだ。

そこまでして食洗機が欲しいのかと思うと、少しいじらしくなってしまった。いやいや、情に流されてはいかん。私は断固として作業スペースを確保するのだ。

そして食洗機をめぐる攻防が、こう着状態のまま何日か過ぎたある日、夫がおずおずと私に話しかけて来た。

「あのさ、壊れた食洗機一旦退かそうか?そうすれば広く使えるだろ?」

確かに食洗機はまだそのまま置いてあって、私はあいかわらず狭いスペースで調理をしていた。

だけどそんな事したら、確実に私は「あ〜広いのってサイコー♪やっぱり食洗機いらないね!」ってなるよ?そこんとこ分かってるんかい、夫。いや彼は食洗機のために妻のご機嫌をとろうと必死すぎて、全く気付いていないと思われる。

ああもう、欲しいものを買ってもらうために一生懸命お手伝いする小学5年生か!と50のオッサンにツッコミたくなってしまった。

しかも欲しいのは家電である。

分かった。分かったよ。そんなに欲しいなら買おう、食洗機。

もしも私が絶対に要らないものだったら、もう少し話し合う必要があったと思うけど、あれば便利だって事は十分に実感してるから。

「今度一緒に家電量販店に行こう」と告げた後、夫はめちゃくちゃ嬉しそうにネットで食洗機を検索していた。そんな彼を見て、まあこれでよかったのかなと思った。


その後も我が家の家電の故障は止まる事を知らず、今度はトースターが壊れて買い替えをした。

次は、フィルターの自動お掃除機能があったはずなのに、いつの間にか「えっ?そんな機能最初からなかったっすよ」と言わんばかりにサボられてしまっているエアコンが怪しい。

形あるものは、いつか壊れる。それは分かっている。

分かってはいるけど、どうかもう少し頑張ってください。

お願い。

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