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タオルの買い替え時。
自宅で使うタオルは、買い替え時の見極めが難しい。
普通に考えれば、色がくすんできたらとか肌触りが悪くなってきたら、などがタイミングなのかなとは思うが、まあ自分で使うだけだし、来客もないので人に見られる事もないし……なんて考えるとズルズル使い続けてしまう。
以前職場で何人かの同僚と(なぜそんな話題になったのか覚えていないが)、自宅のタオル事情についての話で結構盛り上がった。その時、我が家と同じ夫婦二人暮らしの男性が「ウチなんか、相当ガビガビになって煮しめたような色になったタオルも使ってますよ〜(笑)」と言っていて、(ああ、他のご家庭も同じなんだなぁ)と思った。
我が家は、キッチンと洗面所で手拭きとして使うタオルは共用で、フェイスタオルだけはそれぞれ自分専用のものを使用している。共用タオルは粗品や引き出物などで頂いたものがほとんどだが、専用タオルは私も夫も自分で選んで購入している。
で、ずいぶん前から夫の専用タオルがくたびれてきたな、とは感じていた(まとめて買ったので数枚分すべて一様に)。まあでも前述した同僚の話もあるし、もちろん私自身もタオルは限界ギリギリまで派なので、しばらくそのまま放っておいた。が、しかし近頃は、さすがにこれはもうアウトでは?と思うくらいの代物になってきた。(夫のタオルは地が白なので、くすみがとても目立つのだ)
試しに夫に「タオル、そろそろ買い替え時じゃない?」と言ってみたが「まあな〜」と気のない返事。
こやつ……まだこのまま行くつもりだな。
まあ、いい。夫が自分で使うタオルだ。好きなだけ使い倒せばよい。
そう思って、そこからまた少し放置していたのだが、どうやら徐々に夫もタオルの限界を意識し始めたらしい。ある日、タオルを手に私の居るリビングにひょこっと顔を出し、
「あのさ〜、これ、そろそろ買い替えた方がいいかなぁ」と言うので、
「そうだよ。タオルが言ってるよ『夫さん、僕らもう十分働いてきたから、そろそろ休ませてください』って」
と、私はタオルの声色で(いや、もちろんタオルは喋らないけれど雰囲気で)、夫のタオルに成り代わって答えた。がしかし夫は「んなわけねーだろ」と鼻で笑いながら、ふいっと部屋を出て行ってしまった。
うぬぬ、失敗したか……そう思ったが、その数日後、洗面所のリネン庫の扉を開けると、新しいタオルが数枚、キチンとたたまれて入っていた。どうやら私の名(迷?)演技が効いたらしい。
当然ながら、新しいタオルはフカフカだ。一枚で、隣りに収納されている私のフェイスタオル1.5枚分くらいのボリュームがある。
それを見て思った。
うーむ、そろそろ私のタオルも買い替え時、かな?