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Amazon出品者必見!SP広告の体系とターゲティング戦略

Amazonのスポンサープロダクト広告(SP広告)は、Amazon内で最も多く利用される広告形式ですが、「ターゲティングの種類が多すぎて分かりにくい…」と感じたことはありませんか?

特に、マニュアルターゲティングとオートターゲティングの違いや、それぞれの効果的な使い方を理解していないと、無駄な広告費がかかってしまい、期待した成果が得られないことも。

本記事では、SP広告の体系を整理し、効果的なターゲティング戦略について詳しく解説します。

広告運用の精度を向上させ、売上を最大化するためのポイントを押さえましょう!

Amazon SP広告の体系を理解する

Amazonのスポンサープロダクト広告(SP広告)は、売上を伸ばすために最も重要な広告の一つですが、そのターゲティングの種類を理解し、適切に設定しなければ、広告費の無駄遣いにつながってしまいます。

SP広告の2つのターゲティング方法

SP広告には、「マニュアルターゲティング」と「オートターゲティング」 の2種類があります。
それぞれの特徴を理解し、目的に応じて使い分けることが重要です。

SP広告の体系図

1. マニュアルターゲティング(手動設定)
マニュアルターゲティングは、ターゲットを明確に絞り込めるため、広告費の無駄を減らしながら、より購入意欲の高いユーザーにリーチできるというメリットがあります。

・キーワードターゲティング
 ‐指定したキーワードを検索したユーザーに広告を表示。
 例:「ワイヤレスイヤホン」や「ノイズキャンセリング イヤホン」などの関連キーワードに広告を出す。

・商品ターゲティング
 ‐競合商品や類似カテゴリーに広告を表示。
 例:自社のイヤホンを、競合他社のイヤホンのページに表示させる。

2. オートターゲティング(自動設定)
AmazonのAI(アルゴリズム)が、最適なキーワードや商品ページを自動で選定し、広告を表示する方法 です。

・メリット
 ‐初期設定が簡単で、手動での調整が不要。
 ‐広範囲に広告を配信し、新しいターゲットを発見できる。

・デメリット
 ‐無駄なクリックが発生する可能性がある。
 ‐手動調整が難しく、効果が悪いターゲットに広告費が消費されることも。

SP広告の表示場所

適切なターゲティングを設定すると、SP広告はユーザーの購買意欲が高まる以下の場所に表示されます。

1.検索結果ページ
ユーザーがAmazonでキーワードを検索した際に、検索結果の上位や下部に広告が表示される。

2.商品詳細ページの「関連する商品」箇所
他の商品ページ内の「こちらもおすすめ」や「関連する商品」といった箇所に広告が表示される。

これらの表示場所は、購入を検討しているユーザーの目に入りやすいため、売上に直結しやすいのが特徴です。

ターゲティング戦略とキャンペーンの管理方法

Amazon広告を効率的に運用するためには、キャンペーンの管理方法とターゲティングの戦略を明確にすることが重要です。
特に、キャンペーン名の付け方を統一し、適切なターゲティング手法を活用することで、広告パフォーマンスの最適化が可能になります。

効果的なキャンペーン名の付け方

キャンペーン名は、後々の分析や運用をスムーズにするためにルールを統一 しておくことをおすすめします。適切な命名規則を設定することで、「どの広告がどのターゲティングを使用しているのか」を瞬時に把握できます。

おすすめのキャンペーン名のルールの一例
・商品名 | SP | マニュアル | KW   
・商品名 | SP | マニュアル | 商品
・商品名 | SP | オート | 商品

このようにルールを統一することで、管理画面上で広告の目的を一目で把握でき、分析時の手間を減らすことができます。
プロの広告運用事業者も適当につけられたキャンペーン名を修正するところから作業を始めます。

マニュアルターゲティングの活用ポイント

マニュアルターゲティングは、広告の配信先を手動で細かく調整できるため、無駄な広告費を削減しながら、ターゲットユーザーに的確にアプローチすることが可能です。

1.キーワードターゲティング
・売れ筋のキーワードをリサーチし、購入意欲の高い検索ワード に広告を表示する。
・広範囲マッチ・フレーズマッチ・完全一致の使い分けを工夫し、無駄なクリックを防ぐ。

2.商品(ASIN)ターゲティング
・競合商品や関連商品に広告を表示することで、自社商品への流入を増やす。
自社商品へのターゲティングは他社に流出するのを防止する目的で設定します。
Amazonは自社ページから簡単に他社製品に流れやすいページ構成なので、同じ提供価値を持つ商品があれば、自社商品にターゲティングするのは取りこぼしをなくす目的でおすすめです。 自社商品へのターゲティングは必然的に入札単価も安くなります。

・カテゴリーターゲティングを活用し、特定ジャンルの商品群へアプローチするのも効果的。(広告の網の範囲が広がるため、戦略キーワードの入札単価が高騰している際、新商品発売時に、リサーチの目的でこのカテゴリーターゲティングを利用するがおすすめ)

マニュアルターゲティングは、細かい調整が可能で費用対効果を高めやすい ですが、運用にはデータ分析と定期的な更新が欠かせません。
特に除外キーワード設定は2週間に1回に必ず行うようにしてください。

オートターゲティングの活用ポイント

オートターゲティングは、AmazonのAI(アルゴリズム)が自動でターゲットを選定してくれるため、最適なキーワードや商品ターゲティングを発見するのに適しています。

1.新しいターゲットの発見に活用する
・初期設定が簡単で、手動でのキーワード選定が不要なため、Amazonが自動で適切な検索ワードや関連商品のページに広告を表示。
・効果が高いキーワードを発見したら、マニュアルキャンペーンに移行 して運用。

2.パフォーマンスをモニタリングし、不要なターゲットを除外する

・すべてのキーワードや商品が効果的とは限らないため、「検索用語レポート」を活用して、無駄なキーワードをネガティブターゲティングに追加してください。

3.オートターゲティングをマニュアルターゲティングと併用する

・オートターゲティングで得たデータを活用し、より精度の高いキーワードやターゲット商品をマニュアルキャンペーンで最適化。
オートは止めずにリサーチ目的で回し続けるのがおすすめです。
ただ、長く回していて、ROASが良好なキーワードが明確になっているフェーズにおいては、無駄な広告費を抑制するためにターゲティングは「だいたい一致」と「ほぼ一致」だけにするのがおすすめです。

SP広告の運用を成功させるためのポイント

SP広告を最大限に活用するためには、広告の運用を定期的に見直すことが重要です。
ただ広告を出稿するだけではなく、適切なターゲティングと入札戦略を組み合わせることで、広告費を効率的に使いながら売上を伸ばすことができます。

1.適切なキーワード選定
キーワードの選定は、SP広告の効果を決定づける最も重要な要素の一つです。

・高いCVR(コンバージョン率)を持つキーワードを見つけて入札額を調整
 ‐広告レポートを分析し、購入につながりやすいキーワードに重点的に予算を投下する。
 ‐「検索用語レポート」を活用して、実際にユーザーが検索しているキーワードを特定。

・「広範囲マッチ」と「フレーズマッチ」を使い分け、効果的なリーチを実現
 ‐広範囲マッチ:幅広い検索クエリに対応できるが、関連性の低いワードにも表示される可能性あり。
 ‐フレーズマッチ:ある程度の幅を持たせながら、関連性の高い検索クエリに対して広告を表示。

2.除外キーワード・ネガティブキーワードの設定
不要な検索ワードに広告を表示させないことで、無駄なクリックを防ぎ、広告費の浪費を減らす ことができます。

・購入意欲が低いキーワードをブロック
 ‐例:「無料」「中古」「比較」「レビュー」など、購入につながりにくいワードを除外設定。
 ‐「検索用語レポート」を確認し、不要なワードを随時ネガティブ設定に追加。

・効果の低いキーワードを定期的にチェック
 ‐クリック数は多いがCVR(購入率)が低いワードは、ネガティブキーワードに追加するか、入札単価を下げる。

3.入札戦略の最適化
入札額の調整は、広告費の無駄を削減しながら、利益を最大化するために欠かせません。

・「動的な入札 – ダウンのみ」を設定し、無駄な広告費を抑える
 ‐コンバージョンが見込めない検索クエリに対する入札を自動で下げ、広告費の無駄を防ぐ。
 ‐クリック単価(CPC)が高騰しやすいキーワードでは、積極的に利用する。

・費用対効果の高いキーワードに対しては、適宜入札額を調整
 ‐高いCVRを持つキーワードには入札額を上げ、より多くの広告インプレッションを獲得。
 ‐逆に、効果の低いキーワードは入札額を引き下げるか、削除を検討。

4.定期的なパフォーマンス分析と最適化
SP広告は、出稿したら終わりではなく、定期的にデータを分析し、改善を続けることが成功の鍵です。

・週ごとにレポートを確認し、成果の低い広告を改善
 ‐「検索用語レポート」「広告パフォーマンスレポート」を定期的に確認し、広告の効果を分析。
 ‐クリック数が多いがコンバージョンが少ない広告は、ターゲティングの見直しが必要。

・「検索用語レポート」を活用し、ターゲティングを最適
 ‐高いCVRを持つ検索クエリをマニュアルターゲティングに移行。
 ‐クリック単価(CPC)が高すぎるワードは、入札額を調整してコストパフォーマンスを向上。

これらの運用ポイントを押さえ、データを基に広告戦略を見直すことで、SP広告の成果を最大化できます。

まとめ

Amazonのスポンサープロダクト広告(SP広告)は、出品者にとって売上拡大の鍵となる重要な広告ですが、適切なターゲティングと運用を行わなければ、無駄な広告費がかかるだけでなく、期待した成果を得ることも難しくなります。

SP広告は、適切に運用することで、商品ページの露出を増やし、売上アップにつながる強力なツールです。
しかし、ただ出稿するだけでは成果が出ないため、データをもとにPDCA(計画・実行・評価・改善)を回し続けることが重要です。

本記事の内容を参考に、効率的な広告運用を実践し、Amazon販売の成功を目指しましょう!


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