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風邪をひいた私に、最強の看病コンビがついてきた   (中編小説)

ONEPIECEの二次創作小説です。
好きすぎて二次創作書いちゃいました。
完全なる自己満です😄
苦手な方は、ご注意ください。

あー…何か頭が重い。

目を覚ますと体も熱くて…

チョッパーに診てもらい風邪と診断された私。

ベッドで安静にしているようにと言われ、

今こうして寝ているわけだけど………。

なんと、いつも喧嘩ばかりしている

あの二人が私の事を看病してくれるらしい。

別に私一人で大丈夫なのに。

これはもう決まったことだから!…とナミに言われ、

二人以外、皆、情報収集やら物資補給やらで

出かけてしまった…。

頭が重いのはそのせいもあるのかもしれない。

サンジとゾロに看病されるなんて、

ありえないんですけど?

やだやだやだやだ、絶対やだ!

海賊なのに自分の体調管理くらい

ちゃんとできてなくてどうするんだ私…。

私の馬鹿! 


そう自分に突っ込みながら、足をジタバタ動かし

布団の中で暴れる(名前)。


「なぁ、なんか今音しなかったか?」

新聞を手にしながら、ゾロは

彼女のために料理をしているコックに聞く。


「あ?なんか音したか?」

料理に集中していたサンジは

何も聞こえなかったようで、


「新聞なんて読めるんだな」

新聞を読んでいるなんて、珍しいことを

しているゾロにいつものように茶化して言う。

「うるせぇ!だいたい何で

 てめぇとなんだよ」


「そりゃ、こっちの台詞だ!

 ジャンケンで負けたんだから

 仕方ねぇだろ!」


「看病なんて、チョッパーの仕事だろ」


「買いてぇ本がどうしてもあるんだとさ…。

 ジャンケンに負けたのが、おめぇじゃなくて

 ナミさんやロビンちゃんだったらなぁ♡」


ハァー…。目をハートにしている彼は放っておいて

溜息をつきながら再び新聞に視線を落としたゾロ。


「もしかして、さっきの音

 布団から落ちたのかもな」

新聞から目を離さず、心の中でにやりと

しながらサンジに言った。


レディの危機には、すぐ飛んで行く。

それが彼なのだ。


「音なんて聞こえなかったが、

 ちょっと見てくる。

 まりも、このおかゆ見ててくれ」


「はぁ!?何で俺が…」


「この場には、おめぇしかいないからだ。

 頼んだぞ。あぁ、それと、ついでに

 タオルも交換しとくか…」

サッと氷水とタオルを準備し始めたサンジに

試すようなこと言わなきゃよかった…と

一瞬だけ後悔したゾロだった。


コンコンッ…部屋のドアがノックされ、

サンジ!?ゾロ!?どっち?

部屋に入ってきたのはサンジで


「気分どうだ?」


「まぁまぁかな…」


「だから言わんこっちゃねぇ。

 すぐ着替えろって言ったろ?」


そう、風邪を引いたのには

心当たりがある。

昨日、船の掃除をしていた私。

雨が降ってきて、この小雨だったら

大丈夫かな。とキリが良いところまで掃除をした。

サンジにすぐに着替えろよっ…風邪引くぞ。って

そう言われたんだけど、このくらいなら

平気、平気って聞き流したんだよね。

彼の言う通り、風邪を引いてしまいました…。

「でも私大丈夫だよ?」


「大丈夫じゃねぇから

 寝てんだろ」

そう言ってタオルを交換してくれたサンジ。

ひんやりとして心地良く、目を瞑る。

このまま一瞬で熱下がってくれないかなぁ、なんて

思ってると

「熱ぃな…」サンジの声と共に、頬に触れる温かさ…


「!?…何やってんの!?」

バッ…と突然起き上がった(名前)に


「何だよ!?突然、起き上がって…。

 ビックリするだろ…」 サンジも驚き、


「だって、だって、サンジが!」


「俺が?何かしたか?」

あぁ…そういうことかと(名前)が言っていることを

理解したサンジは、


「触れねぇと、確かめらんねぇだろ。

 どれだけ熱があるか」


「そ、そうかもしれないけど」


「俺は今日はお前の看病役なんだ。

 あいつもな。

 もう少しでおかゆできるから、

 ちゃんと寝とけよ」


布団をかけ直してくれた

サンジは部屋を出ていった。


看病役なのは、知ってるけどさぁ

熱確かめるなら、頬じゃなくて

普通おでこじゃない?…。

熱があがった気がするのは

気のせいだろうか。

キッチンに戻ろうと、扉を開けると

何か…焦げクセェな…

あいつ、まさか!?キッチンに立っている

ゾロをバッ…と押し退け

鍋の中を覗く。


「焦がしてんじゃねぇか!」


「知らねぇよ!俺はお前に言われた通り

 ただ見てただけだ!」


「見てただけって…あのなぁ!

 ただボーっと突っ立って

 見てろって、そういう意味で言ったんじゃねぇよ!」


「ボーっとなんかしてねぇ」


「じゃ、何で焦がしてんだよ。

 ちょうど良い所で、火を止めるんだよ。

 それくらい分かんだろ」


「知るかよ!」

サンジの蹴りが飛ぶが、刀の鞘で軽く受け止め

ひらりと躱す。


「喧嘩してる場合じゃねぇな。

 作り直さねぇと…。」


新たな鍋に水を入れ直しているそいつに

「悪かったな…」そう謝ったのに

ニヤリと笑いながら

「この焦げたの、お前が責任持って食べろよ。

 一粒残らずな」なんて言ってきやがった。

鬼かよ!…。焦がしたのは俺だが

ちゃんと謝っただろ。


そんなの食えるわけねぇだろ!…って

言いたいとこだが、あいつから返ってくるのは

「食える。おかゆだからな」

どうせ、そんな言葉だ。


何か言うのは諦めて

「分かったよ…」と返事をしたゾロ。

椅子に座ろうとするも、

「お前暇だろ?」とサンジの声がかかる。


「暇じゃねぇよ」


「どう見たって暇だろーが。

 (名前)に飲み物持ってけ。

 喉乾いてんだろ」


「面倒くせぇな…」と不満げに口を尖らせながらも

グラスをちゃんと受け取り、サンジの指示に

素直に従うゾロ。


「ついでにさ、焦がしたことも

 ちゃんと謝っとけよ」

軽い調子で、茶化すように言うサンジに


「て!…てめぇなぁ!…。

 本気で叩き斬るぞ」額に青筋を浮かべるゾロ。


チッ…舌打ちをしてまりもが部屋から出ると

俺はキッチンに向き直る。

こんな焦げたの食わせるわけねぇだろ。

まさか本気にしたのか?…。

にしても…からかうのって楽しいなぁ…。

でも、まぁ、ほどほどにしねぇとな。

本気で怒らせると面倒だし。 


「さて…気を取り直して

 もう一度…。」水がぐつぐつと沸騰し始めた

鍋を見つめ、手元に洗ったお米を用意するサンジ。


私は、今猛烈に睡魔に襲われている。

目が閉じかけようとしたとき、カチャリ…と

ドアが開いて

「ゾ…ロ?」


「大丈夫か?

 ちょうど寝るとこだったか?」


「眠いー…」


「寝る前に水飲め。

 飲めるか?」

ゾロが体を起こしてくれ、

手渡された水を口にする。 


ゴホゴホッ…噎せた私の背中を

「おい、大丈夫か?」ゾロが優しく

擦ってくれる。

「ゾロってこんな

 優しかったっけ?」

思わず呟いたその言葉に

「うるせぇな…。

 ジャンケンで負けたんだよ…

 好きで看病なんかやってるわけじゃねぇ」

返ってきたのはこれで、


「あっそ…」と私も素っ気なく返した。

冷たく答えた一言に

ゾロは少し慌てていて

少し口調が優しくなるかなぁ、なんて

ほんの少し期待したけど、

「ほら、風邪くらいで倒れてんじゃねぇよ。

 もっと丈夫な体作れよ」

うん、いつも通りの無愛想な口調だ。

だけどほっとかれるよりマシだし

看病してくれるだけ感謝しなきゃね。

「ありがと、ゾロ」


「いいから寝ろ」


横になると再び睡魔が襲ってきて

夢の中に引きずり込まれそうだ。

目が完全に閉じる直前、視界に入ったのは

隅に腰を降ろすゾロで

「悪ぃな…おかゆ焦がしちまった」

そんな声が聞こえた気がした。


これで文句ねぇだろ…くそコック…。


再び目を覚ましたとき、(名前)の視界に入ったのは、


「サンジ?」


「おぉ、起きたか。

 お腹減ってねぇか?」


「そこに座ってたのは

 ゾロだったはず…」


「あ?あぁ、交代したんだよ。

 おかゆ、できたから

 今持ってくる」


「大丈夫だよ。

 ダイニングまで行くよ」

起き上がろうとすると、サンジが支えてくれた。

「本当に大丈夫か?」顔を覗きこんで

心配そうに聞いてくる彼に

「大丈夫!」とまだ頭がボーっとするなか、

ピースサインで返した私。


ダイニングに行くとゾロは椅子に座って

「新聞!?ゾロが新聞読むのなんて珍しい…」


サンジ「新聞読むしか、やること

    ねぇんだよ。なぁ?」


「うるせぇっつってんだろ!」


「今は喧嘩はやめてよね。

 頭に響くから」

おでこに手を当てながら席に着いた(名前)。


目の前に置かれたのはたまごがゆで

ペロリと平らげちゃいそう。

サンジの料理なら、なおさら!…。


サンジ「無理して食べなくていいからな。

    食べられるだけでいいから」


「うん、ありがとう」


「なんなら、俺が食わしてやっても…」


「はぁ?何考えてんの?」

思わず声が大きくなった私。

「うるせぇ。いきなり、でかい声出すな」

ゾロに新聞の先で軽く叩かれた。


「私、今病人なんですけど…」


「だから、俺が食わしてやろうか?って

 言ってんじゃねぇか」


「サンジは黙ってて!私は今ゾロに言ったの」


「じゃ、俺はフーフーして

 冷ましてやろうか?」

サンジに乗ってゾロまでからかうように

言ってきて、

何なの、この二人。にやにやして…。

絶対、私の事からかってるでしょ。


「一人で食べられるから!」

バンッ…と机を叩き、勢いよく立ち上がると

頭がクラッとして

あ…やばい…私、これ…倒れるな…。


倒れそうになった瞬間、同時に反応した

彼らはすぐに駆け寄り、優しく腕を回して

彼女を支えた。

お互いの顔が急接近し、息がかかるほどに。

驚いた二人は慌てて顔を背け

「「近ぇんだよ!」」

同時に手を離す。


そのまま床に落ちる…直前で

素早く反応した彼らは

しっかりと(名前)を支え直した…結果、

三人が密着した形になる。


ただ彼女を支えてるだけなのだが

傍から見ればサンジとゾロが

(名前)を取り合ってるように見えないこともない。

その証拠に…


バーン!…と勢いよく開いたドア。

ルフィ「ただいま帰ったぞー!」


ウソップ「おいおい…そんなとこで…

     もうちょっと状況を選べよ…」


「「違ぇよ!」」


ルフィ「何やってんだ?お前ら」


「「見りゃ分かんだろ!看病だよ!」」 (完)

ここまで読んで下さり、
ありがとうございます✨️
いかがだったでしょうか?
文章は上達してるのかな………。
まだまだこれから、ぼちぼち
やっていきます🙊

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