決意と思い出
80歳を過ぎ考え始めたのが運転免許証の返納のことです。更新が近づくにつれ次第に思いが強くなって今年12月中に返納することを決意しました。1月20日が誕生日なので今年中に返納し新たな気分で新年の誕生日を迎えたいと思ったのです。
免許の交付は昭和35年9月15日で、初め自動2輪、普通、大型一種と、当時秋田市割山試験場で学科、実技試験を受け合格。私が19歳の頃ですから今まで64年程免許証にお世話になったことになります。この間、若い頃ですがスピード違反二度、免許不携帯が一度、他の車輛に接触事故が一度、接触されたのが二度ありましたがケガを負うほどでなく、板金修理で済んだのです。
結婚後2女1男に恵まれ3人共元気に走り回れる頃になって、荷物と乗用兼用のトヨタライトバンを購入、その頃父は既に亡くなり母は健在で、子供、妻、母と家族のドライブで県内、近県への行楽地には幾度となく訪れました。私の趣味が若い頃から登山、写真と一人旅、寺院、神社にお参りし納経所で御朱印をいただくことが私の念願で今も続けています。家族のドライブの他に今でも強く印象にあるのが、正月休みに関西方面の国宝級の十一面観音21寺院を訪ねたこと、妻と信州の松本城と旧街道の宿、奈良井宿、馬籠、妻籠宿と白川郷、飛騨高山、下呂温泉、金沢の旅行、昭和48年正月休みに母を連れ京都奈良方面への旅行、昭和61年お盆休みに北海道一周に母と私の妹と妹の長男の4人の旅行、この時は民宿泊まりで母は料理に満足し楽しんでいましたが、その年の10月19日動脈瘤の悪化で亡くなってしまう、66歳でした。長男が20歳の頃、北海道内の登山、観光と二人で一週間過ごしたドライブも忘れられない思い出になっています。
大分前になりますが、昭和47年のお盆休みに父母を日光見物に連れ出したことがあります。出発の時父は「今日の旅行があんまり楽しみで夕べあんまり眠れなかったよ」と私に話したのです。日光杉並木を通り旅館の料理に喜びお酒も飲んで、東照宮の見物、父母は大いに喜んで楽しく過ごしていました。その年の秋、11月6日、農作業が終わったころ、父は高血圧のため58歳で亡くなってしまったのです。私が父を初めてドライブに誘った時のことです。
まだまだドライブの思いは尽きませんが、今月中に免許返納の手続きを決行します。
柳田 武男 83歳