【2023・宝塚記念予想③】出走全頭コメント
これまでの2つの投稿で、コース・ラップ・血統・枠順・脚質についてデータを見てきました。今回はそれをもとに宝塚記念の予想をしていきたいと思います。
予想の前提としては、今回の出走馬の中で逃げたい馬がドゥラエレーデとユニコーンライオンくらいでハナ争いで前が速くなりすぎることはないと考えミドルペース~スローペース予想で考えていきます。
1枠1番 ライラック(牝4)
コース:同じ阪神芝2200mで行われたエリザベス女王杯では上り2位の35.5の脚を使っての3着。
ラップ:上記のエリ女のラップは126-109-118-126-124-123-122-118-119-123-122(前半6F60.3、後半6F60.4)で、今回の宝塚記念で予想されるラップに近い。その中でエリ女3着は評価できる。
血統:オルフェーヴル産駒でステイゴールドの血を持つ点は評価できる。母父キングカメハメハも良い。
枠順・脚質:3角~4角から捲くり始める馬なので、最内枠はマイナス
前走目黒記念は東京芝で33秒台の早い上がりが求められる競馬でかつ内枠目だったため、度外視する。不良馬場で行われた2走前の日経賞も上がり2位の脚で追い上げたが出遅れが響き4着まで。
今回はコース、ラップ、血統では評価できていたが、枠順が内枠すぎることが大きくマイナス評価で、馬場が荒れそうにないこともこの馬にとってはマイナス
1枠2番 カラテ(牡7)
コース:阪神の内回りコースの経験はなく不明。重賞勝ちは3つあるが、新潟2勝、東京1勝で直線の長いコースの方が良い。
ラップ:阪神や中京での1800m以上の経験があまりなく未知数。
血統:父系にキングカメハメハの血を持つのは良い。ノーザンダンサー5×5を持つ点も良い。
枠順・脚質:マイラーだった頃に比べて出足は鈍くなっているが、内枠なので出足が良ければ、前目に付けれて良いのではないか。
血統、脚質では微プラスだが、コース適性・ラップ適性が不透明で、7歳という年齢も馬券になりづらいため、高くは評価できない。
2枠3番 ダノンザキッド(牡5)
コース:阪神芝2200の経験はないが、阪神芝は1-1-2-0で複勝率100%。
ラップ:
血統:母系が欧州型ダンチヒ系なのは良い。
枠順・脚質:先行したいこの馬にとっては良い枠に入った。
1600~1800mで多くのレースをこなしてきた馬で、2200m以上の経験はない。しかし、2歳時にはホープフルSを買っており、2200mくらいはこなせるのではないか。1600~1800mに適性があることは前半が速くなりやすい宝塚記念ではプラスかもしれない。
人気の時には凡走し、人気のない時には好走しがちで走りどころの分からない馬ではあるが、評価はできる1頭といえる。
2枠4番 ボッケリーニ(牡7)
コース:阪神芝2200の経験はないが、中山阪神内回りは1-3-0-1で有馬記念以外すべて連対。前走鳴尾記念(阪神内2000)は開催初日で前が止まらない馬場であったとはいえ、4角3番手から1着。
ラップ:2走前の日経賞(中山芝2500)では、残り1000mから宝塚記念想定ラップに近いラップで2着に好走。
血統:父がキングカメハメハは評価。ノーザンダンサー5×5×5のクロスを持つ点も評価。さらに母母父にトニービン、母系にロベルト系を持つのもプラス
枠順・脚質:中団から3角過ぎから捲くれるのは宝塚記念向き
コース、ラップ、血統はいずれもプラスに評価できるが、7歳という年齢、中2週のローテ、相手の力関係を考えると紐まで。
3枠5番 イクイノックス(牡4)
コース:阪神の経験はないが、中山内回りの有馬記念、皐月賞は好走。
ラップ:皐月賞ではラスト1000mから加速ラップを経験し、2着。
血統:ノーザンファーム生産×母母父トニービンがプラス。
枠順・脚質:前走逃げているし、最初から前目に付けることは可能。後ろからの競馬になっても、有馬記念の時のように4角手前から捲くることが可能。
普通に考えたら、◎になりそう。
ただ、初の阪神、海外帰り、初斤量、父キタサンブラックが負けた舞台ということを考えると不安要素もあるのは確か。
3枠6番 スルーセブンシーズ(牝5)
コース:阪神芝内回りは0-0-0-2(秋華賞とマーメイドS)。他場での内回りは4-2-1-0で複勝率100%
ラップ:3勝クラスの日本海S(新潟内回り2200)で4F以降で加速ラップを経験し、2着。中山3勝クラスのレースでは2000m以上戦2戦で上り1位と2位を記録。
血統:父系にステイゴールドの血を持つのはプラス。ノーザンテースト5×4もプラス。ノーザンテーストの血を持つ馬らしく古馬になってから本格化の兆し。
枠順・脚質:近5走は0-0-4-1で近3走は4角通過5,6,6
コース、ラップ、血統は適性がある。あとは能力だけ。
宝塚記念は牝馬が強いとは言われるがほとんどがGⅠ馬であり、自力の違う馬が簡単に勝てる舞台ではない。紐候補の1頭。
4枠7番 プラダリア(牡4)
コース:内回り芝1-0-0-1。阪神芝2200mも京都記念で経験あり(3着)。
ラップ:上記京都記念で残り1400m~200mで加速ラップを経験し、あがり3位のタイム。これは宝塚記念と同じ傾向。適性はある。
血統:父ディープインパクト、母父クロフネ(米)。血統では大きく評価はできない。
枠順・脚質:4角5番手以内が10走中4回(重賞に限ると7回中2回)で、大きくは評価できない。
今回と同じ舞台で行われる京都記念での好走(ドウデゥースの3着)は評価できるが、相手との力関係を考えると厳しい。買っても紐まで。
4枠8番 ヴェラアズール(牡6)
コース:阪神芝は外回りしか経験がないが2-0-0-0。芝右回りは2-0-1-1(着外は有馬記念10着)。芝での勝鞍は東京と阪神外回りで内回りは差しにくそう。
ラップ:芝での勝ちは33秒台の斬れ勝負がほとんどでタフな芝レースの経験はないと言って良い。
血統:父が欧州型ミスプロ系なのはプラス。
枠順・脚質:芝でのレースで4角5番手以内が7回中0回で今回は合わなそう。
コース、ラップ、脚質から今回は買わない1頭になりそう。
5枠9番 ジャスティンパレス(牡4)
コース:芝右回り3-1-1-2。
ラップ:阪神大賞典(阪神外3000)で8F~14Fで加速ラップで1着。宝塚記念とのリンクが強い有馬記念では4角5番手から7着。
血統:母父欧州型ヌレイエフ系、母母父ロベルト系が良い。ノーザンダンサー5×5のクロスも良い。
枠順・脚質:先行できる脚質なので宝塚記念は合う。雨が降らず、内が荒れていない馬場でできるなら、鮫島駿騎手のイン付きが有効になる。
上記には大きなマイナス点はないものの、春から阪神大賞典、天皇賞春の長距離戦を連勝して臨む宝塚記念のため疲れが残っている可能性はある。天皇賞春好走馬の成績が思わしくないことも気がかり。
ただし、実力的には本命にもなりうる1頭。
5枠10番 ディープボンド(牡6)
コース:阪神芝2-3-0-2だが内回りは昨年の宝塚記念(4着)のみ。
ラップ:加速ラップのあった2走前の阪神大賞典は5着。宝塚記念リンクする有馬記念では8着。しかしながら、過去には加速ラップを踏んだレースでの好走例もある。
血統:宝塚記念での好走があるキズナの産駒。ノーザンダンサー5×5のクロスも良い。
枠順・脚質:ロングスパートでのまくりが好走パターンなので4角5番手以内で行ければ
昨年は勝ちに行った結果、最後に差されて4着だった。今年も着狙いなら拾えそうだが、陣営は勝ちに行くと思うので、そうなると去年と同じような展開も考えられる。
6枠11番 ジェラルディーナ(牝5)
コース:宝塚記念と同じコースで行われたエリ女で勝利しているため適性がないことはないが、外有利の展開で差して勝ったので展開が向いたともいえる。去年の京都記念(阪神内2200)では、前残りの展開の中、4角最後方から上がり33.6の脚で4着。
ラップ:上記京都記念で加速ラップの中で上り33.6をマーク。
血統:父はモーリスで欧州型ロベルト系。モーリスはサドラーズウェルズの血を持つ。ノーザンダンサー5×5のクロス持ち。
枠順・脚質:エリ女や有馬記念のように捲くれる。ただ、4角5番手以内に来るほど早めに前には来れない可能性が高い。
芝での勝利がすべて非根幹距離と非根幹距離にはめっぽう強い。しかし、4角でも後方にいることが多く、差し損ねることも多いので今回は不安。鞍上武豊との初コンビになる点も大きくプラスではないような気がしている。
非根幹距離での実績から本命まで考えていたが、検討する。
6枠12番 アスクビクターモア(牡4)
コース:阪神芝内回りは経験なし。
ラップ:
血統:ノーザンダンサー5×4のクロス。母父が欧州系ブラッシンググルーム(レッドゴッド系)なのはプラス。
枠順・脚質:先行して長く良い脚を使えるのがこの舞台に合っている。ただし、良馬場でできるのが条件。
近2走は大負けしているが、負け癖がついていないかつ良馬場でできるなら、血統からも脚質からもこの馬に展開が向く可能性はある。
相手候補の1頭。
7枠13番 ジオグリフ(牡4)
コース:阪神は2歳時の朝日杯フューチュリティステークス(5着)以来走っていないが、中山内回りの皐月賞を勝利。急坂を2度走るコースへの適性は〇だろう。
ラップ:宝塚記念のようなタフな流れは未経験?しいて言うなら皐月賞?
血統:母父キングカメハメハはプラス
枠順・脚質:外回りコースでは4角で前に来ることはできていないが、内回りならどうか
皐月賞以来、5戦好走しておらず、また、近2走は海外ダート戦で使っているので、現時点での力が分かりづらい。しかしながら、木村調教師は天皇賞秋前には、「うちのエースは(イクイノックスではなく)ジオグリフ」と述べるなど、ポテンシャルは高いものがあると思われる。
現時点では、紐候補まで。
7枠14番 ブレークアップ(牡5)
コース:阪神での内回りの経験はないが、中山内回りの経験は多い。ただ、いずれも条件戦であり、重賞での内回りの経験は有馬記念(15着)のみ。
ラップ:スローペースのレースでの勝利しかなく、持続力での消耗戦になると劣勢。ミドルペース以上では1勝クラスでも勝利できていない。
血統:父が欧州系ブランドフォード系のノヴェリスト。ノーザンダンサー5×5のクロスも良い。日本の主流血統と逆で宝塚記念向きの血統。
枠順・脚質:距離短縮で先行力がどうか。
血統的には宝塚記念向きで狙いたい1頭といえる。天皇賞春でも馬券外でデータ的には買える1頭なのだが、他馬との力関係を冷静に判断する必要がある。
8枠15番 ユニコーンライオン(牡7)
コース:2年前の宝塚記念を逃げて2着になった。
ラップ:2年前の宝塚記念は前半1000m1:00.0、後半1000m58.5で2着に粘った。今回は前傾ラップか前後半フラットになるくらいのペースでの逃げを予想。
血統:母父が欧州型サドラーズウェルズ系。ノーザンダンサー5×4×4のクロスを持つ。
枠順・脚質:逃げて自分のペースを作れる。
欧州系の強い血統と逃げの脚質は魅力。しかし、7歳という年齢がネックになるか。
紐で抑える可能性はある1頭。
8枠16番 モズベッロ(牡7)
コース:宝塚記念使用コースは0-0-1-2。2020年には稍重の宝塚記念3着の実績もある。
ラップ:前走鳴尾記念(阪神内2000)では4角12番手から上がり2位の脚を使って6着。
血統:父母父が欧州系ネヴァーベンド系の血を持つ。
枠順・脚質:近走はで遅れがちでずぶ差が目立つ。4角での位置取りも厳しいか。
3年前の宝塚記念3着の実績馬ではあるが、7歳という年齢と渋った馬場の方が良いことを考慮すると買えない1頭。
8枠17番 ドゥラエレーデ(牡3)
コース:阪神でのレースはデビュー戦の外回りのみ(5着)。内回りでは中山でのホープフルSを買っており、内回りは向く。
ラップ:前半が速い持続力が求められるレースは未経験。
血統:ドゥラメンテ産駒(父キングカメハメハ)は昨年タイトルホルダーが買っており良い。母父オルフェーヴルはステゴの血を持っていて良い。母母父が欧州型ダンチヒ系も良い。
枠順・脚質:先行力はある。恐らく2番手くらいで競馬ができそう。
未知数な部分があまりにも多い1頭だが、血統を見ると可能性を感じてしまう1頭。幸騎手も宝塚記念での回収率が良く期待感がある。ただし、2歳GⅠウィナーとはいえ、クラシックを善戦してもいない3歳馬なので、古馬との力関係はよく考える必要がある。
【現時点での印候補】
◎イクイノックス
〇アスクビクターモア、ジェラルディーナ
▲ジャスティンパレス、ダノンザキッド、ドゥラエレーデ
紐ディープボンド、ボッケリーニ