精神障害者保健福祉手帳(3級)を取得したメリットについて

昨年、申請した「精神障害者保健福祉手帳」が、約2か月かかって、手元に入った。

交付日は昨年10月30日付となっていたが、市役所に受け取りに来るように書かれた通知が来たのは今年の1月中旬になってから。
もう少しスピーディにならなかったかな、と思いつつも、そこは行政サイドの多忙さも考慮したい。

「こころの情報サイト」に詳しく載っている「精神障害者保健福祉手帳」。私が認定されたのは「3級」になる。

精神障害者保健福祉手帳の等級は、1級から3級まであります。
3級
精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

こころの情報サイトより

私は双極症(躁うつ病)を長年患っており、2012年に自殺企図をして受診した心療内科に継続して通いながら、現在も服薬して生活している。

医師からは「3級の手帳を取得することにそれほどのメリットはない」と伝えられていたのだが、申請した場合、私の状態であれば、通るであろうということは併せて聞いたので、この度取得するに至った。

以下は、実際に手帳を受け取りに行った際に、自治体の担当職員から説明された3級の私(35歳男性)にとっての主なメリットである。

担当者から「障害福祉のしおり 2024年度(令和6年度)版」という冊子を渡されて、それを参照しながら説明していただいた。

〇所得税、住民税の軽減
 現在は休職中であるが、私企業に勤めている私は、賃金を得ているので対象になる。「障害者控除」だ。昨年の納税分に関しては、年末調整が終わっているので、2月中に始まる「確定申告」を行えば、適用されるとのこと。
 なお、職場に対しては、先日の定期面談(休職中の症状の変化や、今後に向けての相談の場だ)の際に手帳を取得したことを申告したので、2025年分以降については、年末調整で障害者控除を受けられることになる。

〇携帯電話使用料の割引
 各携帯ショップ、取引店で相談するよう伝えられた。
 私の場合、携帯キャリアのdocomoに問い合わせをし、「ハーティ割引」の一部を受けられると伝えられた。docomoショップに伺い、手帳を提示して手続きをすることで、月あたり「220円」の割引を受けられることになった。これは、自身の契約内容次第で割引額の変動が大きいという。

〇国内航空運賃の割引
 チケット購入前に手帳提示が必要とのこと。現状では、利用予定はないのだが、こちらも各航空会社によって扱いは異なるらしい。

〇居住自治体内のバスへの無料乗車証の配布
 本人のみ適用されるシール形式のバス乗車証を渡された。手帳に貼り付けて提示する方が多いということで、私も窓口にて手帳の裏側にシールを貼り付けた。毎年度末までの有効期限があり、一度申請したら翌年後以降も手続きなしで乗車証の交付が行われるとのこと。
 私の場合は、比較的混みあうバスはあまり利用しないのだが(単独行動のときは、人が多く密閉した環境はできたら避けたいので、自転車を利用する場合が多い)、母と出かけるときはよく利用するので、この制度はありがたい。

〇映画館、美術館、博物館などの利用に割引が適用される場合が多い
 映画鑑賞の場合、およそ半額で「1000円」となる場合が多い。先日、母とともにミニシアターで鑑賞した際にさっそく利用させてもらい、母も同伴者として、1000円で鑑賞することができた。
 公立施設など、5割引き程度で利用できる場所が多く、事前に確認の上で、窓口で提示したり、券売機で「障害者割引」のボタンを押下して購入し、入場口で手帳とともに提示するなど、対応はさまざまなようだ。

〇JR運賃での割引の適用(今年4月以降)
 私が普段利用しているJRでは、4月から精神障害者についても、割引が適用されるようになるという。
 ただ、「第2種精神障害者」扱いの私の場合は、「単独」の乗車かつ「片道の営業キロが100キロ超の場合」に限り、普通乗車券が5割引きとなるようで、常に割引運賃が適用されるわけではない。
 頻繁に利用することにはならないとは思うが、遠距離移動をする場合にはありがたい。私鉄などの割引は、それぞれの会社によって制度が異なるので、その都度、事前に確認する必要があるだろう。

〇預金にかかる利子が非課税になる制度
 「マル優」というようだが、預金等の元本合計額が1人350万円までの利子等にかかる所得税および住民税(計20%)が非課税になるとのこと。
 ゆうちょ銀行に相談してみたが、今後新たに定額貯金などを入れる場合に、満期時の利子が非課税になるとのことで、手帳取得以前に入金していた預貯金の利子に適用されるわけではないとのことだ。


その他にも、要件を充足していれば、NHKの放送受信料が免除されるなどの制度もあるとのこと(私の世帯はこれには該当しない)。

実際に手帳を取得することで、どういったメリットがあるのかを理解することができ、社会福祉制度の一端を知ることができたのはプラスになったと思っている。

映画鑑賞やバスの利用時などに、今後もメリットを享受することになるが、国民の税金によって、これらの補助を受けることができる、公助のたまものなのだ、という感謝の気持ちを大事にしていきたいと思っている。

(了)

 

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