①/④トランプ大統領就任演説分析
みなさん、こんにちは。今日は、トランプ大統領就任演説を主に社会科学的に、時々英文法的に分析したいと思います。長くなりますので、全4回に渡って記事を書きます。今日はその1回目です。スピーチ全文は以下を参照しました。
さて、今回の目次は以下の通りです。
トランプは人種差別主義者か
トランプはよく人種差別主義者だと叩かれますがスピーチではどのように語っていたのでしょうか。
We will move with purpose and speed to bring back hope, prosperity, safety and peace for citizens of every race, religion, color and creed.
中略
As our victory showed, the entire nation is rapidly unifying behind our agenda with dramatic increases in support from virtually every element of our society. Young and old, men and women, African Americans, Hispanic Americans, Asian Americans, urban, suburban and rural.
いかがでしょうか。彼は人種、宗教、信仰、肌の色、出自は関係ないと言っています。しかし、一方で排除の論理ものぞかせます。
It fails to protect our magnificent, law-abiding American citizens but provides sanctuary and protection for dangerous criminals, many from prisons and mental institutions that have illegally entered our country from all over the world.
ここでのitは前政権を表しています。簡単に言うと、前政権はアメリカ国民を守らずに、世界中から不法に入国してくるやべーやつらに保護を与えたではないか、と言っています。
さらには、こうも言っています。
I will declare a national emergency at our southern border. All illegal entry will immediately be halted. And we will begin the process of returning millions and millions of criminal aliens back to the places from which they came.
やはり、彼が標的にしているのは「不法」移民のようですね。彼の中では人種や肌の色などはどうでもよく「法的に」アメリカ国民かどうかが重要なのだとこれらの文章から読み取ることができます。
実力社会を目指すが。。。
トランプ氏の発言にはこういったものもありました。
We will forge a society that is colorblind and merit based.
肌の色には関係なく、その人の能力によって評価される社会を作ると宣言しています。もちろん、現代のどの社会も実力社会を実現できていないでしょう。しかし、真の実力社会が出来上がったとき何が起こるか、マイケル・サンデル氏は「勝ち組が自分の成功を自分の才能と努力だけのおかげだと思い上がり、負け組を見下す」という分断の構図が出来上がってしまうと警告をしています。端から共和党には自己責任思想があるので、トランプ氏もわざわざ負け組を救う政策をすることはないでしょう。
ということで、今回はトランプ氏が人種差別主義者かどうかを文面で分析してみました。文面をみる限り彼の線引きは、れっきとしたアメリカ国民か、そうでない不法移民かの間に引かれているようです。この点だけでは、レイシスト呼ばわりは不当なものだと思います。しかしながら、実力社会を何の疑いもなく建設していくことに関してはさらに分断を深めてしまうリスクがあり、今後注視していく必要がありそうです。
今日はここまで。
以上