③/④『国境のない生き方 私をつくった本と旅』
③/④ヤマザキマリ氏著『国境のない生き方 私をつくった本と旅』読了。
全4回に分けて感想をシェアしたいと思います。今回はその3回目です。目次は以下の通りです。
人生山あり谷あり
すごく明るく、達観したものの見方をできるヤマザキマリさんでも暗黒の時代があったことを初めて知りました。特に死にたいと思う時期が長くあったというのです。以下引用です。
二十代の若さで、すっかり絶望して「生きていて何が楽しんだろう」と日々自問自答しながら、かろうじて文学や芸術につなぎとめてもらっていた日々でした。
もう、いっそ死んだ方がラクなんじゃないか、何度もそう思いました。(中略)お金がないことより、こんなにもお金に振り回されなければならないことが、本当につらくて、情けなくて、こんな地獄にいるより死んでラクになりたい
もしお腹にデルスがいなかったら、あの時、死んでいたかもしれません。
生きていくことがこんなにもつらいのなら、私はもう、いなくなってしまいたい。
これらの文章は非常に刺さりました。というのも、自分も鬱で苦しみ死にたかった日が続いていたからです。しかし、ヤマザキマリさんは、このあと子供を産んで育てることに生きる希望を見出し、日本に帰国したらイタリアで身につけたものがどんどん仕事に変わっていくという、いわゆるフィーバータイムに突入します。ほんと人生は山あり谷あり、晴れの日もあれば雨の日もありますね。ということで今日は曲の紹介。
布袋寅泰
"Come Rain Come Shine"
加山雄三とザ・ヤンチャーズ
"座・ロンリーハーツ親父バンド"
人生観
この本からはマリさんの人生観も垣間見ることができました。
とにかく恥ずかしくても、傷ついてもいいから、失敗を重ねなさい。その失敗もいつかは糧となるから。というすごく前向きな人生観を持っていました。また、お母さんからの影響で「ただできることをその日その日にやっていく。ただそれだけ。」という生き方も示してくれました。そして、印象的だったのが、「自分らしさ」というものがわからないということでした。養老孟司さんも「自分らしさ」なんてものは作るものでなく、ひとりでに出来上がってくるものと言っていました。やはりこのお二方は相性がいいですね。確かに自分らしさって作るものじゃないし、他人から与えられるものでもないし、生きていれば勝手に出来上がっていくものですよね。そう思うと、なんか楽に生きられる感じもします。
今回はここまで。
以上