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馴れ初め編③
こちらの続き↓
出た・・!
私の番号は知らないし、出ないかもなと思いながらかけたので少し驚く。
「あの・・○○です。行きに席が隣だった・・」
「あぁ!・・・なにかあった?」
「いえ、そういうわけじゃないんですけど食事でもどうかなって思って・・」
こう言うと夫は笑った。
「良いですよ、明日の夜どうです?」
「はい!大丈夫です」
「ホテルに7時頃向かいに行きますよ、どこでしたっけ?」
という具合にとんとん拍子に予定は決まった。
そして次の日の夜・・
待ち合わせの時間ちょうど頃に電話が鳴った。
「今ロビーに着いたんやけど・・」
「すぐ降ります!」
ロビーに降りていくと彼が待っていた。
お店も予約してくれていて、すぐに外に出て歩き始めた。
滞在中、寒いマンハッタンの街を一人歩きながらなんとなく彼と一緒に話ながら歩いたら楽しいだろうなと思ったことがあったのだが、まさか実現するとは・・
歩いていくとロックフェラーセンターに着いた。
あの有名な金色の像とスケートリンクのあるところだ。
私は滞在中ここに来たことがなかった。
「わぁ・・!ここそう言えば来れてなかった」
スケートリンクが見やすいちょっとした階段でしばらく二人でスケートをする人たちを眺めた。
「今日行くステーキレストラン、ここにあるんですよ。」
そう言ってとても素敵なレストランに案内してくれた。
カジュアル過ぎず高級過ぎず・・とても良い雰囲気のお店だった。
メニューを見ながら
「そんなにたくさんは食べられないよね」
とアメリカンサイズを想定して注文してくれた。
私は未成年なので当然お酒はなし。
夫はワインを頼んだ。
料理が来るまで夫にアドレスを聞かれたりしたように覚えている。
関西に住んでいるが、よく東京出張もする、来月は後輩の結婚式で東京に行くともしきりに言っていた。
しばらくして大きな分厚いこれぞアメリカ!というステーキが運ばれてきた。
10代でかつ一人旅だった私はきちんとしたレストランで食事をしていなかった。
久しぶりの体裁の良い食事に心が躍ったが、正直味はほとんど覚えていない・・
そこから数時間彼との会話が途切れることはなかったからだ。
そして深夜12時。
話しても話しても話題は尽きなかったところに店員さんが来てもうクローズだと言った。
食事代は夫が出してくれてまた寒い街へ出る。
ブラブラとなんとなく歩き出すがお互い帰ろうとは言い出せなかった。
「もう一軒・・とは言え未成年やしねぇ」
「見た目もアメリカ人から見たら子どもに見えるだろうし、この時間からお店に入るのは難しいですよねぇ・・」
・・・
「私の部屋に来ます?缶ビールでも買って」
言ってしまった・・!
親が聞いたら卒倒しそうなセリフだ。
普段私はこんな事は言わない。完全に旅行ハイだった。
何より彼とこのまま別れたくなかった。
ただもちろんこのまま大人の関係になっても良い・・などとは全く思っていなかった。
そして夫はそういう危険さが全くない感じの人だった。
こんなに安全そうな男性はなかなかいないと今でも思う。
すると夫は・・
つづく