ペアーズ戦記 結婚か孤独死か

お久しぶりです。
ペアーズを辞めてから3か月ほどが経ちました。

彼氏とはとても順調で、今のところペアーズ戦記リターンズが始まる気配はありません。
彼氏はできましたが、まだペアーズで書きたいエピソードは残っていたので、この数か月何度もnoteを投稿しようとしたのですが、
何度書いてもおもしろくない文章ばかり出来上がり、投稿することができませんでした。

精力的にnoteを投稿していた頃は、自分の中の怒りや悲しみ、フラストレーションを原動力としていたから、勢いのある文章が書けたんだなあと実感しています。
今の私は精神的に満たされていて、きっと幸福なのだと思います。
そして、その幸福は、私から怒りや悲しみを消し去り、文章を生み出す原動力を奪いました。
それは残念なことですが、同時に私がずっと望んでいたことでもあったと思います。

今日投稿するのは、彼氏ができるよりもずっと前に書いて没にした話なのですが、なぜ没になっていたのか今となっては思い出せません。
よかったら読んでみてください。


前回→子供が欲しいから結婚したい男
前々回→前世がウグイスの男

ウグイスのように歌い、初対面で子供は欲しいか私に尋ねた男と2回目のデート。

まずは美術館に向かう。
たしか仏教美術の展覧会だったと思う。

作品を一緒に見て回りながらおしゃべりをして思ったのが、
彼はたくさん本を読んでいて、教養がある人なんだなということ。

私もそこそこ本は読む方で、お互いが読んできた本が似通っていることが分かり、
なかなかここまで似ることは少ないので、ちょっとテンションが上がった。

彼は仲間を見つけたと思ったのか、私以上にテンションが上がっているようだった。
そして、自分の知識を、饒舌に語る、しゃべりまくる。
話の内容自体は退屈ではないが、ここまでまくし立てられると若干疲れてしまう。

彼は言う。
「マッチングアプリなんて変な人しかいないと思っていたので、
○○さんみたいな素敵な人に出会えるなんて思ってなかったです」
きっと彼は私を褒めているつもりなのだろう。

しかし、男よ。
貴様は大切なことを忘れている。
マッチングアプリをやっている奴は、だいたい皆変な奴なのだ。
お前も、そして目の前にいる女もだ。

目の前の女は、おとなしそうにニコニコしているように見えるかもしれないが、
本当は変なハンドルネームでお前のことをインターネットで言いたい放題書くような奴だ。

勉強のできる貴様は、確かに社会では、凡人の上に立ち、指揮することを期待されている存在なのかもしれない。
しかし、このペアーズでは、貴様のそのプライドの高さは命取りだ。

と若干もやもやすることがありつつも、デートは和気あいあいと進む。

美術館を出て、居酒屋に入った。
日本酒を飲み、お互い結構酔ってくる。

「今まではどんな恋愛をしてきたんですか?」
「僕のことどう思いますか?」
ありがたいことだが、彼は私との関係を進めたいと強く思っているようだった。

しかし、彼の強い気持ちを感じれば感じるほど、自分の気持ちは冷めていることを感じざるを得なかった。
単純に、彼のことが好きじゃないんだと思った。

もし仮に、彼と結婚してこれから一緒に暮らせと言われたら、それなりにうまくやっていける気がした。

彼はちょっと変なところはあるけど、それは私もお互い様だし(だって変なハンドルネームで変な記事書いてるしね)、
彼の言葉から、彼が責任感を持って仕事に取り組んでいて、家族や友人に誠実に接していることがうかがえた。
それに加えて、彼は他者へのやさしさや共感性を持ち合わせている人だと思った。

しかし、彼と結婚したとしたらどうなるだろうか、、と思ったときに出てくる考えは、
「いい暮らしさせてもらえるかもな」「タワマンに住めるかもな」と、どこまでいってもお金のことばかりだった。

私はお金はいらんのだ。

いやそれは言い過ぎだけど、お金はあるに越したことはないが、
お金のために結婚するのは、ちょっとモチベーションが沸かない。

私は、ペアーズで会った男性とデートを継続するか、それとも終わりにするか決めるとき、
「この人と結婚するか、結婚しないで孤独死するか、どっちが良いか」
自分に問うことにしている。

私は一度きりの人生、自分の好きな人と結婚したい。

私は、服を買うとき、自分が本当に気に入った服しか欲しくない。
お昼は、コンビニのおにぎりじゃなくて、おいしい定食が食べたい。
服や食事ですら妥協したくないのに、交際相手を妥協できるはずがない。
この人がいい、という人と付き合いたい。
もしそんな人と巡り合えないのなら、一人で孤独に死ぬのを選ぶ。

残念ながら私が導き出した結論は、彼と結婚するよりも孤独死した方が良い、だった。
そして私たちはそれっきりになった。

周りの人たちには、「いい人そうだったけど、、」「あれくらいが落としどころだったんじゃないの」と言われたが、
自分の気持ちには嘘をつくことはできなかった。

好きなだけじゃダメだけど、好きじゃないとダメなんだ。私は痛感した。

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