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「少年隊 / 仮面舞踏会」 ~日本のポピュラー音楽史を創った曲 Vol.89~
「少年隊 / 仮面舞踏会」
作詞:ちあき哲也
作曲:筒美京平
編曲:船山基紀
~日本のポピュラー音楽史を創った曲 Vol.89~
(動画URL:できれば再生しながら、お読み下さい)
https://www.youtube.com/watch?v=5eK2iW5K_Gc
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(この文章は、2019/05/06 に書いたものです)
<曲の概要>
1985年リリース、少年隊デビュー・シングル。
前回の「 渡辺真知子 / かもめが翔んだ日」に続き、船山基紀アレンジ作品です。
この時期 (’80年代中期~後期) の、「作曲:筒美 & 編曲:船山」のコンビの名作の一部としては下記のようなものがあります。
・「柏原芳恵 / ト・レ・モ・ロ」(詞:松本隆) ’84
・「C-C-B / Romanticが止まらない 」(詞:松本隆) ’85
・「中山美穂 / WAKU WAKU させて」(詞:松本隆) ’86
・「中山美穂 / 派手!!!」(詞:松本隆) ’87
・「田原俊彦 / 抱きしめてTONIGHT」(詞:森浩美) ’88
・アルバム「小泉今日子 / Betty」’84
・アルバム「柏原芳恵 / LUSTER」’84
中でも、私的に、”打ち込みディスコもの” (と、勝手に名付けますが^^) の最高傑作のひとつが12インチ・シングル「中山美穂 / WAKU WAKU させて (Party Version)」だと思います、また、この12インチのB面が、同曲のインストVer.だったという事も、時代を先取りしてました。
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曲を詳しく見ていきます
{Key = Cm}
・イントロ (α+8小節) "Tonight ya ya ya~♪"
まず、30年以上悩んできましたが、曲の頭、約6秒、拍子がとれません (笑)。
「(5/4拍子×3小節)+(4/4拍子×1小節)」が一番近いかな?、とは思いますが、ちょっと違うし.....、歌番組の演奏などでも、違うのがあるので (という事は、みんな取れないという事か?)、ちょっと分かりません(^^;)。
曲全体に、打ち込みと思われるパーカッション類 (コンガ、アゴゴベル、シンセ....etc) が多数入っています。すごい勢いです。
ちなみに、Youtubeを探してて見つけた音源 (後で、コメント欄に貼りますが) 、おそらく、ベスト盤収録のリミックス音源だと思われますが、今まで聴こえなかった音がいっぱい入ってて、こっちの方がカッコいいです (いいもの見つけた・笑)。
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・Aメロ (8小節×2) "SHYな言い訳~♪"
私の (そして、多分みんなも)大好き、マイナー (短調)・アップテンポ・ディスコと3拍子揃ってます。
メロディーは、アルペジオ中心、休符の入れ方が特徴的。
ベースは、8分音符のオクターブ・フレーズ。
最後の「Cm→C7」マイナーからメジャーになるところで、Bメロに向かって開きます。
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・Bメロ (8小節) "迷いこんだ~♪"
Aメロに比べて、メロディー・ラインが滑らかになります (その中でも、オクターブ跳躍を含ませ、アクセントを付けますが)、同時にベースも、全音符のフレーズになり、全体としてAメロのスピード感が、ここで一旦落ち着くイメージです。
2・6小節目「イリュージョン~♪」「ひそめて~♪」のところで鳴る "タカタカタカ~" というパーカッション音 (しかも、クレッシェンド~デクレッシェンド<>で表情を付けている)は、前述した「C-C-B / Romanticが止まらない 」のイントロで聴かれる音とも感じが似ています。
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・Cメロ (4小節 ) "こんなにも~♪"
メロディーの動きでいうと、1拍目裏から入り、4拍目裏からシンコペーションで次の小節に入る、というパターンの繰り返し。そこにバックのリズムのキメが重なり、少し落ち着いたBメロから、サビへ向かって、少しずつ曲を盛り上げるような役目の部分です。
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・サビ (8小節×2 ) "WAKE UP~♪"
この曲を盛り上げる大きな特徴のひとつは、このサビでの、メロディーとコーラス (というか、対旋律。2パートの音楽です) の掛け合いです。メロディーの骨格は4分音符中心、対旋律は少し細かい、8分音符中心で、対比させています。
そしてもう一つ「Come On!」「Oh Yeah!」などと入る、シャウトも曲を盛り上げます。特に2番での「BABY COME ON DON'T STOP THE MUSIC」のくだりのインパクトはスゴイです (ここが、メロディー最高音である「ソ」であることも大事)、ヒャダインも「ここの、無理くり感!!」と評価していました。
ベースもオクターブ・フレーズに16分が入り、細かくなっています。
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・大サビ (8小節) "いっそX・T・C~♪"
サビで2パートに分かれていた音楽が、ここでユニゾン (3人で同じパートを歌う)になり、パワーを増します。そのまま後半の「強く 強く~♪」で、ほぼ2小節の間、メロディー最高音「ソ」を歌い続けます、ここがメロディーの山場です。
その後、ベースの「ソーファーミ♭ーレ」の下行音型で、サビに戻ります。
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<参加ミュージシャン>
・山木秀夫 (Drums)
・高水健司 (Bass)
・今剛 (Guitar)
・大谷和夫 (Keyboards)
・斉藤ノブ (Percussion)
・数原晋 (Trumpet)
・Jake H.Concepcion (Saxophone)
・助川宏 (Programming)
によるものと思われます。
「船山基紀 / サウンド・ストーリー」より
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文中・敬称略。