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車椅子おばあちゃんのひとり旅?その26

新宿駅からH.I.S.ユニバーサルツーリズムデスクへ

「あの、南口から出たいんですけど…」
新宿駅でスロープを持って迎えてくださった駅員さんにお聞きしたら、
「ああ、この先のエレベーターで2階へ上がってください。お気を付けて」
と、いとも簡単におっしゃったので「あ、ありがとうございます」とお礼を言って1人で走り始めました。
「エレベーター降りてから1人で行けるかな?」
とちょっと思ったのですが、「まあ、どうにかなるでしょう」といつもの通り、とりあえず行ってみることにしました。

前方にエレベーター発見!
2階を押します。
エレベーターを降りると、見覚えのあるJRの改札がありました。
「あ、ここだ」
昨日一生懸命見ていたグーグルマップを思い出しながら、南口から外へ出て、確か右。人の流れに乗って走って行くと目印のファーストキッチンがありました。
この交差点右。そしてすぐにお目当てのビルに到着です。

なーんだ簡単。すぐわかりました!
ほっとひと安心してスマホを見ると、約束の時間まであと30分もあります。
「さて、どうしようかな」
午前10:30の新宿で、電動車椅子のおばあちゃんはちょっと嬉しくなってしまいました。

あたりを見回すと、道の向こうに京王百貨店があります。
よし、新宿を探検しよう!
と言っても、しばらく百貨店の中をウロウロしただけですが、目の保養をさせていただきました。

さて、約束の時間ぴったりに旅行会社のH.I.S.が入っているビルの前から電話をかけ到着を告げます。しばらくするとメールでお世話になっているTさんがお迎えに来てくださいました。
正面の入り口は数段の階段です。なのでビルの裏側の通用口から中へ入ります。

この時私は昔のことを思い出していました。
30年くらい前でしょうか、まだあまり世の中のバリアフリーが整っていなかった頃のお話です。
2階建てや、3階建てくらいのスーパーマーケットやホームセンターなどにはお客様用のエレベーターはありませんでした。
で、どうしたかというと、今回のように裏口へ回り、関係者以外立ち入り禁止のバックヤードを通って業務用のエレベーターを使っていたのです。
所狭しと商品が積み上げられている通路や、ごちゃごちゃとした荷物置き場の中を通れるのは、それはそれでけっこう楽しい経験で、行きつけのスーパーなどでは、勝手知ったる裏通りを「こんにちは!」とか言いながらすました顔で通っていました。
2階や3階の売り場へ出るときには店員さんになりきって「いらっしゃいませ」とか言いながら出て行ったりして遊んだりもしていたのです。誰も見ていない時ですよ。

そんなことを思い出しながら裏口から店内へ入り、カウンターで相談をさせていただきました。
担当してくださっているTさんは、可愛らしい若い女性です。
「駅から大丈夫でしたか?迷いませんでしたか?」
事前にメールで、「方向音痴なので、遅れてしまったらごめんなさい」とお話しておいたので心配してくださっていたようです。感謝です。
「あ、大丈夫でした。すぐわかりました」
「それはよかったです、私もまだよく慣れていなくて…」
お話を伺うと、他県出身の方で、新宿でお仕事をされるようになってまだ日が浅いとのことでした。
ほんとにいつ来ても人だらけで、迷子になる駅です。

相談は30分ほどで終わりました。
お昼近くで、ちょっとお腹がすいてきたので、「せっかく新宿まで来たし、ランチはどこかのデパートで美味しいものでも食べようかなぁ」
などと考えながら駅へ向かいましたが、人の多さに気後れしてしまい、早々に次の目的地へ移動することにしました。
15:00からビリビリリハビリです。

いつもの駅について、ほっと安心。
何度か入ったことがあるカフェでゆっくりランチと読書。

アワーズ定食【鯖と野菜の竜田揚げ】
キャロットケーキ&アメリカンコーヒー
図書館でお借りした
最新版 スウェーデンへ
ストックホルムと小さな街散歩

幸せな午後を過ごした車椅子おばあちゃんです。
感謝です。

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