見出し画像

最後から2番目の「恋物語」じゃなくて「挑戦物語」です。15

ちょっと壁にぶち当たっています。
私の独自性って何でしょう。

特に私でなければという専門分野はありません。
レジェンドもありません。
実績も何にもありません。
仕事はしていましたが普通の主婦でした。
ずっと考えて気がつきました。

それは車椅子です!
いやいやそれはもう当たり前じゃないですか、分かり切っていることじゃないですかと突っ込むあなた、甘いです。
私の車椅子は人を巻き込む魔法のツールです。

例えば今日出かけてきました。
初めて1人で赤羽会館と言う所へ行ったのですが、まず家を出るときに妄想シェアハウス同居人の夫が,「いいよ。窓は閉めておくから、洗濯は今日しなかったの?干しとくよ」と応援してくれます。

すれ違った近所の人がちらっとこっちを見て会釈をされたので
「おはようございます」と挨拶しました。
その人は「おはようございます」と返してくださり通り過ぎました。
でもきっと心の中では「この暑いのにお出かけして大丈夫かしら?気をつけてね」って応援してくれてると思います。

信号待ちをしていると前から自転車に乗っている男の子が来ます。ちょろっと私の方を見ます。「おばさん大丈夫かなぁ危ないなぁ気をつけてよ」ってきっと思ってると思います。それは応援です。

すれ違う車のドライバーさんと目が合います、慌てて前を向かれますが、きっと私のことを応援してくれてると思っています。

バス停で後からやってきた人が見てみぬふりをして目を合わさないようにスマホを見ています。でもきっと私がいる事はわかっているので応援してくれてると思います。
その証拠にバスが来て乗るときにどうぞと言ってくださったので、私がどうぞお先にと言うと頭を下げて先に乗り込まれます。

バスが止まると運転士さんが降りてきてくれます。バスの運転士さんも仕事ではありますが「出かけるんだなぁ」ってきっと応援してくれてると思います。車いす用スペースに座っている方はすっと席を空けてくれます。きっとこの人も応援してくれてます。

バスに乗っているほかの方達も注目しています。
きっと応援してくれていると思います。

そう考えると例えば車椅子じゃなかったら誰か私に気に止めてくださるでしょうか。バスに乗るのは普通のことだし、運転士さんだって気をつけてとか大変だねぇとか思わないでしょう。私は車椅子に乗っているだけで、家からバスに乗るまでの間に何十人もの人に応援されていることになるのです。

車椅子生活60年の間にいったいどれだけの応援を受けてきたのでしょうか
それはどう考えてもレジェンドだし実績だし私の独自性かもしれません。
もちろんもっともっと応援されている方たちもたくさんいると思います。
でも、そんなことを言ったらきりがありません。

私の車椅子は私と出会う人みんなを巻き込んで応援団にしてしまう魔法のマジック車椅子ということです。車椅子に乗っているだけでどんどんどんどん応援団が増えていっているような気がします。それってやっぱり魔法だし、ちょっと勘違いやろうでしょうか?

でもやっぱり車椅子って得だなぁって思う車椅子おばあちゃんでした。
これって本のテーマにならないかなぁ・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?