車椅子おばあちゃんのひとり旅?その17
静岡県掛川市『駄菓子屋横さんち』を訪ねて・・・
新幹線こだまの多目的室は快適でした。
ムッとする暑さのホームで待っていたので、エアコンが利いている室内は天国でした。
さらに個室、座席はベッドにもなります。
どうしようかなあ、ベッドにして寝ていこうかな。
でも、ちょっと自分でベッドにするのは大変そう。
1人でベッドに乗り移ったり、また車いすに戻ったりするのも大変だし、
目的地までは1時間ぐらいだから、いいや車いすのままでいよう。
でも、靴を脱いで、足がむくまないように座席に載せてリラックス。
駅で買ったローストビーフサンドに食らいつき(個室で人目が気にならないので)大きな口を開けてがぶりとほおばりました。
「美味し~、し・あ・わ・せ!」
思わず声に出して、顔がほころんでしまいます。
コンセントがあったので、スマホを充電しながら友達やむすめとLINEをしていたらあっという間に目的地の駅に到着してしまいました。
もっと乗っていたいなあと思いながら、荷物をかたずけて降車の準備をして自動ドアのスイッチを押しました。デッキにはスタッフの方が待っていてくださり、ごみを捨ててくださいました。感謝です。
さあ、着きました。
初めて降りる掛川駅です。
ここから『天竜浜名湖鉄道』に乗り換えて西掛川というところまで行きます。
その駅から徒歩3分のところにお目当てのハンバーグ屋さんがあります。
お迎えに来てくださったステキな若い女性の駅員さんに、
「天竜浜名湖鉄道に乗り換えて西掛川まで行きたいんですけれど」
とお伝えしたら、
「あ、そうなんですね、違う路線になるのでご案内しますね」と親切に笑顔で答えてくださいました。
エレベーターに乗り、改札を抜け違う建物や通路を通り、もう一度エレベーターに乗り別のホームに出ました。
天竜浜名湖鉄道の改札が見えました。
「ここからは違う会社になりますので、改札を通ってあの窓口の駅員さんに声をかけてください」
「暑いのに、ご親切にありがとうございました。助かりました」
お礼を言ってお別れしました。
「あれ?ピッってするところがない」そのまま通れちゃう改札です。
「いいのかなあ」と思いながら窓口に近づきました。窓口が高いので、駅員さんが横のドアから出てきてくださいました。
「西掛川までお願いします」
いつもの通りお願いしました。
すると、駅員さんは困ったような顔をして
「西掛川はエレベーターがないんですよ、階段だけなので車椅子では降りれません」
「え?」
「え?車いすで行けないんですか?」
「そうなんですよ、使えないんです」
「西掛川なら、タクシーで行ってください。バスもあるんですけど…」
「ああ、バスはもう行っちゃったみたいだね」
そう言って、タクシー乗り場の方を見て、
「あ、ここからは階段だから行けないや、一回ホームに戻ってエレベーターの向こう側から外へ出てください」
タクシー…乗れないでしょう、電動車いすだもん。
最高気温40℃の見知らぬ駅で途方に暮れる車椅子おばあちゃんでした。
さわやかのハンバーグ食べたい・・・