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最後から2番目の「恋物語」じゃなくて「挑戦物語」です。8

出版界のおやっさん」から毎日メルマガが届きます。
https://liberta-books.jp/l/m/ymIyElw5FNrwI5
いろいろ勉強することがあるようですが、わからないことだらけです。

ある日のメルマガにセミナーの案内がありました。
TikTokで有名な方のSNS発信などのセミナーのようです。
土曜日の午後で会場は新宿でした。
TikTokは見たことがないし、SNSもよくわからないのですが
「挑戦してみようかな」
「場違いかな」
「どうしよう」
グダグダ考えて迷っていました。
ちょうど個人セッションがあったので、最後にお尋ねしてみました。
「セミナーに参加したいんですけど、車いすでも参加できますか」
すると、「ありがとうございます、ぜひお願いします」
「広い会場できれいなビルなので大丈夫ですよ」
と喜んでくださったので思い切って参加することにしました。
セミナーとかリアルは初めてで、新宿も全然わかりません、さすがに心細いので娘に一緒に行ってもらうことにしました。

娘が会場への経路を調べてくれましたが、
「ママ、歌舞伎町だよ」
「え~?大丈夫かなぁ」
「どうにかなるでしょ」
ゴールデンウイーク前の土曜日の午後、新宿は人が溢れていました。
ひしめく人並みの中、新宿歌舞伎町を走る電動車いすのおばあちゃん。
すれ違う人たちは見事によけていきます!
それもまったく流れを崩さずにリズミカルに!
面白いやら、関心するやらで思わず笑みがこぼれます。

娘の道案内でそれらしきビルに辿り着きました。
しかし、ビルの入り口は見事に階段でした。
「え?ここ?」
「車いす大丈夫って言ってたんだけど」
「他に入り口ないのかな」
まさかの事態にあたりをうろうろするも他に入り口らしき場所は見当たりません。
連絡先に電話をしても通じません。
メッセージを送っても反応なしです。

「帰ろうか」あきらめかけていたら
娘が「ちょっと待ってて、行ってくる」と1人で中へ入っていきました。
すっかり頼りになる付添人に成長したなあとうれしく感じた瞬間でした。

驚いたのは、娘を待っている間のことです。
ビルの入り口の階段の下に車椅子で1人でいると、通りかかるほとんど全員の方から声をかけられたことです。
「大丈夫ですか」
「お手伝いしましょうか」
「中に入られますか」
「持ち上げましょうか」
その度に
「今呼びに行っているので大丈夫です」
「ありがとうございます」
とお答えしましたが、せっかく親切に声をかけてくださったのですから、
持ち上げて頂いちゃえばよかったなと、あとから思いました。

しばらくして、娘と一緒にリアル「出版界のおやっさん」が何人かで迎えに来てくださり重い電動車いすを数人で抱えて階段をあげてくださいました。
「すみません、認識不足で、ご迷惑をお掛けして申し訳ない」とひたすら謝られてしまい、
「こちらこそ確認不足ですみません」ペコペコ合戦になってしまいました。

セミナーはやっぱりチンプンカンプン一休さんでしたが、
また一つ新しい世界が開けた貴重な経験ができたので
思い切って挑戦してよかったと思います。

セミナーよりも歌舞伎町にワクワクしてしまった
車椅子おばあちゃんでした。

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