車椅子おばあちゃんのひとり旅?その14
小田和正2018年♪ENCORE!!♪朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター
「おはようございます」
翌朝、朝食会場になっているレストランへ行くとスタッフの方々が笑顔で挨拶をされながら忙しそうに働いていらっしゃいました。
私が車椅子で近づくと1人の女性スタッフが近づいてこられ、
「おはようございます。ご朝食ですか?こちらへどうぞ」と椅子をどかしてくださいます。
「ありがとうございます」
バイキング形式だったので、「お手伝いお願いできますか?」というと「はい、もちろんです」と一緒にお料理を選びながら、
「やっぱりご飯ですよね」美味しそうな白飯とのどぐろの干物などを次々とお盆に乗せていただきました。
ご飯、のどぐろ美味しかったです!1人でゆっくり味わいました。ごちそうさまでした、感謝です。
荷物をまとめ、フロントに連絡をし自宅宛てに発送をお願いしました。
駅までタクシーを呼んでいただき、さあ、出発です。
心配していた台風の影響はあまりなく、残念ながら無事に帰れそうです。
「お車のご用意ができました」
ホテルの玄関へ行くと、なんと車いすのまま乗れるタクシーが横付けされて、スタンバイしています。
特に何もお願いしていなかったのですが、ホテル側が配慮してくださっていました。
感謝です。
駅に到着、車いすでゆっくり降りられる場所で降ろしていただきました。
とても優しい、実直そうな運転手さん。一緒にお写真に収まってくださいました。
「ありがとうございました」
お礼を言って、お別れをして、新幹線に乗り込みます。
ところが、ここはどこ?私は誰?状態です。
それでなくても方向音痴の私です。
新幹線乗り場はどこ?
途方に暮れています。
とりあえず中へ、横にスロープの通路があったのでのぼります。
まだ朝で元気があり、上り坂をクリア出来ました。
案内板を見て進んで行くとありゃー、階段です。
エレベーターを探してうろうろ。
わからないので、お店の方に聞いてみました。
「すみません、新幹線乗り場はどこでしょうか?」
「えっと、ちょっとお待ちください」
アルバイトの方なのか、あまりよくわからないようで、奥に行ってしまいました
「この階段から行けばすぐなんですが、今駅の中工事をしていて車いすで行くにはぁ・・・」
そういいながら説明をしてくださいました。
「はい、はい、」頷きながら聞いていましたが、憶えられません、方向音痴なのです。
仕方がないので、最初の方だけ確認して、とりあえず言われたとおりに行ってみました。
「と、遠い」
さらに工事中で足場が悪い。車いす漕ぎずらい。そのうえスロープだらけ。
下りはいいけれど、いくらなだらかな上り坂でも長距離はきつい。
今なら電動車いすだから、スイスイだけれど、この時は自分でこぐ自走式の車椅子です。
「もう無理」と心の中で泣きながら、でも平気な顔を装ってのろのろと坂を上って行く車いすおばあちゃんでした。
新幹線乗り場はどこですか~?