USMLE STEP2CK受験録

STEP1の合格から10か月の時を経て、2024年9月にSTEP2CK(以下CK)を受験しましたのでこちらにもTIPSを綴っておきます。
試験当日の流れや諸注意などは、お手数ですが以前の記事をご覧いただけますと幸いです。

自分のscoreは241でした。残念ながら全体の平均の249には遠く及ばない結果でしたが、passportとしてのIMGの最低ラインと言われている240はギリクリアできました。これに関しては、模試でも概ね240前後のscoreでしたので、同程度の結果でと受け止めています。下にも書きますが、もう少し準備期間を設けていたとしても、上積みは難しかったと思います。
 
・勉強スケジュールに関して
STEP1を1年半くらいの準備期間を経て2023年11月に受験しました。その後12月~2024年1月までは大学院の卒論の仕上げがあったため、そちらを優先。2-3月にかけては3編の論文投稿準備があったため、CKにむけ本格的に勉強を再開したのは4月からでした。
7月にUWorld(以下UW)50%解き終わり、UW Self Assessment(以下UWSA)1を受験: 240。
8月にUW100%解き終わり、UWSA2を受験: 240。
試験2週間前にUWSA3受験: 236。
1週間前にNBME Form14を受験: 227。
経時的にscoreが下がっており心配になりましたが、NBMEはscoreが低めに出るとのことでしたので、意識しないようにしました。
 
・使用教材に関して
多くの人が述べているように、STEP1のFirst Aid (以下FA)は素晴らしい教材であり、STEP1受験の際には多用しました。しかしCKのFAは残念ながらこの水準には到達しておらず、誤字、誤植がとても目立ちました(おそらくきちんと校正していないだろうというレベル)。このため、複数の教材をまたいで使用することになり、STEP1の時よりも集学的な勉強は難しいと感じました。
自分が使用した教材は、
・CKのFA
・STEP1のFA
・UW
・Blueprints OBSTETRICS & GYNECOLOGY
・BRS Behavioral science
・AMBOSS
基本的にはSTEP1同様、UWを解き解説を読んで、領域の知識をインプットする、の繰り返しでした。CKのFAは上記で述べた問題点は多いのですが、そうは言ってもこれの代わりとなる教材もなく、使用しました。
STEP1のFAはCKのFAでカバーされない部分(行動科学、細菌学、統計領域など)について活用しました。神経・精神科領域はSTEP1のFAの方がよくまとめられていると感じました。CKのFAに載っていない疾患(Whipple病、Bartter症候群など)も意外に多く、STEP1のFAを参照することも多々ありました。領域ごとに行き来しながら勉強を進めていく感じになると思います。
Blueprints~、BRS~はUSMLE GOで言及されていたので活用しました。幸いどちらの書籍も古本で安価で販売していたため購入できたのですが、結果的には足しにはなるがなくても困らない、という感じでした。
AMBOSSについては、日本以外のIMGの知り合いが使用していたこと、また下記の出題様式の変更騒動があったこと、模試の結果が伸び悩んでいたことなどから試験1か月前に始めました。当初から全ての問題を解くつもりはなく、不得手な分野のみを集中して解くことができるとのことだったのですが、これは個人的にはヒットでした。結果的に問題様式はUWよりも本番に近い印象がありました。難易度が分かるので、捨て問かどうかも判断可能なところも良かったと思います。解説もUWよりも充実しており、リンク機能なども備えていることから、UWではなく当初からAMBOSSにすればよかったと少し後悔しました。
 
 ・様式変更騒動について
避けて通れない話題としては、 日本人IMGのバイブル「USMLE GO」の記事による、2024年8月に出題形式の変更の件です。

こちらの記事によると、懸念点として挙がっているのは、
・出題様式の変更
・問題文の長文化
・難化傾向
ですが、順に感想をしたためていきます。
 
 ・出題様式の変更について
正直自分の感想としては、UWやAMBOSSと比較して雰囲気が大きく異なるという感じは受けませんでした。確かにSTEP1で見られたような単純な知識問題の出題は少なかったのですが、面食らうような問題が多かったかと問われても、そこまでではなかったと言えます。相変わらず分野の偏りは多いと感じました。医療倫理分野の出題が目立ちました(体感では1/4くらいはあったのではないかと感じました)。一方で全く出題されなかった分野もありました。これは試験ではあるあるだと思いますが。
 
・問題文の長文化
確かに全体的に長文であったとは思います。実際にSTEP1では各ブロックで5-6分余ったものでしたが、CKでは時間切れこそなかったものの、もう少し余裕があればよく吟味できたと感じるブロックはいくつかありました。しかしそもそもCKは長文であり時間との勝負と言われていたので、ある程度織り込まれており、ことのほか焦りは生じませんでした。

・難易度について
全体的に問題は可もなく不可もなく普通と感じました。体感としては、UWやAMBOSSと同程度かわずかに簡単なレベルだと思います。普段これらの問題集を使って勉強していればある程度の点数は取れると思います。
一方で模試でもそうだったのですが、手ごたえと正答率が一致しないのがCKの最大の特徴だと思います。われわれの学年(PGY10)くらいになると、専門医試験などで試験も受け慣れているので、手ごたえと点数がある程度リンクするのですが、CKでは自信をもって選んだ選択肢が×だったということは珍しくなく、体感での手ごたえよりもおそらく1割くらいは低い点数になると思います。
多くの受験者が言うように、倫理系の問題は対策のしづらさもあり、正答するのが難しい分野でした。実際に返却されたスコアレポートでも医療倫理分野の正答率はは平均を下回っていました。かといって時間をかけてもscoreの上昇は期待できないと薄々感じていたので、結果的に受験のタイミングとしては妥当だったと思います。
 
 ・休憩について
STEP1と同じで休憩時間は全部で1時間(チュートリアルを飛ばした場合。自分はヘッドホンテストのみ試したので、休憩時間は59分でした)、ただしブロック数は1つ増えるので、STEP1の時よりも休憩時間のマネジメントはタイトになるということです。単純計算でも59[分]÷7[ブロック間休憩]=8.4[分]の時間しかなく、例によって身体検査が2分弱必要ですので、5-6分の休憩しか取れないことになりました。STEP1の経験から、休憩時にはトイレ・栄養補給のみに専念しました。
 
その他
・STEP2CKを受けているのは自分だけだった。
・NBMEと全く同じ問題が1問出題されました。
 
STEP1で8時間の試験をこなした経験がるので、9時間の試験を受けること自体にはそれほど不安はありませんでした。終わってみると、本当に8ブロックをこなしたのか記憶がないのですが、これ以上なく集中していたのかもしれません。
 
まとめ
準備期間はそれほど長くなくてもよい
様式は概ね変わらない





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