Mリーグ2022 開幕初日は最高の出来だった
ついにMリーグ2022が開幕しました。(ちなみに「Mリーグ2022-23」と毎回丁寧に書くのはやめました。横に伸びて読みづらいですし。)
このnoteはもともと「変わりつつあるMリーグという番組の役割」というタイトルで、開幕初日に起きたことを振り返りながら2018年と今で変わってきたことなどを巨視的にまとめるかたちで書き進めていました。しかし、そんな大きなテーマは私の手には負えず、思うようにまとまらず、そうこうしているうちにけんぼーさんや福地先生が開幕初日の対局について面白いnoteを書いて先を越されてしまいました。
さらには新たな批判noterまで現れ、しかしその書き方や内容についてどうなのか?など議論まで始まってしまう始末。完全に置いて行かれてしまいました。
その間わたしはnoteは書いて消してを繰り返ししている最中、石橋さんが観戦記を有料noteとして投稿したことがなんかとても引っ掛かかってしまいました。「有料にすれば十万ちょいくらい?の利益には確かになるだろうけど、今は全員が読めるようにして、文章の面白さや打牌意図を読みとる能力で魅せてファンを作るほうが得策じゃないの?」という趣旨の内容を真正面からぶつけてみました。しかし私の書き方が悪くて、「乞食!」「余計なお世話!」と多くの批判を浴びておりました。
Twitterのわずか140文字では解釈が人によって幅があるから繊細な内容ほど書き方に気をつけないと伝わらないこと、そして少量でも無料有料みたいな金銭が絡む事案は受け取り方の差が激しくて物議を醸しやすいこと、これらはすべて安斎プロがタクシー30円事件で身をもって教えてくれたのに…全く学んでいない筆者でした。。
私の投稿で不快に思われた方は大変申し訳ありません。当該ツイートは削除済みです。
そうこうしていてnoteがまとまらなかったため、1つめの記事をぶっ壊して、前半にはもともと書きたかった昔のMリーグと今の違いについて初戦を観ていて感じたことを書き、後半には初日と二日めの所感を書いたのが本記事です。
開幕初日の所感
開幕初日の対局はどうでしたか?
私はさまざまな意味でめちゃくちゃ良かったと思いました。開幕としては最高に盛り上がった一日になったのではないでしょうか。
番組の役割が変わってきているMリーグ
私が開幕戦を見て思ったこと。Mリーグって開幕当初の2018年と比べて、「番組の役割」が大きく変わってきているなと思いました。当時に比べて番組規模が桁違いに大きくなってきているので、そりゃあそうなんですよね。開幕当初と2022シーズンで異なる点は、
・視聴者数が大幅増加した
・ライト層の視聴者割合が増えた
・5年目に突入した
・ドラマ性が重視される規定が追加された
・Mリーガー全体のレベルが当時より上がった
この辺りだですね。当時の視聴者はもとから麻雀プロとか団体に詳しい、限られた玄人たちしかいなかったと思います。当時の状況は「0から1へ」これまでとは違う新しいコンテンツを作り出すために「基本」を作り、見せることに重きを置いていたと思います。つまり打牌選択の正確さとか、プロのレベルとかそういったことに注目されていました。しかし「最高の舞台」と銘打ってやるには、初期の頃はあまりにアレな打牌が多かったです。一部の選手ですが、明らかに損な選択をする場面が今よりもずっと多かったし、さらに視聴者も玄人の割合が多かったこともあって、「プロなのにこの打牌が云々」みたいな話が特に多かったのが2018、2019だったように思います。
その当時と比較すると、視聴者数や世間への浸透度を考えるといまは1が10くらいまで波及しているのではないかと思います。ちなみに開幕戦の視聴者数は2018年が55万人、2022年が150万人だそうで、単純に数字的には3倍なのですが、総合的な普及度合いで考えたら10倍くらいと考えてよいのではないかと思います。
今やっているMリーグは初期とは全く違う、麻雀をほとんどやったことがないようなファン層も獲得して急激に規模が拡大しており、今や「10を100」とか「100を1000」にしていく番組になってきていると思います。その変化として開幕戦でも分かりやすい変化があったのがリーチ牌や役の表示ですね。ライト層の視聴者数を獲得することに重きが置かれていることがよくわかります。
番組の構造としてもクビルールに見られるような選手自体にフォーカスする場面やドラマ性やエンディングムービーみたいな演出を強化した要素も増えました。これまでの対局放送とは全く違う側面を打ち出していますよね。
真剣勝負をやっているのだけど、その中で「盛り上がるシーン」とか、「感動するシーン」が最近は特に求められているようになってきているように思いました。これはなかなか難しい注文ですが。
Mリーグは何のためにやっているのか?
Mリーグって「本当に強いヤツを決める戦い!」みたいな主旨ではやっていないですよね。純粋に強さだけを競い合うならこの32人では無いですし。
では何のためにやっているのか?それはもちろん麻雀業界を普及させるため、麻雀の楽しさを広げるため、麻雀のファンを増やすためですよね。麻雀が強いのがプロなのではなく、楽しませることができるのがプロ・応援してもらえるのがプロ(※もちろん強い)というのは本当にその通りだなと思います。
Mリーグでこういう側面が年々強くなっているように思います。もちろんチームとして個人として真剣勝負はしているのですが、そもそもの番組としての「盛り上がり」や「成功」はチームの勝敗とは別として、選手達全員が番組を作り上げていくいう意識が以前よりも強くなっているように思います。全員でやっているショーみたいな見方ですね。
要するにこの番組の役割は、ライト層が見て「めちゃめちゃ面白かった」「感動した」「ファンになった」「麻雀始めてみたくなった」と思ってくれることがもはや一番大事のような気がしています。もちろんその後継続してみてもらうこともです。麻雀とMリーグのファンが増えて波及していくごとに、年々これが大事になっていっている印象があります。
初日は最高の出来
前置きが長くなってしまいました。私は前述のような番組全体の成り立ちとか、ライト層から観たらどうだろう?といった視点で観てしまうところがあるのですが、その視点からしたら開幕戦はどうだったのか?というと、この上ないくらい成功だったんじゃないかと思いました。
一番わかりやすいシーンはもちろん伊達さんの四暗刻です。私は正直寿人さんの6000オールの時点でも充分面白さを伝えられているのではないかと思っていたのですが、それを超えてくるとは思いませんでした。
開幕初日は「麻雀のルールは分からないけど麻雀にちょっと興味があって、なんか聞いたことあるし盛り上がっているからMリーグを開幕戦だけでも観てみようかな」こんな感じで観ていたライト層の人も結構いたんじゃないかなと思います。もし私がその一人だったとしたら、開幕戦を見てめちゃくちゃ麻雀にハマってしまう自信がありますね。
私が麻雀に興味を持ったのは、中学生の時に週刊少年マガジンで連載していた「勝負師伝説哲也」を読んだことがきっかけでした。(奇しくも堀さんと同じです。笑) ほとんどはじめの一歩を読む目的で私のジャンプと友達のマガジンを毎週交換して読むということを始めたばかりの時にこの漫画を知り、その時にやっていた箱根編(23巻の内容)がとても面白かったので麻雀に興味を持ち始め、その後同級生の家で麻雀をやってみるようになりました。
私ですら麻雀にハマったきっかけをこれだけ覚えているのですから、この先、「Mリーグ2022の開幕初日を見たら面白かったので、麻雀にハマった」「伊達さんの四暗刻がかっこよくてファンになって、麻雀覚えてみようと思った」こういう人に今後いっぱい出会えるのではないかと思います。何年かしたら「Mリーグ2022の開幕戦での伊達さんの役満を見て麻雀にハマってプロになりました」という人が現われても全く不思議ではありませんよね。
視聴者にこのような一定の上限を飛び越えた衝撃や感動を与えられたのではないかと思ったので、開幕戦は大成功ではないかと思いました。番組の価値が高いです。
もちろん衝撃や感動を与えた場面は伊達さんの四暗刻だけではなくて、ハギーの四暗刻テンパイに2枚切れカン5P待ちで追っかけ立直して赤5P一発ツモ6000オールを決めた寿人さんの姿も相当すごかったですよね。人によってはこちらのほうが衝撃だと感じた人もいたのではないでしょうか。
私は「寿人さんも伊達さんもプロだわ」と心底思いました。一定のラインを飛び越えた楽しさ・感動・衝撃をあんなガチガチにルールが決まっているゲームの中でできるのですからね。先に書いた「楽しませることができる」「応援してもらえる」に合致しています。
なんかほんともう感服しましたね。面白い麻雀やっているのはKONAMIじゃん。って思いました。私がMリーグの運営だったら開幕戦にKONAMIは毎年入れたいとか、それくらいまで思いました。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?