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花すみれ日記 2/23
令和 6 / 2 / 23 (金曜日)
天気 曇時々雪 気温 1 ~ 3 ℃
今日は、家人は仕事なので、孫と主人と三人で留守番。
なので、パジャマで過ごすのは、ご法度なのです。着替えをすると、あれこれと家事をしてしまいます。
長年身に付いた癖と申しましょうか、女の性なのですね。
一通り掃除を済ませると、此のままでは、ずっと動き回ってしまうと自分を戒めました。
仕事柄、汚れた所を見付けると、ついつい掃除をしてしまいます。
若い頃は、余程汚れない限り、掃除はしませんでした。掃除を職業にすると、常にどうしたら早く簡単に効率よく仕事をするか考えます。
その結果、あんなにストレスがあった掃除が、好きになってしまいました。掃除=工夫=知恵を必要とします。こんなに掃除に頭を使うとは、夢にも思っていませんでした。
今までの掃除に対しての見方が変わりました。
それと平行して、空間における美の追究のライフワークも研究しています。美しい環境が人の心を豊かにし、性格や感情にどのように作用するか研究しています。空間の美は、ストレス解消にも繋がります。
今、派遣されている所は、機械製造の工場です。
実は、私には予知夢というものがあり、この工場に来る前に、薄汚れた蜘蛛の巣だらけの一角を夢に見たのです。予知夢は断片的な映像なのです。
初めて工場の掃除をした時、全く同じ薄汚れた蜘蛛の巣だらけの一角がありました。前任の人によると、其処は掃除をしなくても良いとの事。
悪霊でもいるような不気味な空気が漂っていました。
ああ!ここだ。あの夢は此所だった。と、直感しました。
私のライフワークにもってこいではないか。それから、みるみる内に工場は、綺麗になります。それは、私一人の力ではありません。最初は私の掃除から始まりましたが、皆の意識が変化したのでした。意識改革です。
整理整頓、安全対策。掃除の仕事には、安全報告も含まれます。何故なら、私達は常に変化を感じ取るアンテナを鍛えているからです。それが、掃除の仕事なのでした。これは、先輩から厳しく仕込まれました。
例えば、
「林さん、あそこの汚れが見えなかったの?」
「林さん、掃除道具を置き忘れていたよ。」
「不具合を見つけたら直ぐ報告。」
物の置場所も所定の位置に戻さなくてはなりません。記憶力が必要なのです。
間違い探しのようですね。探偵になった気分を味わえます。記憶力は、必須です。どこに、何が足りないか、補充しなければなりませんから。
作業の流れを把握して、そのついでに補充しないと、無駄な時間が発生してしまいます。一筆書きのように作業順路をA地点からB地点へと移動するように考えます。後戻りをしないように。
掃除において、時間が無いという事が一番の悩みです。優先順位を決めます。突発的な作業も発生します。
私は、この仕事に就く前は、掃除をする人をゆっくり掃除しているように見えていました。楽な仕事と思っていました。が、それは、常に冷静に落ち着いて作業をしないと、事故やトラブル、無駄な時間を作ってしまうからです。
頭の中は、常に信号が各細胞に送られます。科学的な考察も含まれます。
洗浄の仕方によって製品を傷付けてしまうからです。
私は、そういう感覚が好きなんです。単純ではないから。季節によっても掃除の作業は変わります。新鮮な発想と発見があるので、飽きる事はありません。
この仕事に就いて、彼是10年になろうとしています。体の筋肉と頭の筋肉を日々更新して、末長く働きたいと思っているのです。目標は、80歳現役です。
まだまだ、十年以上もありますが、目標は高い方がいいと申しますから。
高齢化時代を乗り切る団塊育ちの私達が、日本の未来を担っていると言っても、過言ではないと思うのです。
いざ、いざ、歳を取っても金の卵は金の卵、腐っている場合ではありません。
─『掃除の勧め』より─
著者; 林 花埜
注意、まだ書籍化はされていません。
それでは、今日の一句です。
淡雪や落ちれば水とすみにけり
─ 林 花埜 ─