12 日本シリーズ第四戦
さて、我々キンタマジャイアンツとキンタマファイターズの日本シリーズは、3対0と我々の三連勝。
日本一まで王手をかけている。
移動日をはさみ、今日は敵地、ファイターズの“キャンタマドーム”での試合である。
ここで決めてしまいたいところである。
現在9回の裏。我々キンタマジャイアンツの攻撃。
稀に見る、ではなかった今大会おなじみの投手戦が繰り広げられ、現在0対0の同点。
両チームが全くバットを振らないのも毎度おなじみである。
ツーアウト満塁で一打逆転のチャンスである。ちなみに満塁になったのはフォアボールのせいである。
しかし、一発逆転のチャンスなのは、それは向こうとて同じである。
相手チームのキャッチャーが、胸をさすって、何やら深呼吸している。
俺はピンときた。
やるつもりだな?
俺は出来るだけ、身を乗り出し、すぐに走っていける体制を整えた。
キンタマに本当に当たった上での失点なら仕方ない。
しかし、演技で一点を入れられてはたまったもんじゃない。ルール改訂はされたが、その施行はあくまで来期のペナントレースである。
審判は、キンタマの腫れの確認をしてはくれないのだ。
上がやらねえなら、この俺がやる!!
俺は、身構えた。
向こうのピッチャーの斎藤が振りかぶる。
同時に俺はダッシュしてキャッチャーのところに駆け寄る!!
キャッチャーのキンタマ周辺に!ボールが直撃した!!痛がるキャッチャー!!
と、どよめく敵地キャンタマドーム!!
待て!まだ試合は終わってはいないぞ!
俺はキャッチャーのズボンとパンツをずり下ろした!!
……判定は、どうだ!……
凄まじく腫れ上がっていた!!
審判が俺に言う。
アウトーッ!!
ゲームセットである。
日本シリーズ第四戦は、キンタマファイターズの勝ち。
これで勝負は、3対1。
まだ星勘定ではリードしているが、ここは敵地である。
嫌な予感が漂う。
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