ずっと 呼ばれてる気がしてた
ずっと呼ばれてる気がして
行ってきた。
お墓参り。
お墓をきれいにして、今年1年無事に過ごせたことを感謝して。
また来年もよろしくお願いします。お伝えしてきた。
わたしは、小さいころに父を亡くしており、
その父が入っているお墓だ。
私の小学校卒業をみてもらうこともなく、
成人式をみてもらうこともなく、
結婚や出産をみてもらうこともなく、
逝ってしまった父。
その彼の年齢をもうすぐ超えることになると思うと、
親が体験していないゾーンに入る心境や、いかに。
すごく不思議な気分で、もちろん不安もある。
父と大人になって話してみたかった。お酒を飲みたかった。
人生の岐路に立たされた時、どちらに進むのか、相談したかった。
娘はやらん!あかん!と、結婚のとき、お決まり文句を言ってほしかった。
子どもの顔も見てほしかった。
いろんな したかった 思いを抱えながら
いまも生きている。
でも、子どもが生まれて、
なんとなく 彼の気持ちが想像できるようになった気がする。
たくさんの愛をもらっていたんだな、大切にしてもらってたんだな。
たいせつなもの、ぜんぶもらってたんだな。
お墓を掃除する父の後ろ姿を今も覚えてる。夏の暑い日。
ちゃんときれいに掃除したらんと あかんねんで。
そういって父は 汗を流しながら丁寧に掃除をし 手を合わせていた。
同じ姿を 子どもにも 見せられるかな。
背中、ちゃんと見せられるかな。
ちゃんと生きざまは 受け取ったよ お父さん。
どうもありがとう。