ゴーストフィクサーズ18話考察
♯18 二重思考(ダブルシンク)
今回は最新18話で明らかになった新事実とこれまでに判明している事実を結びつけて私なりに考察していきたいと思います。
・当時の呼び方は「怪異」と「捜査官」
18話冒頭で雨宮博士と斑鳩は校正機構発足前からの付き合いだったと語られます。そこで「怪異」と「捜査官」2つの呼び名が出てきます。話の流れ的にどちらも斑鳩を指すものと初めは思ったのですが、文章の流れから見て当時の雨宮博士と斑鳩がお互いを呼ぶ時の呼び名を指しているのではないかと考えました。
そうなるともちろん斑鳩が「怪異」だと思うのですが、斑鳩はこの頃、幽霊から手がかりを聞き、迷宮入りした障例をいくつも解決し業界1位の実績を上げています。まるで警察の「捜査官」のようではないでしょうか。これを踏まえると斑鳩が「捜査官」と呼ばれていてもおかしくありません。
ちなみに2人の職業名は「校正官」であるため、「捜査官」はあだ名のようなものだと思われます。
そうなると「怪異」と呼ばれていたのは雨宮博士の方かもしれません。
※怪異…ありえない現象、または化け物。
・「確かにこりゃ私でもすり抜けられないな」
最果のプライマリはまだ明かされていませんが
おそらく【霊体化】のようなものと考えられます。
16話で斑鳩が霊体は物体も時間もすり抜けられると言っていたことから、最果がプライマリを使えば石牢をすり抜けることも可能でしょう。
しかし石牢の室内は鬼子母さんのセカンダリ【テレスコープ】によってシス値が10に保たれています。
これにより室内ではプライマリやセカンダリの改変能力が使えません。
それに加え牢の材質は完全剛体。どんな力を加えても変形しない物体です。
どんなに強い能力を持っていたとしてもそれを強制的に封じられるため生身の肉体で石牢を脱獄するのは不可能でしょう。
テレスコープの改変力を上回りマウントが取れれば能力を使えるかもしれませんが、シス値10というのは三大奇跡のシス値-10の反対に位置する数であることからとてつもなく強力だとわかります。
・「そこにいるな」
斑鳩はプライマリが使えない状態にも関わらずモニタールームから見られていることに気づきます。
15話にて両目失明している斑鳩は霊魂の形が見えていました。
おそらく石牢の斑鳩も霊魂の気配を察したのではないかと推察します。
ただしプライマリは使えないため、失明した目がキーワードではないでしょうか。
不如帰の中身を見ると失明する。しかし、その対価に別の力を得ると言ったこともあるかもしれません。
「そこにいるな」と言う直前のコマ、失明した左目で見ているように見えます。
・「おまえにはわたさない」
斑鳩が卵は必ず孵ると断言した後、おそらくモニタールームで見ている4人の誰かに向けて放った言葉。
ひふみ、最果、雨宮、鬼子母は4人とも校正機構側の人間です。
11話より卵は現在、厳重な管理下にあることが雨宮博士により説明されています。
つまり卵は校正機構が保有しているわけですから
4人の中に卵を奪おうとしている人物がいると解釈できます。
これは誰に対して言ったものなのか。
現時点でははっきりと分かりませんが、
雨宮博士に対して言ったのではないかと予想します。
博士と斑鳩は旧知の仲でありながらも何か因縁があるようですし、そこにいるなと言われた時も「鬼子母さん?」と少し焦っているように見えます。
その後、斑鳩がテレスコープで流れている映像の説明や毎日毎日7年間これを見てると話していますが、テレスコープがセカンダリでかつ石牢の管理主任である鬼子母さんに映像の説明や毎日毎日これを見てるなんてわざわざ言わないでしょう。
もともと仕事のコンビだった博士に当てつけのように言っているようにも聞こえます。
・2人の斑鳩
石牢で捕まっている斑鳩はDNA鑑定などの検査で本人と証明されているためこちらがオリジナルで間違いないでしょう。
では最果と戦った斑鳩は何者なのか。
こちらの斑鳩は両目を失明しています。
これは恐らく不如帰の中身を再度見たことによる失明だと考えられます。
となると石牢で捕まっている斑鳩より未来の斑鳩と言うことになります。
番外編3の異常報告書にシス値-10.8を計測した事案が出てきますが、この窪みは三大奇跡の時間旅行によって斑鳩が未来からやって来た痕跡だと考えることもできます。半円状の窪みはターミネーターのように時空の歪みが出現したものではないでしょうか。
いかかだったでしょうか。
今回の話も情報量が多く、次の話に繋がる重要な内容も多かったと思われます。
まさにタイトル通り「二重思考」が至る所に散りばめられていて改めて作者の田中靖規先生は天才だと感じました。
それでは今回は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。