少年スポーツで勝利主義の違和感(2024/07/16)
現在、小5の息子がスポ少のミニバスを始めて3年経ちました。3年所属していると、卒部の6年生とは別に、途中で退部していく子も何人も見てきました。
我が家の息子は小2のときに、何も詳しいことは知らないまま気軽に入ってしまったのですが(逆に「知らなかったから入れた」、というのもある)、入部した後に、部内の先輩保護者から
「体力づくりが目的だったり、他の習い事の掛け持ちで安易な気持ちで入らないでほしい。たまに練習に来るぐらいだと、学年が上がるにつれて他の子についていけなくなり、最終的に苦しむことになるのは本人。」
といった趣旨の話をされ、目玉が飛び出そうになりました。
そんな説明、うちが入るときには言われていませんでした。
まぁその他にも、この3年間には色んなことが山ほどあり、理不尽なことや納得いかない思いで腹を立てたことも数え切れません。
それでも、うちの場合は子ども本人がやる気があって頑張っており、週に4回ほどの練習もほぼ休まず参加しているため、親としても何とか歯を食いしばってサポートしている状態です。
ちなみにですが、我が子のチームは決して強豪チームではありません。ここで問題となるのが「チームの方針」です。
もともと「自他ともに認める強豪チーム・勝利至上主義チーム」であれば、入部のときにもそのような心構えで来てもらうよう案内していると思いますし、それに合わなければ退部も致し方ない・・・という流れかと思います。
我が子のチーム、特にそういった目標を掲げているわけでもなく、実際にそこまでの実績も残していません。なので、正直なところ、運動が苦手なタイプの子も入ってきていて、頑張って練習に来ている子もいます。しかし、ここ数年、指導者を筆頭に「勝利を目指そう」という雰囲気が色濃くなってきています。
チームによっては、「試合に出て勝利を目指したい子」と「試合に出れなくてもバスケを練習したい子」の2チーム制を取っているところもありますが、我が子のチームはそうではありません。
つまり、現状、いわゆる運動が苦手なタイプの子も、全員が試合に出ることを目指して競争を強いられている状況です。
あたりまえですが、全員が同じ熱量を持ってミニバスに取り組んでいるわけではないので、うちの子みたいに休まずバスケの練習に明け暮れている子も居れば、他の習い事や予定を優先してバスケの練習の参加頻度が低い子もいます。
何を優先するかは人それぞれですから、別に他の習い事してバスケもしても良いとは思いますが、そういったお子さんは、やはり学年が上がるにつれて、体力が他の子に追い付かなくなったり、チームの練習や雰囲気に付いていけなくなってきます。ここで、冒頭部の先輩保護者さんの発言につながります。
バスケット(ミニバス含む)が、勝敗が付く競技である以上、勝ったほうが楽しいですし、勝ちを目指して練習してくというのは当然なのかもしれません。義務教育とは違い、任意参加である地域のミニバスチームの活動での話ですから、そういった「勝利とか競争にこだわる活動には同意できない」というのであれば、参加しなければいいだけなので、別に勝利にこだわって活動したって良いのかもしれません。
ただ、現状で、練習に真面目に参加しているけども(身体能力の問題で)なかなか試合の出場機会に恵まれない子や、他の習い事と掛け持ちして練習に休みがちな子が居心地の悪い環境であることも事実です。
こういったいわゆるスポ少は保護者の負担が非常に大きいため、近年の共働き世帯増加の時代においては敬遠されがちですし、少子化で子供そのものが減っているわけですから、あんまり細かい要求すると誰も入って来なくなり廃部だって近い将来に現実的になると思っています。
私自身は、子供の頃に運動が苦手という自覚があり、自己否定感もかなり強かったため、そもそも運動に挑戦しようとすらしていませんでした。また、中学高校は当然ながら非運動部だったわけですが、運動経験が全くなかった私は「レギュラーになれない人は運動部に所属する意味って何なんだろう?」とすら思っていました。
社会人になって、運動経験というのは、何もレギュラーを取って試合に出れなかったとしても、とても人生に価値あるものをもたらすのだということを理解しました。自分の過去を少し後悔したとともに、我が子を含め、これからの将来がある世代の人には、仮にレギュラーになれなくても試合に勝てなくても、運動経験は価値あるものだからやってほしいと思ってしまっています。
「自分が出来なかったことを人に押し付ける老害パターン」と言われれば、それもそうかもしれません。。
話がうまくまとまりませんでしたが、これまで数年間 地道に練習してきた子が、居心地が悪くなるような雰囲気となって退部せざるを得ない状況に追い込まれるチーム環境に、いささか疑問を感じたので執筆してみました。