ネタ帳:なろう世界の治療について(糖尿病)
私はなんちゃって医療、なんちゃって治療で描写済ませているけど
なろうじゃないけど、すげーなと思ったのは「JIN」でした。細菌の概念がない江戸でペニシリンをよく作ろうとしたなと。
物語内の治療描写はなんちゃってで済ませています。
ここである治療をなろう小説に組み込むとしたらどうするか。
それは糖尿病。
糖尿病の治療薬をするとなれば基本は食事・運動療法です。
ただ、気を付けなければならないと段階によってはタンパク質も調節しなければならないし、重い運動自体は今はやめとけという時期があります。
それは合併症がどの程度進んだか、によります。
そして合併症には急性期と慢性期があります。
急性期で代表的なのはシックデイ、ケトアシドーシスです。この状態に至ると点滴とインスリン注射が必要になってくるので食事療法だけでは立ちいきません。あと運動とかできません。
慢性期に関しては、こっちの方が有名です。慢性期はじんわりと続いて発生したもの。
この慢性期合併症には大きくわけて2つ。小さい血管合併症、大きい血管合併症があると分けてみてください。
小さい血管合併症で代表的なのは神経、目、腎症です。ここで目と腎臓の経過によっては激しい運動は避けてもらうこと(軽いものを選びましょう)があります。
目は網膜症が代表的。
網膜症てなんやねん。
目の奥の網膜の中にある超ちっさい血管がダメージ受けて、血流が悪くなります。やっべ、通れねぇと思った血は何とか先へ進もうとします。そこでそれる道を作ろうとして瘤ができたり新しい血管(蛇行している)を作り進んでいこうとがんばちゃってしまいます。でも、すごく破けやすいです。破けたら、失明しちゃいます。この状態によっては激しい運動で圧がかかって破けてしまう。だから目の合併症によっては激しい運動は避けましょう。
でも、運動は必要です。軽いものを選択します。
糖尿病と言われた時点で眼科へ行きましょう。というのはこの状態を把握してもらうためです。
ごめん、このあたりは眼科クリニックのホームページを覗いてください。
そして腎症・・については、もうちょっとわかりにくいから腎臓内科のホームページ覗いて。
大きい血管は首、心臓、足です。首の血管詰まれば脳梗塞になりやすい、血管にプラークってごみできるとそこがぷるぷるってなって壊れやすいので脳血管へとんでいきつまる。心臓は心筋梗塞、足は下肢閉塞性動脈硬化症(足の血管つまる)と足壊疽。
小さい血管の方がダメージ受けるの早い。だから大きい血管の合併症が発生した時点で目と腎臓、神経はダメージうけていると考えます。
治療に関して、基本食事・運動療法ですがそれでもうまくいかない場合はインスリン注射、内服薬です。
治療薬の歴史に関しては、インスリン注射が先です。内服はその後で開発されました。
インスリン注射が開発されたのはいつ。
最近インスリン発見100周年という看板をみかけました。
1921年。
発見されたのは1921年。
意外に超最近。
明治後期~大正あたりを最近と言って良いのか・・。
海外でわんちゃんの膵臓から発見されました。その後、豚の膵臓から精製され、インスリン注射100単位(現在の注射製剤は1本300~450単位)を作るのに大量の豚(70頭)の膵臓が必要になりました。山ができるほどの豚の膵臓。日本ではくじらや魚から開発しようとしていたそうです。
お値段も100単位で8円程(大正時代)とめちゃくちゃ高価でした。
その後はめちゃくちゃ優秀な科学者たちの努力の成果で、ヒトインスリンが開発されて(どうやったのかはわからない)現在の注射薬へと進化していきました。
インスリン開発後にいろいろ取り組みがなされ内服薬も開発されました。
内服によっては基本的に元から血糖を下げる能力が残っているのが大前提(自身のインスリン分泌能力と腎臓・肝臓の機能)です。その能力が欠けてしまうと内服薬は扱いづらくなります。
だから注射は嫌だ・内服にしたいという方は、その能力が枯渇する前に血糖を改善させて、治療方針をたてて、一生病気とつきあっていくように訓練する必要があります。
その過程を創作小説でどうするか。
おそらくはヴィクトリア朝あたりの雰囲気、もしくはブルボン朝の雰囲気の異世界に、インスリン注射、内服薬がどんとあるのはありかなしか。
食事・運動療法で何とかしても良いのですが、それでもうまくいかない糖尿病の場合は・・・インスリン注射。
ではそのインスリンはどうするか・・・わんちゃんから膵臓摘出は、めっちゃ犬愛好家に怒られそう。
ドラゴン、もしくは何かの魔物の巨大膵臓から精製するとかどうやろう。
おいおい、ドラゴン、魔物ならいいってなんでや。彼らだって生きているんだぞというのは置いといて(それもダメ?)
魔術師や錬金術師がなんかめちゃくちゃ頑張った。
ひゃっほー、やったぜ。頭良い人が仲間になってくれて助かったぜ。
名前? インスリンでいいのではないの?すっとぼけ。
という異世界転生者のおかげでその世界にはインスリン注射がある。
そんな内容は・・・ありか、なしか。まぁ、ファンタジーだしな(逃げる)
という感じで私の書くなーろっぱにはインスリン注射があります。
でも、そんなことしたら密猟で特定生物が絶滅するかもしれない・・・早くヒトインスリン開発してもらわなきゃ。「ライラ」に出た病気とか竜の涙腺が治療薬だった設定予定でした。困ったときのドラゴンで解決設定にすりゃいいって問題じゃないだろうに。
糖尿病の概念を広報しなければならない。でも、その前にやっぱり生活が豊かにならないと勉強する余裕はないね。まずは政治をきちんとしなきゃね。しかし、その政治がどんな風な流れで書けばいいのかわからない。
ただここで、広報のやり方間違ったら食生活にだらしない人たちがなる病気という差別心を作らせてしまう。
糖尿病の名前を変更しようと今言われているのはこの先入観も関係している。
「1型糖尿病は可哀そうだし、2型糖尿病は自業自得やろ」
SNSではそんな意見が多いです。
実は2型糖尿病も最近は食生活以外の原因があると言われています。(原因がなんであれ、食事療法も大事だけど)
糖尿病になりやすい遺伝、多くのことのストレスも影響。
この差別心に晒されてさらにストレスになり、悪循環になる。
「スティグマ(偏見)」は糖尿病の治療現場では大きな問題として現在注目されています。肥満症の治療においても「スティグマ」は注目されています。
なろう世界においても主人公たちの中には偏見によって苦しめられてきていた子もいたし。糖尿病を物語内に組み込む時、頭の隅に入れて書いていけたらいいなと思いながらも難しくて何とかならないかもしれない。
実は、子供のとき藤原道長=贅沢三昧して糖尿病になったんだろうと思っていました。ごめん、道長。
最近は、ストレスもありえるし年齢によっては膵臓がんになっても不思議ない年齢やなと思いました。野心家だけど、意外に優しい面もあったとか。
私は幸いまだ糖尿病になっていませんが、父親が糖尿病なので10年後はなるやろうなと思っています。父親の影響でざっくり覚えた。でも、曖昧な知識なので、うのみにせず病院の勉強会で確認してください。
あ、「さかえ」(糖尿病協力団体が作成している雑誌、1年1万円)はおすすめです。肥満症の最新知識も記載しております。
あとはアプリで勉強できます。
糖尿病を物語内へ入れたい時はこのアプリで確認しましょう。
書いた後は、過信せず信用性の高い場所への確認を誘導します。
自分の作品で、病気への誤解が出たら嫌なんで。