今から行っていい?と言えること
ドラマや映画などの創作物で、仲の良い友だちから「今から行っていい?」とか、「今から会えない?」とか、連絡が来て、「いいよー。」とか「待ってる。」とか返事をする「定番のこの会話」はフィクションだけではなく現実の世界にもきっとあるんだろうな、よくあることなんだろうな、と思っている。そして私は私にとって全く定番ではない「定番のこの会話」に憧れている。
現実世界でよくあることだろうという勝手な憶測から「定番の」と言ってしまったが、多くの人にとっても私と同じように、日常にはない会話だったりするのだろうか。
ドラマや映画で「定番のこの会話」のシーンを見ると、ふかふかのクッションにフィットしていくみたいな安心感がある。
主人公は仲の良い友だちに「今から行っていい?」と連絡をする。友だちは「いいよー。」と返事する。いいよって返事はしたけれど、本当は嫌で仕方ない。ではなく、大抵は言葉のまま「いいよ」と思っている。その後友だちに会って、食べたり飲んだりしながら悲しかったこと(嬉しかったこと)を聞いてもらって助け合っている。
友だちが一人で居たい、今は会いたくないという時だったら断られるかもしれないのに、「今から」会いに行っていい?と言える関係に憧れているのかもしれない。「今から行っていい?」の前には「もし断られたとしても必要以上に落ち込まない(今会って話したいのに今会って話ができないという状況には落ち込むけれど、拒絶されたとかは思わない)から無理なら言ってね」という言葉が省略されているように思うことがある。それが読み取れた時に、私は安心しているのではないか。
散々「定番のこの会話」に憧れているという話をしてきたが、「定番のこの会話」がない私の日常に満足もしている。リアルに想像すると、疲れてベッドに倒れ込む私が思い浮かぶから。どんなに仲が良くても「い、今?!」となるだろうし、これからやろうと思っていたこととか、今やっていることを中断することとか、さすがにこの服装は人に会う服装ではないかとか、突然予定していなかった出来事がやってくることに頭がわちゃわちゃしそう。憧れているのに、自分がしたい訳ではないんだなぁ。というより、向いていないんだろうなぁ。
先日、縁のないと思っていた「定番のこの会話」が突然やってきた。
そこで何を思ったのか、を近いうちに記録しておきたいと思う。
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