幸運の射止め方(ただし覚悟がいる)
◆はじめに
大金が欲しいとか美女と付き合いたいとか、みんな幸運を願います。僕はもともと、幸運を期待するよりも、努力してそれにふさわしい人間になることを推奨する立場でしたが、最近、転向して、幸運によって、身に余る幸福を得られることも悪くないと考えるようになしました。少々オカルティックな解説になりますが、このコラムで幸運を得る方法を説明します。
◆ビジネスの法則 世の中は等価交換で出来ている。
通常だったら、大金が欲しかったら高い技術をもって責任の重い仕事をやらなければなりません。美女と付き合いたかったら、お金や時間やセンスをかけてそれに見合う容姿を整えなければなりません。本来なら欲しいものがあったら、正当な対価を支払う必要があるわけです。しかし、そんな当然のことを説明しても面白くありません。知りたいのは楽をして大金を得る方法や、平凡な男が美女を射止める方法です。
◆物語の法則 世の中は恩返しで出来ている。
幸福になりたかったら、まず、他人に施しを与えることから始めることです。幸運を欲しがっている自分自身のように、他人からの施しを欲している人間はたくさんいます。必ずしも金品を与える必要はありません。遊び相手に困っている人間、創作のアイディアに悩んでいる人間、仕事の手順に悩んでいる人間、愚痴を聞いてもらいたい人間など、困っている人は様々です。そのなかで自分の得意分野で貢献出来るものを行えばいいのです。
ここで重要なのは、困っている人は、そのことに困っていても、別のことは非常に優秀であるかもしれないことです。友達はいないけど大金持ちだったり、愚痴が止まらないけど交友関係が広く美人の知り合いがいるかもしれません。そういう人間を助けることができたら、お礼になにかしてくれるかもしれません。ただし、お礼を催促するようなことはやめましょう。あくまで相手の自由意志に任せることです。そのため、基本的にはお礼を貰わなくても困らない範囲で他人を助けましょう。
◆ただし、一度出来た縁は簡単に切れない
このように貸し借りが行われることで、その人の間に縁が出来ます。縁が出来た間柄は、困っていたら互いに助け合ったり、何か貰ったらお礼に何か返すなどの互助や返報の法則が働くようになります。縁を結ぶことが出来たならば、その相手は困窮しているあなたをきっと助けてくれるでしょう。しかし、ここで注意しなければならないのは、一度、縁が出来たのなら、相手が困窮したら、あなたの方から相手を助けることをしなければならないことです。
逆を言えば、先にあなたが、他人から施しを受けた場合でも縁が出来てしまうので、その相手がなにか困ったことになったら、あなたはそれを助けにいかなければなりません。よく、知らない人から物を貰ってはいけないと教わりますが、物を貰うというのは、単純にあぶないものを貰ったり関心を引こうとする犯罪的な意味だけでなく、よく知らない人と縁を結んでしまうという霊的な意味もあるのです。
多少理不尽でも、一度縁を結んだ相手に対して、不義理を働いてしまうと、後ろめたい気分になって、自分の運気のようなものが下がります。運気というとオカルティックなのですが、こういう引け目みたいなものが存在すると人間は本来の力を出すことができません。だから、何かのお返しとかでお礼を貰うならいいですが、一方的に物を貰ったりすると、その人に引け目が出来てしまうので、気楽に物を貰うのは推奨しません、一切感謝をしないで『貰ってやってる』くらい開き直れるならいいですが、そうでないなら、小さいものでいいからお返しするか、素直に感謝の言葉を述べましょう。
これを利用すると他人から簡単に運気を吸い取れるようになります。義理堅いけど、理由があって恩が返せない相手に、温情をかけ続けると、相手は申し訳ない気分になって、こちらに非常に気を遣うようになります。それに対して寛大な気持ちで接すると、自分がすごく優しい人間になったような気分になって、心の余裕が広く持てます。ただ、僕はこれを推奨しません。ずっと自分が温情をかける立場でいられるならともかく、自分が困窮して温情をかけられる立場になったとき、逆に相手に運気を吸い取られてしまいます。こういう事態をさけたいのならば、簡単なことでいいから貸し借りを常にイーブンにしておくか、そもそも貸し借りを意識しないルーズな関係でいることをおすすめします。
◆モンスターに気を付けよう
ときどき、こちらの善意に対して、利用してしゃぶりつくそうとするモンスターが出現することがあります。節度を守らない人間に対しては、相手が一方的に悪くて批難したい気持ちは分かりますが、罵られても正当化せず、それ以上は善意を出来ないことを素直に謝って断るようにしましょう。こういう人がいるから善意はするべきでないという人もいますが、こういう人ばかりでもないですし、こういう人が悪い噂を広めようとしても、善意を受けた他の人間は守ってくれると思うので施しをすることには意味があると思います。
◆まとめ、善意の貸し借りをしよう
まとめると、幸運をいとめたかったら、まずは自分の善意を示しましょう。そうすれば、相手も善意を返してくれるかもしれません。注意するのは、本当の掛け値なしの善意を示すのならば、自分の負担にならない、捨ててもいい範囲で善行をすることです。身を切った善意は、相手が喜ぶ確率も高いですが、相手がお礼をしなかった場合に怒りがわいてしまうし、相手にお礼をするようにプレッシャーをかけてしまうので、そういう重い善意はすでに縁のある信用出来る知り合いにのみするか、よく考えて後悔のないように実行するようにしましょう。それでは、みなさん幸運をゲットしてください!