ずっと漂って2
ずっと漂って、150年生きてる少女の話
ずっと漂って1
https://note.com/cute_lilac426/n/nf340df7c6336
それで何かボンヤリしてたらすぐ街並みとか景色が変わってく感覚だ、
きっとそれが人よりとてもとても早い。
早送りの世界に、ポンと放り込まれた気分だ。
こないだまでは、田んぼだと思ってたとこが、もう気がつくと家がいっぱい建っていた。
雑木林で鳥がいっぱい鳴いていたと思っていたとこはコンクリート工場になっていた。
春に竹林の前に植わっている桜の下で過ごすことが好きだった。
素朴で小さな桜だったけど桜に竹の背景というのが、桜の色を引き立たせてとても美しかったのだ。
散る時は花びらが光を通してキラキラ発光するように見えた。
一時期は春に長いことそこでいるという習慣ができてしまってた。
だけどもそこも宅地開発で潰されマンションになってしまった。
あれはもう悲しかった。
街は綺麗になったが複雑な気持ちだ。
あとずっと半分放浪生活のしてたためか生まれ育った場所や様子をすっかり忘れてしまった。
もう一度そこに行ってみたい気持ちもあるけど、もう新しくそこも開発されて原形を留めてないかもしれない。
私のふるさとは、むかしはあったけと今同じ場所に行っても、もうないのだろう。
ちなみにそれから周りの人達は着ている服、入手方法はどんどん変わっていった。
話す言葉も変わっていく。
私のしていることは古いことではないかと恐れていた。
私の感じているちょっとは、周りにはどうやら、だいぶ前のようだった。
何が良いか悪いか、何が正しいか何が正しくないか、何が受け入れられ
て何があり得ないか、それから何が美しいか何が美しくないかも。
美しい基準は、私の娘時代よりだいぶ変わった。流行の現代風のいわゆるモテる顔は分かる。
だけど悲しいかな心からは惹かれない。
私が憧れる美の基準の根底は娘時代のままだ。
つづく