シリーズA【5億円調達】不動産・建築DX企業の「PICK」を未来の仲間に伝えたい
1、はじめに
今回、PICKとして初めての資金調達の発表となりますが、2023年4月のシードラウンドと今回のシリーズAラウンドで多くの強力なパートナーを株主に迎え、第三者割当を実施致しました。
シードラウンドではmintをリード投資家として、有安伸宏氏とHeadlineAsia及び、その他数名の個人投資家よりご出資を頂き、シリーズAではMLCベンチャーズをリード投資家とし、既存株主より追加投資を頂きました。
弊社は株主に恵まれ、全ての株主より、これまで色々な側面で大きな助けをいただいております。
具体的にどんな支援をして頂いたかに関しては、また別途noteを書こうと思いますので、その際に触れさせていただきます。
今回はシリーズAの調達を終えて、これから多くの仲間を必要とするPICKがめちゃめちゃ面白いぞ!
ということを、未来の仲間に伝えたいと思い、筆をとることにしました。
2、PICKは何をやっている会社なのか
■一言で言うと「不動産・建築業界に特化したSaaS企業」
PICKは不動産・建築のDXツールを開発・運営・提供しています。
いわゆるVertical SaaSと言われるビジネスモデルに分類される企業になるかと思いますが、
不動産・建設(建築・土木)は合わせると約100兆円の市場規模になりますので、
業界特化といえどもポテンシャルは大きいです。
我々はこの業界のあらゆる業務フローを効率化して、PURPOSEである「住を豊かに」の実現を目指しています。
■住宅営業を経て、不動産屋として起業
代表をしている私、普家(フケ)は元々新卒で大手ハウスメーカーに入社をし、住宅営業としてキャリアをスタートさせました。
8年間ほど営業職として勤め、その後不動産屋として独立をしました。
サラリーマン時代はとにかく成果を出すことに拘って、今振り返ってみると狂ったようにがむしゃらに仕事をしていました。
そのため、めちゃくちゃ成績は良かったです。
よく勘違いされがちなのですが、ただ成績のために営業をしていたのではなく、多くの方の家づくりに携わるのが楽しくて、気付いたらめちゃくちゃ仕事をしていて、成績も付いてきていたタイプの営業でした。全てのお客様のプランを自分で書いていたくらい住宅がとても好きでした。
決してこの業界でイメージされがちなギラギラ・ゴリゴリの営業マンではなかったです笑
そんなサラリーマン時代を経て、不動産屋を立ち上げ、独立しました。
サラリーマンをしている時に、自分を慕ってくださるお客さんがたくさんいて、色々な相談を受けるようになりました。
「家を売却したい」「相続対策をどうすればいいかわからない」「投資物件を購入したい」
「全ての不動産を預けるから最適な資産組み替えをしてほしい」などなど、、。
住宅営業は一人のお客様と過ごす(打合せする)期間が少なくとも1年くらいあります。
期間が長い分、深い信頼関係を築くことになるので、色々な相談がきます。
ただ、相談をもらったとしても、ハウスメーカーの1営業マンとしては基本的には新築の注文住宅を請け負うことしかできない。
そこにジレンマがあり、独立して不動産屋をやり、なるべく多くのお客様の声に応えられるようにしようと思いました。
■自分が「欲しい」から始まった
独立後も仕事は順調だったのですが、唯一順調ではないことがありました。
それは「事務処理」です。
当然、自分自身で会社を経営することに起因する事務処理は多いのですが、それ以外に不動産業務で必要になる事務処理が多すぎました。
経営上発生する事務処理と、通常業務上発生する事務処理のダブルパンチを喰らい、
「あれ、なんでこんなこと俺してるんだっけ?」
「ムダすぎないか?」
と、初めて今まで自分がしていた業務に真剣に疑問を抱きました。
すると、世の中にこんなサービスがあればいいのに。という風に思考は変わっていき、アイデアが湧き出るようにたくさん出てきました。
その時、自分が「欲しい」と思ったサービスが、今やっている「PICKFORM」というプロダクトにつながっていきます。
よし、世の中にないなら自分でプロダクトを作って課題を解決しちゃおう。
こうして、スモールビジネスからスタートアップへと舵を切ることになります。
3、PICKFORMはどんな課題を解決するプロダクトか
■住宅の良し悪しは住宅・不動産会社の営業の質に左右される
自分が「欲しい」から始まったPICKFORMですが、どんな課題を解決していくプロダクトなのか、
少し具体の話しをしていきます。
住宅を購入したことがある方、皆さんはもしかすると良い買い物ができていなかったかもしれません。
何を言っているのか、私がメインでやっていた注文住宅を例にとって説明します。
注文住宅を建てる際、同じハウスメーカーで、同じ予算で、同じ敷地条件で建築をした際、
出来上がる住宅は同じものである。
と皆さんは思われるかもしれませんが、実態は全く異なります。
同じ要望を伝えたとしても、担当により外観や間取りは全く変わりますし、打ち合わせの充実度、お客様の満足度は変わります。
もっというと生活が変わります。
今後何十年も住むであろう住宅で営まれる生活が。です。
では、なぜこのようなことが起きるのか。
これは「営業」の良し悪しで左右されるからです。
いやいや、結局設計するのは設計士だから設計士で差がつくのでは?
と思われる方もいるかもしれませんが、違います。
断言しますが「営業」で全てが変わります。
そもそも良い営業でないと、お客様に合った良い設計士をアサインすることができません。
会って間もないお客様にフィーリングの合う設計士を見繕う選球眼も必要ですし、仮に合いそうな設計士を見定めることができたとしても、その設計士に依頼できるとは限りません。
私が勤めていた会社では、良い設計士をアサインするには社内での根回しや、段取り力、もっというと政治力も必要でした。
売っている営業でないと社内で声が通らないので、人気の一流設計士をアサインすることは基本的にできません。
■大手企業も中小企業も変わらない
こうした話をすると、それは大手企業に限った話じゃないかと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
優秀な営業であれば、設計士がいなくとも一人でお客様が満足する打ち合わせを最初から最後まですることが可能です。
プラン・内装・外装・設備・インテリア・外構計画・家具・家電に至るまで全て完結できます。
ここに至るには様々な知識・経験・センスが必要なので、大抵の営業マンではそのレベルまで至りません。
こうしたレベルの営業と縁があって家づくりができる場合と、そうではない営業と家づくりをした際には、仕上がりと満足度は変わってきます。
完成後の住宅をプロが見ると違いがわかります。
大手も中小も関係ありません。
家づくりにおいてはそれだけ営業が重要なのです。
そして、注文住宅だけではなく、建売や中古マンションなどの不動産を購入する場合も本質は同じです。
■良い営業や会社をエンパワーメントする
ここまでの話しを聞いただけでも、営業が重要だということは多少伝わったかと思います。
少なくとも自分自身が家を購入する際には良い営業と出会いたいなと思ったのではないでしょうか。
我々はPICKFORMを通して、良い営業や、良い営業が集まっている良い会社をエンパワーメントして、彼ら彼女らが今よりプラス1棟、プラス1件のお客様の対応をできるようにする。
そうすることで一人でも多くのエンドユーザーの住宅・不動産の購入体験が豊かになればと思っています。
■業務フロー全てを改善していくサービス
良い営業がプラス1棟、プラス1件の受注をするには、営業の業務フローにおける無駄を
「契約前」「契約時」「契約後」の全ての業務領域において改善・サポートする必要があります。
PICKFORMはこの全領域をカバーするプロダクトになっていきます。
また、チームとしての営業力底上げも重要になると思っているので、PICKはお客様のセールスイネーブルメントも手がけていきます。
4、なぜ契約領域から参入したのか
■重要度とタイミング
まず、前章で上述した課題を本気で解決するためには、不動産と建築が交わる最も濃い領域の業務改善が最優先になります。
リソースがない我々は力を一点に集中するしかありません。
業務フロー上でのセンターピンとなるのが「契約」でした。
なぜ「契約」が最も大事なのかは後述します。
次に、タイミングですが、最も重要であると定義していた「契約」の電子化が法改正により解禁されるタイミングと重なりました。(参照:宅地建物取引業法の改正)
2022年5月のことです。
最重要であると定義していた領域とその法改正のタイミングが合致するという幸運に恵まれました。
ここをやり切らないといけないと思っていたので、我々は創業以来一度もピボットしておらず、他の領域のプロダクトを作ったりしてリソースを分散させることを一切してきませんでした。
■不動産と建築は地続きである
なぜ「契約」が重要なのかという前提の話しをします。
不動産と建築は地続きで、切り離して考えてはいけないということを理解する必要があります。
例えば、注文住宅の場合にはイメージしやすいかもしれませんが、不動産屋経由で土地を購入(不動産売買契約)して、そこに建築を依頼するハウスメーカーを選定・相談しながら(請負契約)プランを作り、建築するのが一般的です。
不動産の契約をして、建築の契約をするという流れです。
不動産と建築が繋がっていますね。
また、マンション購入の場合にも不動産と建築は切り離せないものとなってきています。
近年、新築マンションの供給は減り、中古マンションを購入(不動産)してリノベーション(建築)して住むという行為は若い世代でも当たり前になってきました。
郊外、地方の中古戸建を購入してリノベーション、もしくは業者がリノベーションして販売するケースも多くあります。
ここ30年程で市場に供給された住宅は劇的に基本性能が向上し、構造躯体もしっかりしています。市場に高性能の住宅がストックされ始めたため、今後はますますリフォーム・リノベーションを施した中古住宅への居住が進むことは間違いありません。
そうした市場において、不動産と建築は益々切り離せなくなり、地続きの産業となります。
■不動産・建築では「契約」領域が最も濃い接点になる
前述しましたが、不動産と建築は地続きの業界です。
では、その2つの業界の最も濃い接点を持つ業務領域は何かと言うと「契約」です。
添付の図をご覧頂くと分かるように「契約」が中心にきます。
これまで不動産売買や建築領域においていろんなサービスを実務者として触ってみましたが、どうも片手落ち感があったのは、この中心に来るはずの「契約」が抜け落ちていたからです。
サービスがバラバラで一気通貫にはならず、逆に管理が煩雑になる。
しかも業務を理解していないであろうUI/UXのサービスも多い。
これではDXは進みません。
本来サービスとしての核となる機能は、業務の中心に位置する「契約」におくべきなのですが、2022年の5月までは宅建業法上、電子での契約が認められていませんでした。
法律の規制により、業務の中心である「契約」行為をデジタル化することが出来なかったのです。
PICKは「契約」が一番重要と理解し、定義している。そして法改正のタイミングも重なった。
ここだけ聞くと、一見ビジネス的には良さそうに思えるのですが、
「電子契約」というワードだけを切り出すと、有名なグローバル企業や大手企業と競合になります。
え、そんな分野で戦うの?と良く質問されました。
しかし、表面的な競合にしかなり得ないと思っていました。
我々はVerticalかつ、契約をコア機能として、そこから複数機能が派生するプロダクトになるので、似て非なるものになります。(「Vertical All in One SaaS」と呼んでいます)
また、不動産の場合には「宅建業法」・「独特な商習慣」・「低いITリテラシー」といったような、攻略が難しい障壁が存在しています。
■一点突破 強烈なバリュープロポジション
実は不動産・建築業界の業務フローを地続きでDXする会社は国内にあまり存在しません。
理由は業務が地続きなのにも関わらず、両業界は似て非なる業界であり、この領域を網羅的に経験、理解している人材が少ないからです。
業界内でも少ないですが、更にIT業界となると言わずもがなです。
PICKにはこの領域に精通して知見のある人間が集まって来ています。
社内で仮説検証を高速で終えて、サービスを世の中に出していけることは大きな強みです。
また、考え方も完全に不動産屋・建築屋の立場で考えるので、電子契約サービスをやるときにはとにかくどのようにしたら「適法」であるかを徹底的に議論しました。
ここに関しては、国のお墨付きをもらって宅建業者さんに安心してもらえるよう、開発に時間を費やしました。
その甲斐もあり、PICKFORMは国土交通大臣から適法である旨の正式回答をいただきました(2022/11正式取得)。
そして、正式回答を公に得たサービスはいまだに(2024/8/23現在)PICKFORMだけです。
こうした背景もあり、PICKFORMは我々がリサーチする限りでは不動産売買領域において国内で一番使われている(*1) 電子契約サービスに成長することができました。
実績も1番で、国のお墨付きが唯一あるというポジションになりました。
※1 PICKFORM上での累計契約数15,823件。(全体の約95%が売買での利用)
2023/8〜2024/7の1年間では12,289件。
(2024年8月23日時点)
5、今のPICKに入社すると面白い理由
■重要な最初の「50」名
現在、社員は20名です。
これから1年で50名まで増えていく予定です。最初の50名は会社の幹となる存在になると思っています。
50名から先もビジネスモデル的には人を増やして組織を大きくしていく必要がありますので、拡大化する組織の基礎を作る意味で、今のこのフェーズの50名はかなり重要だと思っています。
建築でも基礎がとても重要ですが、組織づくりにおいても基礎となる人やカルチャーがとても重要だと思っています。
■実は多種多様なバックグラウンドのメンバー
私が普段から不動産・建築業界出身のメンバーが多いという発信や、営業に関する発信をする機会が多いので、
「体育会系」「ITの粉まぶした不動産屋」とか勘違いされるのですが、、
実は全然違います。
普通にめっちゃSaaS企業ですし、優秀な人間が多いです。
(従業員の3割がプロダクト開発チーム)
各部署ごとにどんな組織なのか、気になる方もいらっしゃるかと思いますので、部署ごとにnoteを書いていく予定です!
公表タイミングに合わせて随時こちらにURLを記載していく予定ですので、
気になる方は覗いてみてください。
<今後公開予定のnote>
・CAO 淵澤
・CRO 阿部. https://note.com/kkkkkooohy/n/n255c16f78c49
・CTO 林
・CPO 藤井
■今後のロードマップ
今回の調達を経て、今後2年間で7つのプロダクトをつくっていきます。
いよいよ「契約前」「契約時」「契約後」の全ての業務フローのDXを本格的に進めていきます。
不動産テックでよくある「仲介」のみの対応ではなく、売買仲介・買取再販・注文住宅・賃貸管理・新築直販・販売代理・リフォーム等のほぼ全ての業態に対応予定で、
待ち望んでくださっているお客様も多いので、スピーディーに提供をしていきたいと思っております。
■採用について
現在、PICKでは各部署にて仲間を募集しており、採用活動を行っております。
法律の改正によって生まれた新たな巨大市場において、いよいよ拡大フェーズに入ったPICKのビジネスへご興味ある方は是非ご連絡下さい。
記事を読んで少しでも興味を持っていただいた方、カジュアル面談しましょう!
【カジュアル面談のお申し込みはこちらから】
普家: https://pitta.me/matches/TjJlOybkvEKZ
プロダクト開発チーム:https://pitta.me/special/company/407cvsuf6g
ビジネス・コーポレートチーム:https://pitta.me/special/company/m_k-8sjdgcg
【PICK採用サイト】
https://water-column-db0.notion.site/PICK-1f9313b62ee94a42b8ffff2d04b21dc1
【普家Xカウント】