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『空飛ぶカブにキャンディを』 (1:1:1)3人劇 20分 ハロモン企画参加作品

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つっきーるる菜乃花月(@ttkrr_nana424 )様主催のハロウィン企画に参加させて頂いた作品です。
企画参加作品纏めて下さっているページは
こちらです👇️

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 空飛ぶカブにキャンディを 20分3人劇
作…こねこねこhttps://note.com/cute_kitty223/n/ndfd4b897e832

Jルタ不問……
ソニア女性……
ケン 男性……


《登場人物紹介》
J・ルタ……ジャック・オー・ランタンの男の子設定ですが、演者様の性別不問です。カブ頭。少し捻くれ者なのは怪物と誤解されることがある為

ソニア……ハローウィンの由来を何となく知って仮装を楽しんでいる女の子。元祖のジャックを知らずカブの怪物と誤解して怒らせてしまう。ケンの隣家に住んでいる。ケンにはお姉さんの様な気持ちで接しています。

ケン……ジャック・オー・ランタンが大好きで色々詳しい男の子。ソニアの幼馴染。一人称が僕か俺か混ざってしまうのはわざとです。まだ少年でいたい時と青年振りたい時でケンの心が揺れています。

本シリーズのヘッダー画像はPhotoAC様よりお借りしました。

以下本編です

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J・ルタ:「ようこそ皆さん、ココは僕の記憶のお菓子箱の一番手前にある、酸っぱく甘いチェリーブロッサム・キャンディの包み紙だ。早速紙を開いて食べようって?待って待って?コレを舐めるなら先に話を聞いてくれないとね!さぁさぁ始まるよ!『空飛ぶカブにキャンディを』」


ソニア:「ねぇお母さん!明日のハローウィン、ケンと約束したの!だから今日は、沢山お菓子を作るから手伝って!」

J・ルタ:「彼女はソニア。この時は15歳。お菓子作りに目覚めたばかり」



ケン:「父さん、今日買い物行く?僕も手伝う、だからコインチョコたくさん買っていい?明日約束しててさ。うん、ソニアとだよ」

J・ルタ:「彼はケン、14歳だ。二人ともハロウィンを楽しみにしている。さて、そんな二人はそれぞれがお菓子を用意して、明日を楽しみにベッドへ入った。そんな深夜の0時…」


SE:入れられる方は古い扉が軋んで開く音を


J・ルタ:「黄泉からの扉がゆっくりと開いて、黄泉の住人はこの国中にそれぞれの家族…縁ある遺族の元へ行くんだ。僕は、それに紛れて悪しき者達もまた生きる者へと這い寄り始めたのを感じて目覚め、不快感で堪らなくなった。それらを追いかけ回し続けていつの間にか優雅なお茶の時間になった」


SE:入れられる方は終業のチャイムを


ソニア:「母さんただいま!さ、制服脱いで仮装しなきゃ!お菓子は…クッキーにキャンディにゼリーピーンズもカゴに入れたし、大丈夫!ねぇ!帰りにリンゴ飴買っても良い?ヤッタ!みんなの分買ってくるね!」


ケン:「ただいまー!母さん仮装するから、メイクしてよ!」


J・ルタ:「ハロウィンは豊穣と先祖への感謝の日。冬を無事に越すための日。僕がこの世に囚われた日。僕はみんなを守る。声も姿も見せないで、今日が終わるまでの間、そっとイイ子のお菓子のカゴに聖水を忍ばせるんだ」


ソニア:「ケン!お待たせ!」

ケン:「遅いよ〜?」


ソニア:「ゴメンね!メイクに時間取られちゃったテヘペロ☆」


ケン:「顔ちょっと見せ…って、うわ!怖いよ!よく出来てる!どこから見ても魔女だ!さすがソニアの母さん!」


ソニア:「素直に喜んでいいのかな(苦笑)ケンもジャック・オー・ランタン怖いよ?それに紫のマント!素敵よ!」


ケン:「へへ〜ん!カボチャは発泡スチロールだけど、マントは縫うの大変だったよ!ミシン斜向かいのアンナおばさんに借りて一ヶ月かけて俺が作ったんだぜ!」


ソニア:「やるじゃん!今年はどこから回る?」

ケン:「先ずアンナおばさんに見せたい!」

ソニア:「分かった!そうだね!向こうからぐるっと回ろ、それから大通り行ってリンゴ飴」


ケン:「やっぱり?!リンゴ飴外せないよな!」


J・ルタ:「そんな二人が近所の家を回り終えてお菓子を交換し、一杯になったカゴを抱えて大通りに向けて歩いて行く。と、誰もいないはずの広い庭のある空き家の前を通った時」


ケン兼役:ギャ!(ギリ聞こえる程度)

ソニア:「ヒッ!なに?!」


ケン:「この家の中庭辺りからだ…」

ソニア:「え…警察呼ぶ?」

ケン:「いや、ちょっと様子を…っ?!」


J・ルタ:「動くな!この悪魔め!」

ソニア:「え…?!何あれ?何かが飛んでる!仮装した人間じゃな(いわよね)」

ケン:「(被せて)ジャック・オー・ランタンだ!!」


ソニア:「え?!ケンどういう事?入っちゃだめよ!ケン!」

ケン:「ジャック・オー・ランタンだよ!よく分かんないけど本物だ!」

ソニア:「でもなんか白いわよ?」


J・ルタ:「待てっ!そっちだけはダメだ!あぁッ!避けてキミ!」

ソニア:「ねえ、ケン!どうし…うッ」


ケン:「ソニア!?誰か!ソニアが倒れ(ちゃったよ)!」

J・ルタ:「(被せて)黙って!大きい声出しちゃダメだ!大丈夫だから!」


ケン:「えっジャック・・・?本当に本物?」

J・ルタ:「あぁ、そうだよ!」

ケン:「本当に本当?」


J・ルタ:「しつこいなぁ!そうだったら!」

ケン:「うわぁ!ジャック・オー・ランタン!僕はケン!」

J・ルタ:「ケン?おい状況わかってるの?君の友達に悪魔が入っちゃったんだぞ?!そんな話してる場合か?!」

ケン:「え?!ソニアに悪魔が?!大変だ!どうしよう!」


J・ルタ:「ふ〜…とにかく、ちょっと静かに!落ち着いてくれ」

ケン:「ごめんなさいジャック、僕どうしたらいい?何かできることある?ああどうしよう」

J・ルタ:「僕の名前はルタだよ。うん。君にできること…ん?(ソニアのカゴの残りのクッキーを嗅ぐ)クンクン…よし!ローズマリーだ!!良いぞ助かった!」

ケン:「え?クッキーがどうかしたの?」


J・ルタ:「あぁ、君にして欲しい事があるよ。そのローズマリークッキーをまず」

ケン:「クッキーを…?」

J・ルタ:「食べてくれ」

ケン:「ええー?!ルタ!僕、ローズマリーだけは嫌いなんだよ!」

J・ルタ:「ソニアが助からなくてもいいの?」

ケン:「えっ・・・やだよぉ」


J・ルタ:「男だろ!好きな子のために嫌いな物我慢して食べる位出来なくてどうする!!」

ケン:「好き・・・って?なんで知って!?」

J・ルタ:「好きだろ?そうでなきゃ助けらんないぞ」


ケン:「っ!・・・す、好きだけど!」

J・ルタ:「よし、食べるんだ」

ケン:「分かっ・・・たよ!うっ…匂いが」


J・ルタ:「男だろ?!」

ケン:「男だよっ!俺は男だっ(もぐもぐ)」

J・ルタ:「そしてソニアの手を取って」

ケン:「手を・・?」

J・ルタ:「甲にキスする。悪よ出ていけって念じながら」

ケン:「キ・・?!」


J・ルタ:「早くしないと〜」

ケン:「わ、分かった、分かったって!悪よソニアの体から出ろ!」(キスをした。リップ音はなくても大丈夫です)

J・ルタ:「よし!そしたらキミのカゴに入っている小瓶を開けて、ソニアの心臓辺りに掛けるんだ!全部だよ?」

ケン:「小瓶?こんな小瓶入れたっけ…?」

J・ルタ:「早く!悪魔が弱ってる内に!」

ケン:「うん。分かった…!この辺かな・・・?わ!なんかソニアから出てきた!」

ソニア兼役:「うあぁあ!もう少しだったのにぃ!(フェードアウト)」

ケン:「っ…!終わった…の?」

J・ルタ:「あぁ!ケンやったな!」

ソニア:「う〜ん…」

ケン:「ソニア!!良かった!」

ソニア:「ケン…?私どうし…エッ!何この浮いてるカブ!キャー!本物のお化け!ケン助けて!」

J・ルタ:「全く!騒がしいな!しかも僕をそんじょそこらの悪霊扱いするなんて!助けてやったのに恩知らず!お前なんか助けるんじゃなかったよ!!」

ケン:「ソニア!ダメだよ!この人はジャック・オー・ランタンだ!君を悪魔から守ってくれたんだよ!」

J・ルタ:「そうだぞ!僕はジャック・オー・ランタンのルタ!悪霊なんてとんでもない!この屋敷に巣食おうとしてた悪魔を祓いに来たってのに!君たちが入って来ちゃったのがそもそも悪いんだ!それになんで僕の声が聞こえる?見える?話せるんだ、訳が分からない」

ケン:「ご、ごめんなさい。勝手に入って」

ソニア:「悪かったわ。でもジャック・オー・ランタンなのにカブ頭って」

ケン:「ソニア!ジャック・オー・ランタンは、もともとカブ頭なんだよ。今はカボチャで認識されてるけどね、おかげで僕はすぐ本物だって分かった」

J・ルタ:「ケン、君はハローウィンの事に詳しいんだね。」

ケン:「もちろんだよ!僕は貴方の事が大好きなんだ!」

J・ルタ:「え?僕が、好きなの・・・?」

ケン:「うん、だってヒーローじゃないか!人々を陰ながら守ってる、なんてさ!カッコいいよ!」

ソニア:「二人で私を助けてくれたの・・・?ルタ?ごめんなさい!ありがとう!」

J・ルタ:「へへん!良いってことよ!」

ケン:「あはははは!赤カブだ!照れてら!」

J・ルタ:「うるさいよケン」

ソニア:「茶化しちゃ悪いわ、ケン」

J・ルタ:「っと、そろそろ暗くなってくるぞ。帰らなくっていいのかい?」

ケン:「っそうだ!リンゴ飴買わなきゃ!来年までお預けになっちゃう!」

ソニア:「ほんとだわ!」

J・ルタ:「売り切れない内に行きなよ」

ケン:「ジャック・・・また来年会えるのかな・・・?」

J・ルタ:「生きてればね、なんちゃって。来年の今日、ココで会えるよ、きっと」

ケン:「アハハハありがとう!またねジャック!ソニア!行こう!」

ソニア:「えぇ。また、来年」

J・ルタ:「あぁ美味しいの買っといで。またね」

ソニア:「あ!そうだ!ジャック、これ、貰って!」


J・ルタ:「チェリーブロッサムキャンディ?」

ソニア:「私の大好物なの!あ、食べられるのかしら」


J・ルタ:「フフッ大事にするね。美味しそうだ。大好きな人と良い夜を!ソニア!」

ソニア:「ええ!」


ケン:「ソニアー!売り切れちゃうよ!」

ソニア:「またね、ジャック!私、貴方の事も大好きよ、また来年ね」

J・ルタ:「!?うん。」


(二人が去った後)

J・ルタ:「やれやれ。酸いも甘いも噛み分けたつもりだが、若いってくすぐったくて、いいね」

ケン:「ソニア・・・ジャック、じゃなくて、ルタが好きなの?」

ソニア:「え?えぇ、悪い人じゃないし・・・?どうかした?」

ケン:「うぅん、ヒーローはやっぱりカッコいいよね」

ソニア:「そうだね?あ、リンゴ飴!まだありそう!オバさん!3つ頂戴!」

ケン:「ソニア、食べるなら手を洗ってからのほうが良いよ」

ソニア:「え?・・・うん。いつも洗ってるよ?」

J・ルタ:「(小声で)くすくす・・・ローズマリークッキーのニオイ気にしてやんの」

ケン:「(小声で)ルタいたの?!黙っててよ?!絶対!」

J・ルタ:「(小声で)くすくす・・・分かった分かった」

ケン:「あ、僕は小さいの3つ追加で!」


J・ルタ:「甘酸っぱいキャンディは、いかが?ふふふっ」


〜了〜

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