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キツネにつままれたかのような…
そしてまた、幾日か過ぎたある日の事だった。
洋介君と僕はいつもの如く、いつもの駄菓子屋でお菓子を買い、沼に行くか山に行くか、駄菓子屋の前で話していると、ふと、最近あの女子高生に遭遇してないと思い、時間もいつも行く16時になろうとしてた頃で、2人でちょっと行ってみようということに。
これが、これから起こるとんでもない事実を知らされる事になろうとは…
ピンポーン
ピンポーン
僕「あれ、いないね、帰ってきてないのかな」
洋介君「あっきー…なんかさ、この家さ人住んでなくない?…」
僕「確かに…気にしてなかったけど、なんかちゃんと見ると前来た時と全然雰囲気違う!人の住んでる気配ない…なんで??」
洋介君「引越したのかな?」
僕「えー、だったらなんかしら言ってくれるんじゃない?突然いなくなる?」
洋介君「でもさ…なんか変だったよね…」
僕「え?どういう事?オバケとかそういうのじゃないよね?そういうのなら逆にわかるよ」
この時心の中で私は、あの温もりはオバケではないと信じたいから、頑なに否定した。
あーだの、こーだの、2人でその家の前で話していると、その声を聞いてなのか、その家の隣のおばさんが出てきて、「どうしたの?この家、誰も住んでないよ。勝手に入ったりしたら怒られるからダメよ!」
僕も洋介君も、俗にいうフリーズ状態。
でも、納得いかない僕は、「いや、つい最近まで住んでましたよね?3人家族の!」
心の中で、このおばさんがボケてるんじゃねーの?くらいに思ってたw
おばさん「あー、2年くらい前までいたかね。3人家族でしょ?娘さんがいる親子ね。
でも引っ越して、その後は誰も住んでないよ。
その家族も東京の方に行くとかで、そのあとは知らないね」
はい、またまたフリーズ。
僕と洋介君はその後、一言も交わす事なく、無言のまま歩いて帰った…
おそらく、お互い頭の中では同じ事を考えていたと思うが、この何十年経った今でも、あれは間違いなく、生霊、死霊、の類ではないくらいのリアルだった。 いやいや、なにせ、あの温もり… あのホットケーキや、チャーハンの味。今でも覚えている。
こればかりは、今だに自分でも理解できない出来事だった…
洋介君は理解し、答えを導き出せたのだろうか‥
答え合わせをしたい。
P.S
ちなみに、私の田舎では熊が多く出没する。その後何事もなかったかのように毎日が過ぎていく中で、2人で山にカブトムシを採りに行った時に、子熊に遭遇し、洋介君はあれほど学校での対策を教わってるにもかかわらず、石を投げるという不届行為をした為に、近くにいた親熊が走ってきて、逃げ遅れた僕が背中に爪痕を残されるという悲劇が起きた事も、これまた事実である。
幸い、命に別状はなかったが、あの時ばかりは彼を恨んだw
そして、それが僕が人生で新聞記事に名前が載る第1回目だという事はここに記しておこう。
当然第二回があるという事だ。