人類滅亡後の新世界
人類の大半が核戦争で滅び地下シェルターに避難したわずかな人々は外界の放射線量が低下するまで10年ほど地下都市で暮らした。
大人たちは地下施設で育った子供たちにに特殊な訓練を施し特に優秀な14歳~18歳の少年少女たちに30名を2グループに分け地上で生存可能な地点を探すよう命ずる。
1日目
地下シェルターを出て荒涼とした大地を歩く少年少女たち。
第2グループを率いる陽気な少年ディトが第1グループのリーダー、アディンに尋ねる。
「どうおもうアディン?本当に俺たちが生きられる場所なんて見つかるのか」陽気な少年ディトがリーダー格のアディンに聞いた
「恐らくあるのだろう。でなければ俺たちに任務を与えるはずがないからな」
「そりゃそうだけどさ。こんな防護服なしじゃ生きられない世界でどうしろってんだ」
「大人たちはおそらくほかの地下都市の存在の確認が目的だろう?」
「何?他にも地下都市があるって?」
「大戦が始まる前主要各国は核戦争に備えて秘密裏に十年間生存可能な地下施設を作ったはずだ。大半は壊滅しただろうが生き残ってるのもあるかもしれない。」
「だがそんなこと大人たちは何も言わなかったぜ」
「それはこういうことだ。俺たちがもし他の生存人類と遭遇したとき捕まって情報を漏らすことを恐れているのだろう」
「まったく水臭いことしやがるぜ」
「俺たちを外界調査に送り出したのも地下都市の食糧が逼迫したことによる口べらしもあるが、生存可能地点で若い俺たちに植民させるつもりだろう」
「もし他のやつらと鉢合わせしたらどうする?」
「同盟か戦争か?おそらく大人たちは新しい世界で覇権を握りたいのだろう」
彼らは戦闘の訓練も受け小銃も携行している。
「まったく大人のやつらはひどいことしやがるな」
まずは食糧の確保が必要だ。
放射線量の少ない地点を探し、荒地でも育ち食糧になるカテモノという植物を植えなくてはならない。
携行食糧は約30日分。
まずは食糧問題を解決しなくては。
放射線測定装置は北の方角が放射線が少ないと教えてくる。
砂嵐が吹く北の丘陵地帯を進むと突如銃声が鳴った。
【続く】
逆噴射小説大賞2023に間に合わなかった小説です。