超現象研究倶楽部 ひと夏の冒険
あの夏から今年で丁度10年経った。
僕達は高校生の頃超常現象研究倶楽部という部活を作って遊んでいた。
僕と守それから裕美と由紀恵と麗奈の5人だ。
随分下らないことをやったりしたが当時の僕らは本当に真剣な思いでUFOだの幽霊だのを研究したりフィールドワークを行ったものだ。
僕にとっては輝かしい青春の思い出なのだが高3となり守と裕美は受験勉強に専念するということで段々集まって活動することもなくなってきた。
なにせ部長の守が色々活動を決めたり仕切っていたのでそれなら超研の活動もこれで一区切りということで高3の夏休み合宿を決行することになった。
どこに合宿するのかと聞いたら「これだ」と守が黄色いチラシを持ってきた。
「◯◯夫婦殺人事件有力情報に謝礼金500万円」
とある。下を読むと
「平成◯年◯月◯日早朝、N県S町(当時59歳)方において、刃物等で刺されて死亡しているSさんと妻のTさん(同時56歳)が発見されたもの」とある。
S町といえば隣町で車で約1時間の距離だ。
たしかに興味深いが10年も前の話高校生が首を突っ込む問題じゃないというと「駄目で元々さ。しかし500万の謝礼は魅力的だろ」と守。
「そりゃそうだけどさ。なんか怖いな。策はあるのか?」
無闇に聞き込みしたって手掛かりがあるとは思えんし。
「まあな。2つ考えてる。1つは正攻法。現場に行って手掛かりを探し遺族に話を聞いてみる。警察が気づかない盲点があるかもしれない」
「もう1つは?」
「麗奈さ。彼女たしか霊感強いって言ってただろ。彼女の力を借りれば何か手掛かが得られるかも」
「うーん。本人が乗り気になればね」
「ま、そういうことだ」
意外なことに本人に聞いたら意外と乗り気である。
そして夏休みとなり顧問の前川先生の車でS町へ向かう。
午後宿に着いて作戦会議。
そして2手に別れる。
僕と守と麗奈は聞き込みを後の2人と前川先生は事件の記事を図書館に行って調べることとなった。
【続く】