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天星の姫君(てんせいのひめぎみ)
2022 9/10から執筆開始。
星が降るその国は 星から ひめぎみ が生まれるという伝説があった。
これはとある異世界の、名もなき星のもとに生まれた物語である。
アケルナル王国伝説 序章より。
アトリア村*星見台にて 一人ぼっちの少女が星を見ていた。
見上げるばかりは星の海。
あたりは閑散としており、星見台から村までは大人でも30分かかるくらいの道のりだと、村長さんから教わった。
明かりといえば、振り向いた遠く、反対側に
生まれ育った村の明かりがまばらにあるだけである。
こんな夜の、淡いオレンジ色の光は、地上の星にも見える。
また、空を見上げる。
「このいろは、青い色」
まるで、亡くなったお母さまが残したあの、インクの色にそっくり。
そのまま空に流したみたいな深い深い青い色。
夜空にちりばめられた月の光にも勝る星の輝き。
こんな輝きは、
一年に一度の星まつりの時に見かけた王様と女王様がつけていた冠の
色とりどりに輝く輝石(きせき)くらい。
「まぶしぃ、、。」
思わず、手を伸ばしてしまう。届くはずのないと分かっていても。
それでも、
「うぅう~っ」
と、もっと手を伸ばす。それに応えるかのようにして
一筋の星が流れた。
その星は、星の海でひときわ大きく、眩しく、七色の輝きを放って、幻光のレースをまとい、空を飛んでいた。
「天使さ、ま、、?」
天使様は、姫君をこの世に導く役目をもっているという。天使様が現れたら姫君が現れる予兆だという。、、らしい。実際にこの目で見たのは初めてだし、教わったとしても生きている間にはみられるかどうか、、怪しい。
だからこそ、もう、その、胸の内からこう、ぶわってなるくらい
感動?わくわく?が、止まらなかった。
この気持ち止まってほしくない。ずっと、ずっと、続けばいいのに。
そうこうしているうちに、天使さまは飛び去ってしまった。
あぁ、まだ胸がどきどきしてる。今のきらめきが目に焼き付いている。
なんだったら、もういちど空の上に幻を見れるくらい。
きらめいている。もう、目を閉じられない。
今夜ばかりは、星の魔法にかかってよかったと思う。
そう思い、帰路に就く。
ミモザはこのとき自分が運命を変える出会いをすることを知る由もない。
次回につづく。(次回未定)