母のこと
『親の愛は、心配することや、親の思う正しい道に導くことではない』
母が今日ショートステイから帰ってきた
毎回反応が違っていて
私が母の妹になってみたり
施設の人になってみたり
今日は娘だとわかっていた
昔から不思議に勘の働く人で
私が自分の家の片付けをし始めて
実家からの移動を進めていることを
話していないのにいきなり言った
『まりこは、自分のうち処分したの?』
突然の言葉にムッとした私
するならこっちだよ!と冷たくいい
出来る限りの無視をする
妄想で作られた話に付き合うと
私までもがおかしくなるから
あまりにもしつこいので怒ってしまった
お母さんは1人でここに住む
まりこの家に行ってもいいけど
とか
結局お母さんは何がいいたいの?何考えてるの?どうしたいの?
少しふて寝をした後に夕飯を食べてテレビをみてた
寝る支度をするのに着替えさせて
『お母さん、心配になっちゃったの?』
そう聞いてみた
涙を浮かべながらニコニコして
『心配だったけどね、まりこのことみてたら心配じゃなくなったの。お母さんにはまりこがいるもんね』
そう言った
私はお母さんと一緒にいるでしょ
なんにも心配いらないんだから
そう言うと安心して寝た
寂しい記憶は重い
母も私も
ずっと寂しかったんだ
同情もしない
可哀想だとも思わない
ありのままの母
ありのままの私で良いんだ