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チラチラ ジロジロ

こんばんは、いきなりですが皆さんはコーヒーはお好きですか。私は好きです。
 ここだけのはなし、神保町にお気に入りのお店があります。ローストされたコーヒーの香ばしい匂いがお店の外まで漂ってきてついつい、懐の紐が緩くなってしまいます。それだけです。
 今日は好きな日本のマナーについてぽちぽち。

 日本人の呼び方は国ごとで変わる。その中でもロシアの「ヤポンスキー」という呼び方を特に気に入っている。理由は単純、トルストイが好きだからだ。作品が「暗黒のノワール」と評されるなんてかっこよすぎる。

 ロシアを詳しく知らないが、かの文豪トルストイを輩出したというだけであのユーラシア大陸全体が輝いて見えてしまう。
 ちんけなおつむの持ち主、それが私なのだ。
 というわけでロシアに片思いをしている最中なのだが、あちらは脆弱なヤポンスキーなんて眼中にもないだろう。

大いに結構。ハラショー!

 前置きはこれくらいにして、本題に入ろう。

 小さい頃から外国人をついつい見てしまう癖があった。やめなさい。と母親によく注意されていたがついに直らなかった。

 他意はない。
 「がいこくじん」と全称を呼ぶのがめんどくさくて「ガイジン」と略す中坊と同じ発想なだけだ。

 いつも絵画を鑑賞する面持ちで彼らを見ている。
例えば、日本人が持たざる、あの、ビー玉のような透明度を誇る目ん玉とか。少し走っただけでピンクに染まる頬とか。とにかく男女問わず綺麗で見惚れてしまっている。
 だから落ち着きのない子供のようにチラチラと見てしまう。バレないと思って見ている。
 記憶の中の美術館で飾られていた肖像画と比較して、やはり本物の方が美しい!と思ってしまっている。

 話が変わるが、日本人がシャイであることに皆さんは同意するだろうか。
 日本人はシャイであるうえにこだわりが強い。だから匠という言葉が生まれたのだろう。
 そんなシャイな日本人は海の向こうの人々のように素直に人を褒めることができない。
 語弊だ。素直ではなく、変な人だと思われたくなくて黙ってしまう。それで、相手を褒める機会が減っていく。家族なら簡単に言えるかもしれないが、初対面の相手に向かっていきなり、綺麗ですねと言うわけにはない。
 考えてみてください。いつものように歩いていたら急に見知らぬ人が現れて「あなたはとても綺麗ですね。」と言われたらどう思いますか。
 交番案件だと思います。
 つまり、日本では思いを言葉にすることに大きなリスクがあるということです。
 そこに日本人特有のシャイさが加わってくると余計モノが言えなくなる。
 そこで生まれたのがチラチラジロジロ。
 だが、人というものは敏感で視線を感じると不愉快になる。それで、マナーとしてチラチラジロジロはよくないということになった。

 このチラチラジロジロの真意を考察してみたわけだが根底にあるものが見えてくるとマナーとして禁止されてしまったチラチラジロジロは意外にもかわいい日本人の性質が出ているのでかなり気に入っている。

 いおうかな。でもいったら変な目で見られる。そうしたら一生、立ち直れない。急に話しかけたら変な人だと思われてしまう。だからいわない方がいい。でも、この気持ちをどうすればいいんだ。うじうじと一人芝居を繰り返す日本人の優柔不断さ。
 そして、知らない人に褒められたことで反応に困った人が「あの態度は良くなかったかもしれない。」と反省を始めてしまうぐだぐだな感じも好きだ。


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