見出し画像

繰り返す

 おはようございます。最近よく寝落ちているややや?です。(4日目にて連続更新失敗)
 おととい出した墜落の文章にたくさんの❤️をいただいたことに嬉しさ5割とびっくりが5割混ざっています。将来って不透明で怖いですよね。でも、悩んだところで答えが出ない時だってあります。そんなあなたにYouTube動画、「3年Z組銀八先生」(なんと!あの銀魂のエリザベスが実写化されている。)をお勧めをします!悩みなんて吹っ飛ばそう。
 今日は大学受験についてぽちぽち。

 高校の時に行ったディズニーは楽しかった。ナイトパスで全然時間がなかったけどみんなでジェットコースターを何周もして楽しい楽しいって言っていた。 
 楽しかったのはそれが最後。大学受験が始まった。あっという間にクラスはギスギスした雰囲気にのまれて、修学旅行ではいつのまにか北野天満宮と京都大学がコースに組み込まれていた。僕、班長だったのに知らなかったんだけど。夜はみんなで講習会を開いて数学を解いた。修学旅行って、、、、、、。
 それからは学校と自習室を往復する毎日。大学受験ガチ勢じゃ無かったけどあの独特な空気にあてられてしまった。たいして勉強もしていないのにこめかみが痛み、ご飯も食べられなくなってサプリメントで補うようになった。空腹感は感じなくなっていた。
 唯一、救いだったのは失眠しなかったことだ。

 受験が終わり、結果はさまざまだったがみんなの眼に光が戻ってきた。受かった人も落ちた人もみんな憑き物が落ちたように元に戻った。
 僕は思うような成績を残すことがなかったが、もう二度とあの雰囲気に飲み込まれたくないので進学を決めた。

 大学受験は人生がかかっているのは嘘だと大学に入ってから気がついた。大学と名のつくところには教授がいて、みんなそれなりの成績を残してきた人たちで教えたがりだった。大学で怠けずに単位を取って自分のやりたいことを見つけ、そのための対策をすれば就職はできた。
 みーんな嘘っぱち、違いなんて学校側運営の対応と周りの学生のレベル程度で僕が体を壊してまで頑張るほどのものじゃなかった。

 受験が終わってから仲の良い子たちとディズニーで遊んだ。あれだけ好きだったジェットコースターは地獄だった。爽快感は消え失せ、恐怖だけが心を占拠した。結局その日はみんなが楽しそうに遊ぶ傍らをゾンビのようにふらふらと跡をついてまわった。
 最初に乗ったジェットコースターでHPはゼロを通り越してマイナスになっていた。みんながそれぞれ刺激的な遊びを昂じてるなか、僕は一人ポップコーンをつまんで悲鳴と共に上下を往復するマシーンをぼんやりと眺めた。
 頭の上にはみんなから預けられた複数のカチューシャがかけられていた。

 それから数年、ジェットコースターの爽快感はドーパミンによるよるものだと知った。
 きっと大学受験の時に僕はドーパミンを制御する権利を失ったのかもしれない。だって高校はあれだけ楽しかったのに大学に入ってから感情が動かなくなってしまった。数少ない友人にそのことを伝えたら「そんなことある?笑」と言われてしまった。冗談だと思ったらしい。お互い社会人なのでディズニーに行くほどの体力もないし大の男二人では華がないということで行き先は急遽、水道橋に変わった。
 「ええっ、これに乗る?」
 子供だけの乗り場に連れてこられた。
 おじさん恥ずかしい。
 乗る直前に友人は離脱し何故か僕一人で乗ることになった。、、、、、、え?
 マシーンの原理は振り子(海賊船)が左右に振れるような簡単なものだった。
 ウィーンカツッと鳴り、動き出す。
 実は少しワクワクしていた。友人に言ったものの僕は自分でも異常があると認めたくなかった。
そよ風を感じ、これくらいならと余裕と思っていると僕の思いに応えるように振り子の運動エネルギーはさらに大きくなっていった。前に乗っていた子供達は手を叩いて喜んでいた。

 あっこれやばい、思っていると案のじょう、喉の奥から悲鳴が聞こえてきた。初めこそ誰の悲鳴だ?と呑気に思っていたが気がつけば僕はガードのクッションを握りしめながらギャアーーと到底大人とは思えないような野太い悲鳴をあげていた。
 頬に何かがつたり、自分が泣いているのだと気がついた。前列で手を叩いて喜んでいた子供達は僕の悲鳴が聞こえ始めるとわざわざ首を捻って僕を観察し始めた。いよいよ僕が泣き出すと心の底から楽しそうに、マシーンそっちのけに僕のショーを最後まで見届けてくれた。
 長い、長い時間が終焉を迎えた。
 家に帰る時間だ。
 恐怖を感じ、抑えられないような悲鳴をあげながら、冷静に周りを観察する余裕がある。僕の脳みそはチグハグだ。
 「やばいよお前。」友人はニヤニヤしながら、酒を片手に話しかけてきた。いつのまにかコンビニに行ってきたらしい。
 つまみはタダだったよとスマホを差し出された。
 画面にドアップで映し出された自分の顔は恐怖そのものだった。怒る気力さえも失せていて、無言で酒を要求した。

 今日、僕は友人とメンツと大人としてのプライドを失った。

 「おじさん面白かったよ!またねー。」親に連れられて消えていく子供達に手を振ってやり、最悪な1日だと缶を握りつぶした。

 受験なんて12年間の学生生活の総まとめで、人生のほんの一部なんだ。
 教育資源を親たちに競わせてお金を取るなんて非人道的すぎる。もう見えなくなってしまった子供達の背を思い出しながら彼らはどんな人生を送るのだろうか。将来に思いを馳せた。


閲覧いただきありがとうございます!
一昨日投稿した墜落の文章も是非一読を〜
あわよくばコメントもください!みんなが自分の未来をどう思っているのか興味があります。

いいなと思ったら応援しよう!