ひろがるスカイ!プリキュアのテーマは「どう荷を持つか」である
真人間です。
ひろがるスカイ!プリキュア、最高です。
そんなひろプリ、テーマは「どう荷を持つか」だと思っております。
理由を話します。
ヒーローになるため修行を重ねてきた少女ソラは、修行のたまものかとにかく運動神経抜群。変身しなくても岩石を砕けます。そんな彼女はプリキュアになったとき、普通に暮らしてきた一般人で友達のましろと一緒に戦うことを拒みました。「(自分は傷ついてもいいけど)友達には傷ついてほしくない」のです。この時のソラは「友達の思いを尊重し、一緒に傷つき戦う覚悟」ができない印象を受けました。当然です。彼女の憧れたヒーロー(シャララ隊長)も「一人」で自分を救ってくれた存在であり、彼女の修業は家族の支えはあったものの基本「一人」でした。さらにソラとましろには圧倒的戦力差があり、ましろのほうがダメージを受けるであろうことは明確なのです。しかしましろの説得により、ソラはましろと荷を分かち合う覚悟ができます。ましろを信じて、ましろが身体的に傷ついても自分と一緒に戦ってくれる存在であることを実感します。
ましろは普通に暮らしてきた中学生で、武術の心得などはありませんが、弱くてもソラと共闘する覚悟を持っています。そのましろが、唯一「キュアマジェスティを戦闘に参加させる」ことを拒みました。マジェスティは近接攻撃においてソラに並ぶ実力を持っていて、戦闘力は十分なのですが、変身前はエルという赤ちゃんです。ましろもまた、自分が傷つくのは構わないが、自分よりも弱いものが傷つくことを恐れているのです。マジェスティが戦いたいと思っていても。しかしこれはソラの説得(ましろが昔はマジェスティと同じ立場だったこと)により、ましろはマジェスティに自分の背負った荷を分ける覚悟をします。
そして最近の話では、ソラが抱えた問題について、メンバーに「一人で悩みたい」と言うシーンがありました。これはひろプリ初期の「一人孤独に荷を抱え込む」ではなく、仲間がいるからこそ「この荷は一人で抱え、自分で解決したい」という大きな対比だったと思います。さらにそのソラの意志を仲間は尊重します。
ソラは一人で抱えながらも、ツバサの「分からないなら本人に聞いてみるべき」というアドバイスも受け入れ、実行します。そして「悩んで進んでいくことがヒーローだ」と、自分の未熟さを受け入れて昇華しています。これはソラが地球に来たときに描いていたヒーロー像とは全く違うものだと思います。ソラはこの一年で、自分の背負った荷を他人と分かち合い、そのときのことを人に伝え、周りを信頼しているからこそ一人で荷を背負う覚悟を決め、自分の中でずっと持ち続けていた「ヒーロー」という概念をさらに明確化するという大成長を遂げています。自分が圧倒的に強い(から一人で戦わねばならない)と思って荷物を抱え込んでいたソラが、自分の未熟さを認めて不断の努力をし続けることがヒーローであると断言する姿は、もう…最高でした。
敵のアンダーグ帝国は謎が多いですが、キーワードが出ました。スキアヘッドの行動理念が「愛」だということです。ソラには愛を理由に動く人が他人を不幸にすることがまだ理解できません。ソラはスキアヘッドと対話しようと試みていますが、これからどうなるのでしょうか。ここから各キャラの成長まとめ回、幹部戦回、ラスボス回とあるので超超超楽しみです。